私の出自は酷いものだろう。そう話し始めた少年を見つめた瞳には純真無垢と言えるような輝きがあった。
それは昔戦争が終わらぬ時代とある娼婦と軍人の間に生まれた人間の話だった
『親は軍人の男と娼婦の女だったよ、女は男を愛していたが男は既に結婚していた。男とその妻を見た女は悲しみの余り衰弱していき5歳の子供を残し死んだ、その後は軍人として生き瀕死の所を運良く国の政府に拾われ神職につき、愛するモノたちの嫁となって幸せに暮らしていたところを摩訶不思議な世界に飛ばされた。ただそれだけの話だ』
簡単な話だろう?そう話す少年の目は笑っているがまるで冷め切っている。
そんな少年の話を聞いていた二人と一匹、学校又は世界唯一の異世界人の居た世界の話を聞こうと静かだった食堂の体感温度は下がり静寂が訪れる。
ヴィランのような悪ガキクソガキの集まりだろうとツイステッドワンダーランドは正に某夢の国の様な世界であった。
だとしても戦はあり、スラムだってある海では弱肉強食の世界だ。
ただ一つ、いや、二つ三つ程耳を疑いたくなる様な単語が余りにも自然に出てきた。
本当に自然に言うものだから疑問を持たなかった人も多かったが真実だとすれば男子校であるナイトイレブンカレッジは混乱の渦と死罪の嵐が巻き起こることだろう。
それを分かってか、分かっていない故か1人の声が響く。
「なんだ人間!貴様契りを交わしていたのか!だがその場合お前は夫、旦那では無いのか?」
嘘だろお前とでも言いたげな顔をしたのは2人以外も例外では無かったただ一匹と数人を除いて
『そうだね、でも僕は女だからお嫁さんになるね』
話していた少年、いや少女はいつの間に食べたのか空になった皿の前で手を合わせ、ご馳走様と言うと次の授業の準備に相棒と向かってしまった
その少女は来た日からずっと草食動物でも肉食動物でもない狩人であった
少女は監督生と呼ばれひとつ結びの長い髪に150㎝弱の背丈と右頬と右目に痛々しい傷跡が目立つ人の子だった
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