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要side
本当に気持ち悪い。いつもなら嘘かどうかなんて一瞬でわかる。無意識についてる嘘とか本人は嘘と思っていない嘘もすぐ分かる。
…そうじゃないとお母様にキレられるから。ご機嫌取りは私の役目。お姉様のことが大好きだったから、好きなように歌って踊っていて欲しかったから。
姉のようになりたかった。けど、ある日から姉の表情は、嘘の顔になった。多分、私が姉のようになりたいって言ったらもっと苦しい嘘の顔になるから。私は夢を捨てた。
本当の自分なんて分からない。けど、そんな自分を隠すように嘘をつきまくった。自分にバレないように嘘をつけば、嘘をついてるとバレないって思ってた。そして相手に合わせて嘘をつけばオールオッケーなんて甘い考えだった
…こいつは真っ黒な闇に包まれたかのように嘘じゃない嘘で埋め尽くされてた。嘘なのか、嘘じゃないのか。分からない。気持ち悪い
けど、お互いの相性が悪いわけではないらしく、会話はテンポよく進んだし気を使わずに済むから心が楽だった
ある程度カラオケについてじゃあ歌うか、という頃
「…あんたは、なにがしたいの?」
目線をマイクに向けながら私に問いかける
「さあw?分からない」
本当に、自分でも分からない。なにがしたいのか
「ふーん。…どっちが先に歌う?」
「どっちでも」
「なら私は後で」
「ん」
無言でタブレットを渡してくる
多分、これが私の素なのかな?
こいつとはなにも気を使わずに話せる。そもそもの話、相手が嘘をついてるかどうか分からないんだから。いいよね?
私が入れたのはマーシャルマキシマイザー。落ち着いて淡々と歌う…いつもはこんなことしてたら怒られてたかもしれないけどそんなの知らない。もうお母様はいないから。
「…あんた歌上手いわね」
「そりゃどーも」
「ま、魔王に勝てるとは思わないけど」
マイクを持ってスッと立つ彼女はとてもイキイキしていた。
…あ、これ嘘じゃないやつだ
「圧倒されたようね?w」
嘘じゃない
「圧倒されたよ。…嘘だけどね」
本心、本心じゃない
「黙れ詐欺師」
嘘じゃない
「それを言うならあなたじゃない?エセ魔王様♪」
本心
「はぁ⁈」
…
「本当に厨二病なんだね」
「厨二病じゃないわ。魔王よ」
こんなに気を使わずに接することができる日が来るなんて思わなかった
「…私のそばにいて。ずっと」
「魔王の隣にいれる覚悟はある?」
「あるよもちろん」
…じっと目を見てくる。ついさっきとは違って穏やかな表情で
「あなたはずっと、私の本心を1番に見れるところにいれる自信があるw?この私をも圧倒する力がある?」
…君が望んでるのはそーゆー子なのね。いいよ受けて立つ
「ついてくれば間違いないよ?おそらくね」
読んでいただきありがとうございます!
どもども星音です!
お互いに本心が分かる、嘘を見抜けるからこそ最初は嫌悪感がありつつも1番理解し合うのが早いだろうなと思ってこうしました。相手を理解する瞬間って体験しないと分からないから難しいですよね。
それでは!また次回!