第12話
「えーファンのみんなお久しぶりです!佐久間大介でぇーす!」座ったままの俺が一番最初にはなった言葉。
俺が入院していた間のことは体調不良という設定になっていた。まぁそれは事実なんだけどね笑
今日の動画は生放送。事前にファンの子にはTwitterやインスタで「俺たちからファンの子へ」という名前で生放送をするという宣伝をしていた。
コメントに溢れるのは、「久しぶり」という声と、「佐久間くん1人?」という声。中には「佐久間くん顔色悪くない…?」「大丈夫かな?」という声。やっぱファンの子って気づくスピードすごいよね笑
「まぁ、今日は俺からのお知らせだからね笑結構辛いかもしれないし、俺も泣いちゃうかもしれないけど、最後まで聞いてって欲しいな…」俺の願いに答えてくれるみんなのコメント。励みになるなぁ 「めめ…来て欲しい…」もうすでに泣きそうだから呼んだ彼の名前。彼は直ぐに俺の横に来てくれて、恋人繋ぎをしてくれた。俺の病気の前にこのこと言わないと。
「えーっと…まず…」焦りと緊張でなかなか出ない交際宣言。すると
「俺と佐久間くん、付き合い始めました」俺がいえなかった言葉を彼はすぐに言ってくれた。その姿に俺は、惚れ直す。
「ずっと俺の片想いで、俺から告りました。デビューする前から佐久間くんに対し特別な気持ちを持っていて、今その想いが伝わったことに幸せを感じています。ですが俺らは同じグループにいるし、同性愛者。色んなことを否定されるかと思います。どんなに否定されても、罵倒されても俺は佐久間くんと別れるつもりはありません。また、俺はグループや佐久間くん、他メンバーに迷惑をかけてしまったと感じたら、SnowManを、ジャニーズを、芸能人を、脱退、引退するつもりでいます。そんだけ佐久間くんのことが好きなんです。だから、俺たちふたりのこと、見守ってて欲しいです。よろしくお願いします」最後に深いお辞儀をし、みんなに自分の気持ちを伝えためめ。俺もうじうじしていられない。
「今、めめが言った通り俺とめめは付き合い始めました。俺はデビューしてからめめのことが好きになりました。だからデビュー前から俺の事好きでいてくれたことに感謝しかありません。めめは俺と付き合うのに覚悟を決めていましたが、正直俺はなんも考えていませんでした。理由はこれから話す俺のことにも繋がります。」
少しずつ震え出した俺の声を聞いためめがさっきよりも強く俺の手を握ってくれる。その温もりが励みとなり、俺はみんなにこう伝えた。
「俺は、メンバーや関係者、ファンの子、大好きなめめに迷惑がかかった時死ぬことしか出来ません。」前までは笑ってしかいえなかった『死ぬ』という言葉を真剣に伝えることができた。
コメントに溢れかえる「どういうこと?」「ドッキリ?」という言葉。みんなが信じきれない証拠が、俺の愛されている証拠でもあってなんか嬉しい気もする。
「ドッキリとかではありません。俺は、とある病気にかかってしまいました。昨日まで俺が休んでいた理由は体調不良ということになっていましたが、風邪とかではなく、病気により入院していました。今日この生放送を座って行っているのも体に力が入りにくくなっているからです。」
「俺は、Kis-My-Ft2の玉森くんと一緒で奇病にかかりました。病名は花咲病です。その名の通り、体に花が咲いていく病気です。俺が今眼帯をして長袖の服を着ている理由はそれを隠すためです。今から俺の花が咲いている体見せようと思うんだけど、嫌な子は目塞いでね…」
めめに手伝ってもらって俺は上半身の服をめくる。そこには朝よりも少し開いた大きな花。周りの花は少しづつ枯れていて、主軸となる大きな花に栄養を取られているんじゃないかなって勝手に考えた。
「醜い身体でごめんね。この花最初はしっかりメンバーの色だったんだよ?でも、どんどんかピンクに近い色になってっちゃった笑俺の仮定なんだけど、その人に生える花の色は、その人が大切にしている人の色なんじゃないかな。俺の場合大切な人はメンバーだから赤、青、オレンジ、黄色、紫、白、緑の花が咲いてたんだ。そして今の色はピンク。俺の色だね笑俺の中央に生えてる花は多分黒。めめの色がいいな〜めめの色の花に殺されるなら本望だよ…」
やばい…泣く…
「俺は目に咲く花とこの大きな花が咲き誇った時、人生の終わりを迎えます…グスッ。死体は残りません。全て花びらとなって散ってしまいます。花が咲くのに激痛が走る事もあります。玉森くんとは違う病気だけど、彼は痛みに耐えきれなくて、自殺という道を選んだんじゃないかなって俺は思ってます。でも、予め言っておくね。どんなに辛くても俺は自殺なんて道は選ばないから安心してねそして俺は自分の限界が来るまでSnowManとしては活動をします。最後まで大好きなメンバーと活動させてください。そして、俺が死んだあともSnowManとして活動して欲しい。これは俺の願い。だからッ…グスッ…SnowManをッ…俺を…俺とめめを…よろしくお願いしますッグスッ…」言い切った。怖くてコメントなんて見てない。ずっと下を見て頭を下げている。するとめめが「顔上げて」って言ってきたから、俺は恐る恐る顔を上げた。俺が画面を見た時、コメントには祝福の声、応援の声、慰めの声など肯定的な言葉が並んでいた。
涙が溢れて止まら無くなった俺を、めめが抱きしめ、カメラの外にいたメンバーも来て、全員が俺を抱きしめてくれた。みんなの温もりが感じられて幸せだった。
でも、俺にはもうひとつ解決しないといけないことがある。みんな頑張るからね。
俺はSnowMan一員でよかった。
続く
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