―――あれから一週間が経った。僕は2日前にやっと完全に回復して(性欲は溜まっていく一方だけど…)今はころねと、朝ごはんを食べているもうそろそろかな、と考えて先週言った言葉をころねに言う
もらる「…ねえ、ころ。今日お出かけ行―――」
ころね「やだよ」
このように即答である。よっぽど前回のがトラウマになったらしい。でも流石にこのままでもいけないのでこっちもなんとか粘る。
もらる「ほら、しゃぶしゃぶ行くからさ〜」
ころね「……やだ」
もらる「ん?今ちょっと考えたでしょ」
ころね「………」
この瞬間に電車で癒月が言ってたことを思い出す。
もらる「あーあ、ころが来ないならゆずちゃんと一緒に――、」
ころね「行く!行きますっ!!!」
ころねはそう言いながら身を乗り出した。その顔は必死そのものでなんだか少し罪悪感が湧いてくる。
もらる「わ、分かったから、早く食べよ?」
ころね「行く、行く…けど...」
ころねは俯きつつ体を元の場所に戻し、言葉は弱くなっていく。でもその俯いている顔に何かを伝えたいような表情が浮かんでいるのをぎりぎり見えた。大体言いたいことは、その表情でわかる。
もらる「…もうどこにも行かないから安心して」
ころねは僕がそう言うと少し驚いた顔を浮かべたと思ったら、すぐにどこか安心したような笑顔で、「うん」と答えてくれた。この光景に奇妙な感慨がこみ上げてくるが、それを顔に出すまいと平然を装う。
もらる「さて、行くことも決まったし、ぱぱっと食べて、支度して早く行こっか!」
そう言うところねは行動が早く、もう30分後には準備ができていた。
もらる「…よし、準備できたし行こうか」
ころね「うん!」
電車に揺られて30分、デパートに来ていた。ころねは初めてのデパートということもあってか尻尾をブンブン振ってすこぶる機嫌が良さそうだ。
ころね「うわあぁぁ…✨」
もらる「ころ、はしゃぎすぎw」
もらる「さてと…予約した時間まで結構時間あるし、ころの新しい服でも買おっか♪」
そう言いながらころねの居るはずの場所に顔を向けるとそこにころねの姿は無かった。数秒沈黙して、目の前にある一つしかない事実を素直に認める。
もらる「…来て早々迷子かいな…」
ため息混じりの独り言を話しながら、決意が覚醒したと同時にいつの間にか使えるようになったキャラの『自動能力〈オートスキル〉気配察知』の範囲を拡大する。そして、拡大した瞬間に違和感に気づいた。
もらる「……見つけた!って…男の気配?」
ころねの気配のすぐ近くに男の気配を感じた。まるで背後から大蛇に睨まれているかのような嫌な感じがして足早にころねの気配の場所へ行く。
ころねの気配がする場所に行くと、ころねともう一人、横に肥えている中年男性がいた。
もらる「おーい、ころ!」
ころね「あれ?お兄ちゃん?」
もらる「もう!勝手にどっか行ったらだめでしょ?あ、あと…」
もらる「…何で逃げようとしてるんですか?」
その場を離れようとしたその男が逃げないように呼び止める。男はやはり”そのつもり”があったのか、明らかに動揺していた。
もらる「邪(よこしま)な気持ちが別に無かったら逃げませんよね?」
男性「…!」
男は図星だったのか僕が追い打ちをかけると逃げようとした。だが、
もらる「逃しません!」
彼が何も用意せずに来ているわけがなく、すぐさま男は彼の創った罠に引っかかり拘束された。
もらる「…あと10分もあれば警察が来るので、そのまま待っていてくださいね」
もらる「ころ、行くよ」
ころね「え、あ…ハイ」
もらる「…ころね、知らない人について行ったらだめだよ。あ、あと勝手にどっか行くのも!分かった?」
ころね「わ、分がった…」
ころねは気迫に押されて少し体が反り気味になっていたが、返事はしてくれたので気にせずにいつもの調子に戻す。
もらる「…さて、ころの服買いに行こっか♪」
ころね「う、うん…」
ころねの返事を聞きながらもらるはキャラにある質問をしていた。
もらる『あ、キャラ』
キャラ『ん?どうしたんだい?』
もらる『ちょっと教えてほしいんだけど…』
ころね「わあぁ…!✨」
もらる「喜んでもらえて何より♪(←嬉しそう)」
ころね「うん!って、お、お兄ちゃん…?!」
もらる「ん〜?どうしたの〜?」
ころね「お、お、お…」
もらる「お?」
ころね「女の子になってるーー!!」
もらる「ん?変だった?」
ころね「変じゃないけど…」
もらる(まさか、決意の併合スキルで自分自身をコントロール出来るとは…)
もらる「どお?かわい?」
ころね「うん!かわいいよ!!」
と、こんな感じで雑談をしながら服を選んでいると、あっという間に時間は過ぎて予約した時間になった。
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