テラーノベル
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昔、聞いたことがある。俺の住んでいる街、魁星街では人を10000回助ければ、
ホシノカミが願いを叶えてくれる。
しかし、人助けとは、ケンカで人を救済することー
「はあはあ!!」
「こ、こいつクソ強え!」
街の端にあるゴミ捨て場。今日も少年は願いを叶えるため、ヤンキーに絡まれ、困っていた青年を助けていた。派手なピアスに逆立てた金髪。少年は神輿神楽と言った。彼の願いはー
「おら!どんどんかかってこい!早く一万回ケンカしてお袋助けるんじゃ!!」
神輿の母、雅は大病を患っている。父は借金50億を残し、女と家を出ていった。
「ケンカで一番にならんにゃ」
大きく振りかぶって、神楽は最後の一撃を敵に浴びせた。
「いけんのじゃ!」
そして、今日も大型のケンカが終わった。
「あ、ありがとうございます!」
「あ?俺の好きなことやっただけじゃさっさと失せろ」
その瞬間、瓦礫の山の上から乾いた拍手が響いた。
「いいな!予想以上だ神輿神楽!」
瓦礫の山の上には小さな青髪の少女のような人が立っていた。
「誰じゃお前」
「私の名前は皐月 夕日。神楽、ガチバイオレンスにでてみないか?」
聞き慣れない言葉に思わず聞き返す。
「なんじゃ?それ、金貰えんにゃやらんぞ?」
「ガチバイオレンスはリーグ戦でな。全部で10つのリーグがあり、四天王とチャンピオンを倒すと賞金75億円だ」
「ななじゅ…!?」
その飛び抜けた金額に即答した。
「やるに決まってラァ!」
承諾したあと、皐月についていくと、ビルのエレベーターに乗らされた。
「選手登録はもうしてある。初戦は勝ったら十万だ。」
「おお…!」
なかなか古めかしいエレベーターが音を立てて地下についた。
「来たかぁ?」
エレベーターの先の古びた部屋には緑髪の青年が立っていたが、ひどくやせ細っている。
「食い物がほしーんだよー!」
「それでは第1試合開始!」
「え!?いきなり!?」
あまりの突発的な開始に拍子抜けする。緑髪の青年はすぐに走り込んできた。
「うわっ!」
「くらえよなあ!」
青年は大きく腕を振りかぶった。
(大丈夫!よけれ…)
直前で少年の腕が伸び、強烈なアッパーが炸裂し、神楽はダウンした。
「腕が伸びた!?」
「あー俺の能力はアームウィップ」
「の、能力!?」
その時、観戦席から皐月が言った。
「言い忘れていたが、ガチバイオレンスは異能力を使ったケンカ」
「い、異能力!?」
「そして、お前も異能力を目覚めさせるには、異能力者と打ち合うしかない」
はあ!?と、呆気に取られていると、青年の拳が耳をかすめた。
「俺の名は与野 平良!俺も負けるわけにはいかねえ!」
「………ったく」
ボクサーの姿勢を作り、気合を入れる。
「俺も下がれない!!」
一歩で高速に相手に詰め寄り顔面にパンチをヒットさせる!それに皐月は興奮の表情を浮かべる。そして与野は混乱していた。
(なんだ!?こいつの身体能力!!まるで獣と戦っているようだ!まさに!)
人獣!!
その思考の合間にまた神楽は距離を詰めていた。
(とりあえず腕を伸ばして距離を…!)
腕を伸ばすと、
「引っかかったなあ!!」
(!?)
すると神楽は、右腕を掴み、ロープのように振り回す!
「やめろおおおおお!!!!!!」
「吹っ飛べ」
投げ縄の要領で、壁へと激突させる。しかし、相手は失神していない!
「まだ攻撃は終わらん!」
得意のストレートを、
「終わりじゃあ!!」
ドオン!という鈍い音と共に壁にひびが入り、与野は失神した。
その時、皐月が叫んだ。
「与野平良失神!勝者神輿神楽!」
「しゃあ!!」
「おめでとう、この十万は君の拳が掴んだ金だ。」
この日から始まった。ケンカで人生を変える、少年の話が。
コメント
3件
これってオリジナルですか?オリジナルでもそうじゃなくても面白いですね😇