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☾リボルト・ブラウン
彼の生まれはごく普通の街であった。
ただ一つ、他の街と違うのは、空が煙で覆われていたことだけ。
どの家からも煙突が飛び出し、そこからもくもくと煙を吐き出した。
その煙は空を覆い、星々を隠した。
いつしかその街の住人は、星座を語ることも、月で想いを伝えることも無くなった。
☾
先生の声が教室に響く。
少し薄暗くて、静かな教室は居眠りにはぴったりだった。
少しの風で舞うすすは、目障りでならない。
ドンっと鈍い音が頭上で響くのと同時に、目が覚めた。
目を覚ますとそこにはいつのまにか目の前に居た先生の怒ったような顔。
なにを言っていたかはよく覚えていないが、どうやら僕は怒られているらしい。
原因は僕の「居眠り」だそうだ。
居眠りだなんて失礼な。『夢』を見ていたんです。
なんて言葉が言えるはずもなく。
ドンっとまた一発。本で頭を打たれた。
「それに、これは何です?」
さらに怒ったような先生の声、視線の先には石板に書いた授業中の落書き。
「……」
「消しなさい」
冷たくそう告げて、再び授業へと戻っていった。
仕方なくその絵を消した。
よく書けていた力作なのに…
溢れそうな涙を堪え、再び眠ることにした。
☾
気づけば授業はもう終わっている。
下校を告げる鐘で目が覚めた。
目を擦りながら荷物を鞄に詰める。
こうして、いつも通りの帰路に着いた。
明日からの休みを一体何に使おうか。
小説の続き?…いいや。それはこの前の休みのことだ。
また詩をかく?…それは前の前の休みだ。
そんなことを考えながら校舎を後にした。
学校を出ると一気に騒がしくなる。
この時間は大人達も仕事が終わる時間。
酒場に集まり、呑み疲れて眠ってしまうまで酒を呑むのが定番だ。
さぁ、今夜も忙しくなるぞ。
酒場である家の手伝いを心待ちにして家を目指して歩く。
☾
こんな街に、雅な花が咲いている。
少なくとも私にはそう見えた。
煙に包まれた街の中、座り込むその少女は此処では見ない顔だ。
目に涙を溜め、不安そうな面持ちで座り込んでいる。
「…見ない顔だね。観光客?」
「…わかんない」
「…そう。うちの酒場に来る?」
「……」
答えない。肯定…と捉えていいのだろうか。
そっと手を伸ばすと、その少女は恐る恐るその手を取った。
ーーー
作者のカワズと申します。
そろそろ課題を終わらせないとまずいです。そんな中私は小説を書く()
リボルトの住む街についてなのですが…キルド酒場の似合うファンタジーな街だと思って頂ければと思います。こういう雰囲気が大好きなもので…
続いて、このお話の視点についてです。
☾←リボルト視点
だと思ってください。もう1つの視点を加える予定ですが、それは後ほど…
ここまで読んで頂き、ありがとうございます。