私たちはいつも一緒。お隣同士で、両親が多忙で海外出張が多い私の居場所は当たり前のように月島家だった。
蛍とは同級生。幼い時、泣き虫だった蛍を🌼がいつも守っていた。
モブ男)恐竜ぶら下げて、かっこわるー。赤ちゃんだなー笑
小学生の蛍)返せよー泣
🌼)ちょっと!また、いじめて!
返しなさいよ!
いじめっ子からキーホルダーをとり返し、蛍に渡す
蛍)いらない…。恐竜なんてガキくさいものつけてると 揶揄われるから(¬_¬)グズッ泣
🌼)恐竜好きなんでしょ?だったら堂々としてなさいよ! 好きなことは大事にしなよ。誰に何を言われようが 譲っちゃダメなんだよ。あとで絶対後悔するからさ。
蛍)うん…
🌼)ケーキ🍰作ったから一緒に食べよう!
コロコロとよく笑い、誰にでも優しい🌼に蛍は惹かれるのは引力に引き寄せらせるように自然だった。
そんなある日、明光の高校のバレー部の試合をこっそり 見に行く蛍。中学でエースだった自慢の兄のベンチにも入っていない姿を見てしまう。嘘をついていた兄に幻滅し、蛍は兄に冷たい態度をとるようになった。
塞ぎ込んだ明光をリビングのソファで見かけた。🌼は高校でなかなかレギュラーになれない事を明光から聞いていた。
🌼は明光にそっと寄り添って頭をなでる。明光は、涙をみせないように、🌼を抱き寄せた。
明光)もう、やめようかな。バレー…
🌼)明兄が頑張ってきた事は知ってるよ。誰よりもバレーが 好きな事も知ってる。ずっと蛍と見てきたからね。 明兄がやり切って気が済んだなら辞めてもいいと思うよ。
蛍も、私もどんな明兄でも大好きだから。
帰宅した蛍。開いていたリビングのドアから🌼と明光の話し声がしたので、そっと覗いた。そこには抱きしめられた🌼が
🌼)ボソボソ…明兄…大好きだから。
と言っているのが聞こえた。
蛍)やっぱり🌼は兄ちゃんが…
そのまま、そっと家を飛び出した。その日から
誤解をしたまま蛍は🌼とも距離を取るようになるも、 日に日に綺麗になっていく🌼を密かに思い続けていた。
小学生から続けているバレーのお陰で中学入学して身長が伸びて、かっこよく成長していく蛍。無自覚にも目立っていたので、私は蛍のファンに妬まれることも日常茶飯事(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
🌼は自分に素っ気ない態度をとるようになった蛍に対して寂しくなる。他の女子が蛍と話していたり、優しくされているところを見ると、胸の奥がギュッとなった。
🌼)なんだろう…この感じ。
蛍は時々🌼が自分を見ている気がしていたので、わざと他の女子と話したりしていた。
蛍)少しでも俺を意識すればいい。
ある日の放課後、🌼が帰るために教室に荷物を取りに行こうとしたら、クラスの男子達と蛍が話していた。
モブ太)🌼ちゃんってかわいいし、スタイルいいし、 いいよな〜。俺もワンチャンいけないかなぁ
モブ男)月島〜ぁ、🌼ちゃんと実際どうなの〜?
付き合ってんの?
蛍)は?別に。普通でしょ。 家が隣ってだけで、
そんな風に言われてほんと迷惑。
山口)ツ、ツッキー。そこまで言わなくても。
🌼は荷物を残して、その場から走って逃げた。涙が溢れて前がぼやける。
🌼)蛍は私のことが迷惑だから、冷たい態度になったんだ。 私、蛍が好きなんだ…
下校のチャイムがなっても、🌼の席に荷物があった。蛍は山口と帰ろうとして、🌼の下駄箱を見た。🌼の靴はなくなり、いつも丁寧に置いてあるはずの上履きが雑に押し込まれているのに気がついた。 その瞬間、蛍は教室に戻り🌼の荷物を掴んで走り出した。
蛍)山口!ごめん!先、帰るっ!
山口)ツッキー!?
蛍は走って帰り、🌼の家に行くが帰ってない。焦りを隠しきれず、再び走り出す。🌼が行きそうなところはわかっていた。
蛍)🌼はさっきの話聞いたんだ。俺最低じゃん。
夕日が沈む公園のベンチに🌼はいた。夕日に照らされている頬に涙が見えた。蛍は汗を袖で拭き、呼吸を整え後ろからそっと近づいていく。
蛍)こんな時間まで、何してんの?鞄忘れて馬鹿なの?
蛍の声に🌼はビクッとなる。泣き顔を隠すように膝を抱えて顔をうずめる。
🌼)迷惑なら、探しに来なきゃいいじゃん…もうほっとい…
言い終わる前に、蛍の匂いに包まれた。蛍の温もりを背中で感じて後ろから抱きしめられていることに気づく。驚いて振り向くと
🌼)な、何?どうしたっ
動揺した🌼の唇に蛍が荒々しく唇を押し当てる。冷たい蛍の眼鏡が🌼の顔にカチッと当たる。蛍の顔は夕日のせいか赤く見えた。
蛍)迷惑なんて思ってないから。じゃなきゃ、わざわざ迎えに 来ないでしょ。わかんなよ。
🌼の肩に顔を当てて顔を隠す蛍。衝動的な自分の行動が今更恥ずかしくなり、🌼の顔が見れないでいると、
🌼)よかったぁ。蛍に嫌われたらどうしようかと思った。
蛍)それって…
それ以上聞けずにいると、蛍の赤い耳に冷たい🌼の唇があてられる。驚いて🌼の顔を見ると、蛍よりも真っ赤な顔の🌼がいた。🌼は恥ずかしくて、蛍の眼鏡を両手で塞ぐ。
🌼)好きだよ。蛍
蛍)え?は?だって、🌼は兄ちゃんが好きなんじゃないの?
🌼)え?明兄?明兄は好きだけど、蛍の好きとは違うよ?
蛍)前、2人が一緒にいて好きって兄ちゃんに言ってたから
ちょっと不貞腐れた態度の蛍に笑いがでた
🌼)ふふふwやきもち?
あれは、明兄が蛍に嫌われたって落ち込んでたから、 蛍も私も好きだから大丈夫って慰めてただけだよ。
蛍)はああー…何やってんの〜。
もう、他の男に近づかないで。触らないでよ。
🌼)え?
蛍)🌼、好きだよ。もう、離さないから。
そう言うと蛍は眼鏡をとって、そっともう一度🌼に口づけた。🌼も蛍の腕を掴んで目を閉じた。
夕日も沈み薄暗くなった道。少し冷えた手を握って2人でゆっくり歩いて帰った。
2話に続く
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