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腐ヘヘヘヘ(´^o^`)最高かよっ!!
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ワンクッション
「『あの言葉』とは?」
組んだ指の上に顎を乗せ、グルッペンが冷たく鋭い眼光でエーミールを見遣る。
エーミールは渇く喉で唾液を飲み込み、拳を更に強く握る。
「あ、あ…『愛してる』など…、戯れ言にも…程がある……ッ」
「私は本気だぞ、エーミール。本気でキミを」
「黙れッ!!」
エーミールの両方の拳は激しくテーブルを叩き、勢い上半身をテーブルより下に突っ伏していく。
「黙れッ!」
再度、エーミールが叫ぶ。
「みんな嘘だ!戯れ言だッ!!その言葉に、拘束以外の意味はないッ!!!!」
今まで抑えに抑え込んできた、鬱屈したどす黒い澱み。
「軽々しい言葉も!セックスも!大ッ嫌いだッ!!みんな……ッ、みんな消えてしまえばいいッ!!!」
エーミールは席を蹴って立ち上がると、ドアへ向かって走った。だが、ドアの前にはすでにグルッペンが立ち塞がっており、エーミールの行く手を遮っていた。
「どこへ行く気だ」
「どけッ!!」
「行く宛もないのに、それでも逃げる気か?」
「どけッ、グルッペン!!」
悲痛な声で叫ぶエーミールを、冷徹な眼差しで威圧するグルッペン。それでも必死で逃走を試みようとするエーミールの腹を、グルッペンの膝蹴りがめり込む。
「……ッ!!」
気の遠くなりそうな鈍く深い痛みに、エーミールは腹を押さえて膝をついた。
「キミのお陰だよ、エーミール。キミが鍛えてくれたから、私でもキミを押さえ込めるくらいの力はついた」
倒れ込んだエーミールの髪の毛を鷲掴みにすると、グルッペンはエーミールを引き摺るように部屋を出て、寝室へと足を進めた。
「イヤ……だッ!!!はな…、離してッ!!離して……ッ!!」
「暴れるな。ハゲるぞ」
「やだ……ッ、イヤだッ!!止めてッ!!!」
「いいから来るんだ」
なりふり構わず悲鳴のような叫び声をあげるエーミールを、グルッペンは淡々と部屋に連れ込むと、ベッドの上にエーミールを転がした。
「いや…だ……、ゆる…して…」
ベッドの片隅で両方の腕を抱えて震えるエーミールに、尊大で不遜な男の面影はない。怯えて泣き震えるただの子供だ。
グルッペンは構わずベッドに乗ると、エーミールの耳元で低く粘り気のある声で甘くささやく。
「キスの仕方を教えてくれるかね、エーミール教授」
ゾワッ。
エーミールの背筋を、蠱惑的な冷たい何かが走る。
セックスも、キスも、大嫌いだ。
でも。
『教えてくれないか』
その言葉が、何故かエーミールには、どんなに華美な誘い言葉よりも、甘美で魅力的に聞こえた。
ほんの微細なエーミールの変化を、グルッペンは敏感に感じ取り、エーミールの顎を指で持ち上げた。
「教えてくれ、エーミール」
そう言うと、グルッペンはゆっくりとエーミールに顔を近付け、唇を重ねた。
「……んっ…」
重ねた唇を舌が割り、捩じ込まれ、絡まれる。
「ん?は…、ぁ…っ」
何が『教えてくれ』だ。
初っ端から、ディープなキスをしてくるなんて。本当はしたことあるんだろう?
