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『三章 パラノイド・ノイズ』
食堂での出来事から数時間後、もう時間は17時になろうとしていた
【荒川瑞稀の部屋】
秘「おっ、後一面でクリアじゃん」
荒「1日でよくマリ◯の全クリ目前とかすごいよな!」
秘「…そう言えば、睡蓮の王国ってなんだと思う?」
荒「うーん…あの薬を全員に打ち込んで服従させる的なのじゃないか?」
秘「だよな…だとすれば今日」
確実に睡蓮は俺の部屋に来るはず…
秘「…今日泊まっていっていいか?」
荒「え!?いいのか!?お泊まり会じゃん!」
秘「そうなるな、お菓子でも用意するか」
荒「なら炭酸と人生ゲームも必要だよな、俺カラオケから取ってくる!」
秘「頼む」
荒「音速で帰ってくるな!」
そう言うと勢いよく、靴も履かずに出ていった
【30分後】
瑞稀が炭酸と人生ゲームを取りに行ってから30分経った
カラオケはそこまで遠くないはずなのに、なかなか帰ってこない
秘「……」
もしかして…
その時、扉が開いた
秘「瑞稀…!おかえ……」
愛「秘田…」
秘「瑛美!?どうしたんだ?」
愛「…羽衣が襲われた…兎月も…」
秘「え…?」
愛「あのクズが猫又とグルになって…変な注射を刺してってるの…」
秘「……もしかして…」
あの注射を使って洗脳している…?」
愛「なんなの、あの注射…打たれた瞬間、羽衣も兎月もおかしくなったし」
秘「そうか…瑛美は朝いなかったのか。あれはな…」
俺は朝の出来事と注射のことを説明した
愛「はぁ!?何やってんの?あのクズ!」
秘「落ち着けって…」
愛「ただの口が達者なクソガキだと思ってたけど…あそこまでとは…」
愛「これからどうするの?秘田」
秘「そうだな……まず打たれてない人でも探しに行こう」
愛「…大丈夫なの?外に出て」
秘「あぁ、むしろ外にいたほうがいい。部屋の中にいることがバレたら完全に逃げ場がない」
愛「そっか…じゃあ行こうか」
そう言うと瑛美はポケットから小さいナイフを取り出した
護身用だろうか
【食堂】
秘「うわっ…」
食堂は荒らされ、食べ物は無事だが所々に血が点々としていた
愛「どんだけ激しく…」
秘「だな…、あっ」
机の下に誰かがいる…
誰だろう
蛇「…秘田さんと…愛沢さん」
頬に傷がついている吾郎の姿があった。さっきの血は吾郎のだろうか?
秘「大丈夫か?」
蛇「えぇ…少し捻っただけです」
吾郎は着物を捲った
右足の足首が青紫色に腫れている
愛「…なんでそんなに…」
蛇「急いで宿舎から出ようとして、階段で転んでしまって…」
秘「…歩けるか?」
蛇「…すいません、難しいです」
愛「…どうする?私がおぶって行く?」
蛇「いえ、大丈夫です。もうここには来ないはずなので、ここにいます」
秘「…わかった。ある程度見てきたら迎えにくる」
蛇「ありがとうございます。…気をつけてくださいね」
秘「あぁ」
俺と瑛美は吾郎を置いていき、残りの人を探しに行った
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