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ニヤケながらそう父が告げた。
きっといつもみたいに心配して自分の
近くで見守りたいんだ……
いつもこんな調子で極度の心配性の父にはもううんざりだ。
「ちょっと待ってよ。私女なんだから無理に決まってるでしょ!?」
そう。私は正真正銘の女!
男子校なんてそもそも行きたくもない。
普通の高校に行って勉強頑張って医師
の道に進むんだ!お母さんみたいな
病気で苦しんでる人を助けたい。
なんて自分の心に誓っていると父は
「こんなに美しい亜希ちゃんなら男装しても美男子になるに違いない♡
あ、入学なら安心していいよ。僕がなんとかするから♡なんていっても理事長だからね!」
私はそもそもの問題について突っ込まずにはいられなかった。
「てか私が女だってバレたらどーするの!?てかそもそも女!女って入学できるの?無理でしょ!!!!」
すると父はなんだそんなことかと思うかのように満足気に答えた。
「大丈夫。男装すれば問題ないよ♡」
はあああああああああ!??
父と私の口論は3時間も続いた。
といっても私がずっと否定し続け父が
何も考えてないお花畑の思考で大丈夫♡
の一点張りだったのだが…
そして挙句の果て
結局入学することになってしまったのだ。
とうとう入学式になってしまった。
朝7時、亜希は憂鬱な気分でカーテンを開けた。私の気持ちとは裏腹に天気は雲ひとつ無い快晴だった。
大きな目に長いまつ毛。ショートにバッサリと切った髪、そして帝丹学園の制服を着た。
自分で言うのはあれだが容姿は悪くない。
男装なんかしないで普通の共学に行けば少女漫画みたいな恋愛できたのかな…
そう思いながら鏡越しに自分の変わり果てた男の格好を見ていると
「亜希〜ご飯だよ♡」
父がオカマみたいな声で叫んだ。私の男装姿をはやく見たいといいたげな声だ。
ちなみに母のいない私の家では料理は父と私で交代制だ。今日は父が作った。
私が1階に降りると私の男子の姿をみて明らかに父はニヤけた。
「亜希は男子でもかわいいね〜♡」
言うと思った。そして私は少女漫画や少年漫画の女の子がいいそうなの定型文のようなツッコミを入れた。
「うるさい!!!!」
父は亜希は元気だなともいわんばかりに笑いご飯を食べ始めた。
亜希はあと3年間女子だとバレないように生活するのが不安で仕方がなかった。
ご飯を食べ終わり、ぼーっとしながら登校した。
桜でカーペットになっている広い通りの先には…
ここが帝丹学園…
父から話は聞いていたが想像より遥かに大きい校舎だ。
サッカーコート、テニスコート、揃えるものは全て揃っている。
さすが有名私立…
周りを見渡すと…男子だった。
当たり前じゃねーか!!!と自分にツッコミを入れ終えた私は歩き出した。
「ちょっと〜れんまってよ〜!!!!」
第一印象、おっちょこちょいな男の子が容姿の整ったクールな男の子を追いかける姿を横目でみた。
その反対では野球少年っぽい見た目の少年たちが追いかけっこをしていた。
ここから私の男子としての高校生活が始まるんだ。