絡め取られる舌のざらつきの感触に、エーミールは眉を顰めながらも黙ってグルッペンとのキスを続けた。
思いの外、グルッペンのキスは、すぐに化けの皮が剥がれた。同じことを繰り返すグルッペンに、エーミールは気付いた。
なるほど、知識だけか。
自分と一緒だ。
背伸びして大人のキスを真似るも、経験不足から、その先をどうするべきかを、グルッペンは知らない。
エーミールは舌先でグルッペンの上顎を、突っつくように舐め回す。
「んむ…っ?」
グルッペンの慌てる様が、よくわかる。知り得なかった感覚に、グルッペンが少し及び腰になるも、エーミールは構わずグルッペンの下唇をなぞり、吸った。
初めて知る本能の赴くままのキスに、グルッペンは脳が蕩けそうになった。
なるほど、確かに下手なセックスよりも、極上のキスがいい。
先制したと思ったが、さすがにエーミール相手の色事は、経験値が違いすぎる。
「……っは。さすが…だな、エーミール。キスだけで…イキそうになったよ」
「満足いただけたなら…、もう終わりにしてくれませんか…?」
「まだだ。まだに決まってるだろう?もっと、もっともっと、キミが欲しいんだ」
興奮するグルッペンとは裏腹に、眉間に皺を寄せ険しい顔をするエーミール。
逃げられない。
また。
「籠の中、か……」
「? どうした?」
「……何でもない」
エーミールは顔を伏せ頭を振ると、再びグルッペンと唇を重ねた。
こんなこと、したくない。
精霊の悪戯で終われば、どれほど良かっただろう。
子供のように否定するだけの、みっともない拒否の言葉が出ないよう、エーミールはグルッペンとのキスで自分の口を塞ぐ。
キスの快楽を知ったグルッペンが、エーミールの唇を積極的に吸い始める。
「ん……」
さすがはグルッペン。学習能力の高さは、キスにまで適応できるのか。
グルッペンの順応性の高さにエーミールが心の内で驚嘆しているそばで、グルッペンは着々とエーミールの服を脱がし始めていた。
クソ…ッ、せっかちなヤツだな。
食らいつくようなキスがなかなか離れず、グルッペンから距離を取ろうにも、繋がったままの唇以上離れることはできない。
素肌を滑る指の感触が気持ち悪い。
「ん…ッ」
顔を顰め押し返そうと力を入れるが、グルッペンは気にする様子もなく、エーミールの尖った乳首を指で弾いた。
「んふ…ッ!?」
塞がれた口から甘い声が漏れ、ビクリとエーミールの身体が跳ねる。
勘所を捉えたと感付いたグルッペンは、固さを帯びてきたエーミールの乳首を何度も指で弾き、擦る。
「ン…ッ、はッ!や、やめ……ッ」
食らいつくようなキスから何とか逃れたが、乳首を弄るグルッペンの指は止まらない。固さを帯びる突起を摘み、弾いては、エーミールの反応を凝視する。
「やっ、やめ…ろ、グルッ……ッ!あ、ン…ッ」
やめろと言いつつ、蕩けるような表情で身体をくねらせるエーミールに、グルッペンはこの先を見たい欲求に駆られ、エーミールの両乳首を弄り始めた。
「い、いや…ッ、ンッ、は…ぁッ!やめ…ッ!」
ベッドに寝転がされ、背後への退路を断たれたエーミールは、首を何度も左右に振る。否定の言葉とは裏腹に、物欲しそうにグルッペンの身体に腰を擦り付け、もどかしそうに腰を振る。
以前のセックスでは見られなかったエーミールの乱れる様に、グルッペンは固唾を飲んでその様子を見守った。
見られてる。
変な声をあげ、快楽に身を委ねのたうつ、浅ましい自分の姿を。
僅かに残る理性で悟ったエーミールは、せめてとばかりに、両手で自らの口を覆った。
「ン”ッ!ン、ん”…ッ!!」
イヤなのに。
こんな真似をしたくなかったから、名前も国も捨てたのに。
幼い頃から覚えさせられた快楽を、エーミールの身体は敏感に拾い、身体の芯から蕩けさせていく。
せめて。
せめて、浅ましい声だけは出すまいと口を塞ぐが、その手をグルッペンが掴み、エーミールの頭の横に押さえ込む。
「……もっと声を聞きたい。塞ぐな。聞かせろ」
「い、や…ッ!ゆるし…ッ、あぁッ!!!」
「良い声だ。もっと…聞きたい…」
グルッペンの前歯が先端をきゅっと噛み、ぢゅっと音を立ててエーミールの突起を吸い上げる。
