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頭の中が空っぽで、穴が空いたようだった
ベッドから体を起こす前に、自分のことについて思い出した
ノートを読まないと
右に視線を移動する
ベッドのすぐ近くに小さな机があり、そこにはよくあるノートが置かれていた
それを開き、そこに記されていることを読んだ
簡潔に言うと、私の記憶は、1日経てば消えてしまうという内容
とはいっても、言語やショーの内容は覚えている
人物の記憶だけ、綺麗に抜け落ちてしまう
ノートを捲ると、大量の人の名前とその人物の説明、簡易的なイラストが描かれていた
『知り合い一覧』
そんなことが書いてあった
その中に、赤色のペンで囲われたイラストがいくつかあった
そこには、『絶対覚えて!!!』と殴り書きがされている
わたしは日記のようなこの記録を読み始めた
一番最初に書かれていた名前、『神代類』さん
幼馴染で、同じユニットの仲間らしい
「…おとなりさんなんだ」
類さん、…じゃなくて類
類の説明を一通り読んだところで、インターホンが鳴った
ピンポーン
慌てて玄関に向かい、勢いよくドアを開ける
「おはよう、寧々」
身長が高く、紫と水色の髪をしている男性
おそらく、年は近い。
特徴を見る限り、彼が『神代類』
彼を見た瞬間、雷に打たれたような衝撃が走った
頬が紅潮し、目が見開かれる
緊張で足が鉛のように重くなる
脈が速くなり、息が詰まる
こういうのを、一目惚れというのだろうか
どうやら、わたしは彼を好きになってしまったみたいだ