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こんにちは!
お久しぶりです✨
それでは14話!前回の続きから!
後夢主ちゃんの名前を夢ちゃんに戻します!覚えられない!
夢「ギィ、なにしてるの?」
せっかく動きやすい服に着替えたのだから運動したかったのに…
ギィはベットの上に私を座らせてその膝の上に頭を乗せている。
いわゆる膝枕なのだ。
(立場が逆な気がするけど…)
ギィ「いや、お前温かいな…」
夢「そうかな?」
ギィ「熱がある…訳じゃねぇよな…?」
夢「無いよ。今日は体調いいもん」
ギィ「そうかよ」
夢「私ミザリーのとこに行きたいんだけど」
ギィ「なんでだ?」
夢「パン…シチューと一緒に食べたいの」
だからミザリーに伝えに行かなきゃいけないのに…ギィはそう伝えた後も私の上から退こうとしない。
夢「ギィ、起きて。折角体調が良いのに…」
ギィ「そうやってはしゃいだら次の日体調崩すだろ。」
夢「うぐ…」
ごもっとも…ごもっともすぎる。
体調が良いからと言って調子に乗ってると必ずと言っていいほど次の日不調なのだ。どうやらギィはそれが気に入らないらしい。
夢「ギィ、お願い!安静にするかさらさ!」
ギィ「駄目だ。」
夢「せめてパンのことだけでも伝えさせて!!」
ギィ「…。」
ギィ「お前くらいだよ…俺に駄々をこねるのは…」
夢「ギィくらいだよ!私の膝の上から動かないのは!!」
ギィが嫌々、ゆっくり退く瞬間私は「バッ」と起き上がる。
ギィがうおっと声をあげたが聞こえていないフリをしてすたこらと部屋から出てやった。
おそらくこの後部屋に戻ると拗ねたギィがいるんだろうなぁ…なんて思いつつ、万能感知で見つけたミザリーのもとに向かう。
夢「ミザリー!」
ミザリー「夢様、どうかなさいましたか?」
夢「私が持ってたパンってどこにある?」
ミザリー「夢様がお持ちになられたパンですか?」
夢「うん!」
ミザリー「こちらにありますよ。それがどうかなさいましたか?」
夢「お昼はシチューがいいの!」
夢「このパンと一緒に!もちろん、ミザリー達も!」
ミザリー「私共もですか?」
夢「うん!その為に買ってきたんだもん!」
ミザリー「承知しました。それでは楽しみに待っていてくださいませ。」
夢「ありがと!」
良かった、内心ほっとした。
ギィは意外と適当だから、捨てられちゃったんじゃないかとドキドキしていたのだ。でも、ギィは私が本当に嫌がることはしたことがない。
信用しているけど、安心はできない。そんなところだろうか。
そんな事を考えながらミザリーのいた部屋からギィの部屋まで歩いていると…。
夢「寒ッ」
突然、熱変動耐性が切れたのだ。
(???なんで?! )
とにかく、まずい。耐性が機能しているからと、調子にのって薄着で出歩いていた。寒い…。今にも凍りそうだった。
(どうしよう、どうしよう…)
ぐるぐると思考を巡らせてみるが、なにも考えは浮かんでこない。
それどころか段々と頭が回らなくなっていく。
凍りそうになりながら思い出したのは暖かそうな炎の色のギィの髪だった。
(そうだ、思念伝達…。ギィなら多少下手でも受け取ってくれるはず…)
私は思念伝達とか、脳内に直接話しかけるような技術が苦手だ。
元から語彙力が無いからか、中々伝えられないし、操作もおぼつかなかった。でも、今はこれしかない…!
リムルは慣れているからか下手な思念伝達でも受け取ってくれる。だからもしかするとギィにも…!
そんな一縷の望みをかけて苦手な思念伝達をギィに向けて送る
(伝わった…かな…?)
そう考えながら私は意識を手放した。
この前来た時は色々あった。
怪我に…風邪に。なんなら最後まで面倒を見きれずに、リムルに渡してしまった。いくらなんでも、酷かっただろうか。夢はおちゃらけて明るいように見えて以外と繊細で、他人の色々な仕草や表情を見てる。だからこそ、優しいが、人一倍気を遣って傷つきやすいのだ。
だから、この前の事をちゃんと説明したかったのに、夢は何事もなかったかのように、明るく振る舞った事に少し苛立ちを覚えた。
ギィ「俺は何をここまで考えてんだか…。」
その時だった。
___ギィ、助けて、、寒いよ…
この下手くそな思念伝達。そして独特な魔力と魔素。
ギィ「夢…?!」
バッと座っていたベットから立ち、急いで部屋をでた。
万能感知で周りを確認すると、少し行った先にさっきの思念伝達の主であろう、独特なオーラを出す者を見つけた。そう…夢だ。
ギィ「夢!!?」
夢「…?ギィ」
ギィ「大丈夫か?」
(良かった、呼びかけには反応した。)
ギィ「お前…耐性はどうした?」
夢「急に…切れた…寒い…」
ギィ「ちょっと待てよ。」
俺の羽織りを夢に巻く。
確かに夢の体は氷のように冷たかった。それに、耐性がついていたからかいつもより薄着だ。
冷たい夢を抱えて急いで部屋に戻る。
ギィ「夢、降ろすぞ」
部屋に着くなり夢をベットに降ろし、あるだけの布団を掛ける。
そして、部屋にある暖炉に火をつける。普段は必要無いからと飾りになっている暖炉が役に立つとは思いもしなかったが、あって良かったとつくづく思う。
夢「ギィ…」
ギィ「どうかしたか?」
夢「ギィの手…」
ギィ「手がどうかしたのか?」
そう言うと夢は布団から赤くなった手先を出して俺の方に向けてくる。
ギィ「やめろ、手出すな」
夢「ギィ、手…」
それでも手を出してくる夢。
ギィ「握れってか?」
小さく頷く。
ギィ「はぁ…。」
そして冷たくなった手を包み込むと安心したかのような顔で眠ってしまった。