「や…ッ!!あ…ひぅ…ッ!!」
ゾワリ。
全身が、痺れる。
快楽を否定する心と裏腹に、身体は更なる刺激を求める。足を開いてグルッペンの腰に絡ませ、もっと欲しいと強請るように擦り付けていく。
「せっかちなヤツだな。もう欲しいか」
「……ッ!!き、貴様に言われたく…ッ、あ、ひンッ?!」
口答えをしようとしたその時、エーミールの両乳首をグルッペンの指が強くつまみ上げ、爪を立てた。
全身を走る甘い痺れに、エーミールは身体を強張らせ、仰け反る。
「あ、あぁ…」
身体が震える。頭が真っ白になる。
エーミールが中で達していることを、グルッペンは知らない。そもそも、射精せずに達するという現象について、経験不足のグルッペンには知識としてあったとしても、目の前でエーミールが力なく転がっている姿がそれとは、気付く由もない。
ましてや、乳首を弄るだけで達してしまうなど、グルッペンに想像などつくだろうか。
「エーミール…?」
蕩けきったエーミールの目は、虚空を彷徨い、グルッペンの声かけに反応すらしない。
「おい、エーミール!」
魂が抜けたように虚ろになったエーミールの頬を、何度か軽く叩く。
反応はない。
グルッペンはエーミールの頸動脈に手を当てた。鼓動はあった。
「……なるほど」
グルッペンは嬉しそうにそう呟くと、口角を吊り上げて邪悪な笑みを浮かべた。
「…………ん……?」
エーミールの意識が、戻った。
まだうすぼんやりした感覚ではあるが、達して意識を飛ばしてしまったことは、理解した。
起き抜けの脳内で、何が起こったかを思い出すため、思考を働かせる。
「乳首だけでイけるモンなんだな」
重低音のグルッペンの声に、ぼんやりしていた感覚に一気に緊張感が走った。
完全に意識が回復したことで、エーミールはやっと自分の状況に気付き、恐怖に震えた。
全身の衣服を剥ぎ取られベッドに転がされ、両手を頭の上で何かで拘束されている。
「……何のつもりだ」
頭の上で拘束され動かせない両手を、それでも何とか踠こうとするが、金属が当たる音が響くだけで外れることはない。
「逃がさないためだよ、エーミール」
グルッペンの紅色の眼が、妖しく光る。
「……逃げない。もう逃げないから…、外…し…て…」
顔を青くして怯えるエーミールが、首を横に振ってささやかな抵抗の意思を示す。グルッペンは踵を返すと、エーミールに背中を見せて寝室から出ていった。
グルッペンが出ていった事に違和感を覚えることも安堵する暇もなく、彼はすぐに戻ってきた。グルッペンが手にしているモノを見て、エーミールはどん底に落ちたような表情となる。
「昔、乗馬を嗜んでいた時に、手に入れたものだ。正真正銘、私の乗馬鞭だよ」
「い……、いやだいやだいやだいやだ……」
壊れた機械音声の玩具のように、何度も何度も『いやだ』と繰り返し、何とか逃げようとするエーミール。だが、両手を拘束している手錠の先は、ベッドの柵に通された鎖。
逃げ出すどころか、ベッドから降りることすらできない。
「もう逃げない!言うことも聞く!だから…ッ!それだけはッ!許してッ!!」
「俺はイエスマンのキミには、興味はない。だが……」
グルッペンは足でエーミールの身体を軽く蹴り上げ、うつ伏せにさせた。
白く細い背中を、無尽蔵に走る鞭の痕。グルッペンの知る傷痕から、鞭の痕は更に増えていた。
グルッペンの指が、エーミールの腰についている僅かな爪の痕をなぞる。
「この傷が消えなかったのは、僥倖だな。危うく消されそうにはなったが」
夢見がちな眼差しでグルッペンはそう呟くと、エーミールの腰にある小さな爪痕に更に深く爪を食い込ませた。
「あっ…ッ!!」
食い込ませた爪がエーミールの皮膚を裂き、血が滲み出る。そこにグルッペンはそっと唇を落とした。
「ん……ッ」
ぞわっとする感覚。
ただでさえ弱い勘所に、印を付けられ、指が這い、唇が落ちる。
「しかし、所有印と言い張るには、さすがに小さすぎるな」
鞭が空気を切る音。
エーミールに緊張が走る。
「貴様の身体の傷、すべて私が上書きしてやろう」
【続く】