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【2】過去の記憶
闇ばかりが目立つから、
過去の記憶は何時でも鮮明に思い出せる。
今の日常とは全く違うものなのに、
はっきりと思い出せるあの頃の記憶。
もういっそ、全て夢であって欲しいと思う、あの頃の闇。
数日に一度は出てくる、記憶に関連する悪夢。
まるで、あの頃の自分が直接語りかけてくるかのように、
その声は黒の世界へと引き摺り込もうとする。
『君は何処まで行ってもこちら側の人間だ。』
その言葉は紛れもなく呪いとなっていた。
それが、過去を鮮明に思い出させる理由だということは分かりきっていることだった。
過去の自分は明らかに現在の自分を縛り付けていた。
後悔は頭の中でぽつぽつと浮いていた。
一人の少年のように、夜な夜な泣いたこともある。
そんな自分が信じられずにいた。
それほど、言葉の呪いは危険で気味の悪いものだった。
もう今の自分は今の自分である。
あの頃とは関係ないと思っているのに、
何時だって過去の記憶が私を苦しめている。
それを気づかれない程度に隠したら、
いつも通りの生活が待っているのだから、
まだ良い方だと思った。
やはり、私はあちら側の人間なのだろうか。
その答えは、出さないことにした。
結局、正解などないのだ。
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