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私、夢城明希。
ごく普通のゲームオタク、小学6年生だけど…
この前、家に捨て猫がやってきた!
元動物病院の副院長おばあちゃんが保護して、家族の承諾もあり家で飼うことになった。
「それでね、ナグって名前にしたいんだけど、どーかな?」「いいんじゃない?かわいい名前。ね、叶実ちゃん。」「だね。ちなみに理由は?」「えっとねー…」
それは数ヶ月前のこと。
私はその時とにかく暇すぎて、アマ◯ラで鬼滅を見ていた時のこと。
まじで拾壱の型・凪がかっこよすぎて(ファンしか知らないかも…)やばかったから名前にしてみた。それに使いやすいし。
「だったらナギでよくない?なんでグにする必要があるの?」「ナグのほうがかわいいから!育の話によるとあの猫はメスらしいから、かわいい名前の方がよくない?」「確かに。」
家に帰っておばあちゃんに早速提案してみたら、即採用されて猫の名をナグと呼ぶことにした。
友達の山浦天音と佐田叶実とのグループラインでそのことを報告すると、2人ともよかったね。との返信が来た。
翌日のことだった。
私の所属する放送委員会では、リクエスト曲のイベントを実施することが決定している。リクエストをするアンケート用紙のデザイン案の話し合いで私と天音と叶実の3人は、残りのメンバーがいる6年2組にはいった。
話し合いが進んでいっていた時だった。
私にケンカを売るような声が耳に入ってきた。
「明希って、猫飼い始めたんだよね?それも捨て猫。明希ってまじ三日坊主だから自分が拾ったってなるとまじ爆笑だよね?自分で世話してんのかなー(笑)だとしたらありえない!」
2組の千坂菜生(なな)だ。
去年まで親しい関係だったが、運動会前に天音と彼女の影口してるのがバレて、友達じゃやなくなった。
それから一言も口を利いていない。そもそも去年も今年も違うクラスだし。
確かに陰口も悪口も悪かったとは思うけど、倍返しっての?最低!
「ありえないな〜。」
あえて大きな声で言った。
「私が”自分から”猫を拾ったら。三日坊主の私が面倒くさくてやりたくないに決まってる猫の世話なんてするの。」
「猫の世話なんてめんどくさいものじゃない!楽しいよ!勝手に言うな!」
菜生はバッと立ち上がって、荒げた声で言い返し、こちらを睨んできた。
私は、菜生を睨み返して言った。
「それはこっちのセリフ。何も知らないくせに、何も分かんないくせに、勝手に想像して、勝手にケラケラ笑うな。ふざけんな。」
低い声で言った。
菜生はすねた顔をして、席に座り、時々こちらを睨みながら友達とニコニコ笑いながら絵を描いていた。
腹立つやつ。
下校中。
「あいつにあそこまで言っちゃうだなんて、ほんとすごいよ、明希ちゃん。」
天音は関心の目で言った。
「まじあいつムカつくもんね。言い返せたのまじヤバイしスッキリするー!さすが明希ちゃんだよ。」
叶実はすっきりした顔で言った。
言い返せてよかったけど。
あれはナグのせいじゃない。
ナグがペットになったからじゃない。
話が広まって、あいつのもとにとどいただけだもんね。
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