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〈 pnside 〉
久しぶりに歩く道。
今日は久しぶりの晴れで気分も良い。
まぁ雨も好きだけどたまには晴れがいいじゃん?
とはいえずっと雨が降っていたものだから地面も建物も全てびちゃびちゃ。
でも俺はその雨上がりって感じなのが好き。葉っぱとかも濡れてるけどお日様の光でキラキラしてるのが自然豊かだなぁって感じる。
丸1日図書館にいるわけだからなぁと思い日記も持ってきた。
ただ1つ問題があるとしたら、それはやっぱりらっだぁ。彼に見られることだ。
理由は言わなくても分かるだろうけど日記の内容を見られたら普通に死ぬ。終わる。
らっだぁのことが好きな上に日記にも書いて血液型の相性とか調べてたなんてバレたらもう最悪のことしか書いてない。
何があってもこの日記だけは死守すると決めた。
15分も歩いているうちに森は抜けて図書館が見え始めた。
この辺りは田舎の中でも住宅が密集している方。
俺が住んでいるのはそこから少しだけ外れたところだから図書館までは早くても20分はかかる。
でもらっだぁに会えるならそんなの大したことじゃなかった。
カランカラン ヾ
なんだか少し懐かしいような気もする入口の音。
そしてそれと同時に図書館独特の香りが首元を通る感覚がした。
4、5日寝込んでただけでこんなに懐かしく思えてしまうのか。なんやかんやで長く感じていたのかもしれない。
この図書館は入口から入って真ん中に階段があって左右に分かれている構造…と言ったらいいのだろうか。
ドーム型だから天井は1つしかないけどその階段を通して6階くらいの建物になっている。
俺とらっだぁがいつも過ごしているカフェは入口から見てすぐ左の所。俺らがいつも一緒に話したり勉強しているところは1番上の1番左。ここは俺らしかいない時ほとんどだから過ごしやすい。飲食持ち込み許可なのもありがたい。
俺はらっだぁがいる前提でいつもとは違う所から上へ上がっていき俺らがいつもいる所へ向かった。
pn「へへっ、らっだぁいた…」
ちらっと除くとイヤホンをして勉強していた。
やっぱり横顔がかっこいいし見とれてしまう。
本当に魅力的すぎてムカついて来ることもよくある。
ていうか彼女いそうだな。いや…友達もいないのに彼女なんな夢のまた夢か。顔はいいのに言葉が冷たいからな〜〜、本当は優しいのに。
ゆっくりと背後に忍び寄る。まだ俺には気づいていないようだったから寝込んでいる間散々考えた話しかけ方を実行することにした。
ポケットから両手を取り出し彼の両耳のイヤホンを一気に抜く。そして…
pn「らっだぁおはよ〜〜!!」
何事も無かったようにいつも通りに振る舞う。
好意も全て隠して。
彼はびくっとした後すぐに振り返ってこちらを見つめては驚いた顔をした。
rd「ぺいんと….? 」
pn「うん、あ!! 付箋増えてる〜〜 !!」
きっとらっだぁもいつも通りなんだ。
まぁそんなもん。
rd「ねぇ…どこ行ってたの?」
rd「俺心配したんだけど」
らっだぁが発した言葉はこの二言だった。
俺は驚いた。心配してくれてたんだ。らっだぁがあまりに不安そうな顔で言ってきたのが嬉しかった。本当に心配してくれていたのが伝わってくるから。
pn「ごめんごめん 笑ヾ」
pn「心配してくれてたの?」
rd「そりゃあ心配するでしょ」
rd「東京の方帰ったのかと思った」
pn「そんなわけないじゃん !! らっだぁに何も言わずに? 笑ヾ」
rd「いやそれ俺昔それされたことあるし」
pn「あ、ごめん」
pn「とりあえず隣座らせて?」
rd「あ、うん」
彼の隣の椅子に腰を落とすと心の底から安心感が湧いてきた。
らっだぁだ。らっだぁの匂いがする。
変に香水をかけたりしている訳でもないし花のような匂いでもない。本当に柔軟剤とらっだぁ自身の匂いが合わさったような落ち着く匂い。
俺はこの匂いが大好きなんだ。
rd「4日も何してたの?」
pn「いや〜もう夏じゃん?俺季節の変わり目は決まって体調崩すんだよね」
そんなことをぺらぺらと話すとらっだぁは安心したような表情を浮かべた。
rd「なーんだ、よかった…」
rd「てっきりまた1人になったかと思った、まじで昨日とかすげぇ不安だったわ」
そんなこと言わないで欲しい。
嬉しいけど期待してしまうから。俺は冗談とか全然通じないからそんなこと言われるの自分に気があるように思えてしまう。
らっだぁからしたら俺は一緒に夢を追いかける友達という立ち位置だろうし、わざわざ変なことをしてらっだぁの人生の中の大きな登場人物になろうとは思わない。
pn「ごめんごめん」
rd「でもよかった、おかえり」
pn「ただいまぁ!! 笑ヾ」
rd「そういえば体調はもう大丈夫なの?無理してない?」
pn「ん?全然大丈夫だよ!!」
rd「そっかそっか、」
pn「何時くらいから来てるの?」
rd「ん〜1時間くらい勉強してるはずだから10時頃かな」
pn「あ、じゃあ11時からなんだ、お昼食べに行こ!!」
rd「うん、いいよ」
そうしてらっだぁは一度勉強用具を片付けて2人でいつものカフェへ向かった。
…ていうからっだぁの話し方が優しくなった気がする。
前はもっと生き急いでいるような、本当に都会の人って感じの温度感だったのに今はすごく優しい気がする。
久しぶりだからか?俺の気の所為?
…いや、そんなはずない。
rd「ぺいんと?今日のおすすめは?」
pn「ん〜、あ…そうだ、らっだぁって甘いもの好き?」
rd「好きだよ」
うわ〜〜好きだよだって!! 俺も言われたい!!
…じゃなくて !!
pn「じゃあこのシフォンケーキとアイスコーヒー!!」
rd「お、いいね」
rd「ぺいんとは何にするの?」
pn「おれはカフェラテとこのパンケーキ!!」
rd「ご飯系のパンケーキだ、いいね」
pn「でしょ〜〜 !!」
やっぱり優しい気がする。
後で聞いてみよっと
コメント
3件
「へへっ、らっだぁいた…」ってなに?!?!可愛すぎるんだが!!!! てか本当に表現力がすごいな……雨上がりの感じとか場面の言い方が上手い……✨
pnさんが帰ってきて安心してるrdさんとの絡みがいい 毎回ストーリーが安直すぎないので飽きずに見られます