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お久しぶりです、、!! 続き待ってました! 最近あまりテラーを開いてなかったのでいつごろ投稿されたのか分からず、、遅れてたらごめんなさ〜い💦 6人でってところを強調してたりしてるところと、最後の🍣ちゃんの「そうだよね、、?父さん、、」ってところで、もしかしてこの6人で家族だったんじゃないかと思ったんですけど、、どうですかね⁇ 続き楽しみです♪ 長文失礼しました〜‼︎
⚠︎nmmn⚠︎
───💎side───
白『いーむくーんっ!!』(走
水「……なに」
トテテテテッと効果音が鳴りそうな走り方で初兎ちゃんが後を追ってきた。
先程のいふくんの言動で頭がいっぱいな僕の返事は,自覚できてしまうレベルに素っ気ない。
現に初兎ちゃんの表情にはむっと力が入っている。
白『なー塩対応すぎ〜…傷つくわぁー』
水「うるさい」
「用があるなら早く言って」
僕の二言に初兎ちゃんがくすっと肩を揺らす。
白『用なんかあらへんし笑』
『単に置いてってほしくないだけ〜』
水「は…?めんどくさ…」
「いい加減弟離れしなよ。ブラコンすぎ。」
白『…へ?』
水「ブラコン。うざい。」
決して褒め言葉とは言えないその4文字に初兎ちゃんの体が硬直する。
半開きになった小さな口から微かな笑いが零れた。
白『なに,やっと信じてくれたん?笑』
水「…何を」
白『…なにって…』
『僕がいむくんの兄ちゃんやってことに決まってますやーん?笑』(肩組
水「…!」
その一言にはっと目を見開く。
危ない。流れで錯覚しそうになっていた。
水「…信じてないし」
「仮定的な話だから」
白『…へーえ?笑』
水「……ニマニマしてないでどっか行って。」
白『行きませーんw』
…これ何言っても駄目なやつだな。と,心の内で脱力する。
しれっと肩組んでくんのも鬱陶しい。
水「…はぁ…,」
「……僕今から適当に歩き回るから。」
「着いてこないでよ」
白『…え?無理』
『見張っとけってまろちゃんに言われてんから』
水「…。」
白『…んな顔せんでや〜w』
『ちゃ〜んと案内したるさかい』
水「は?頼んでないって…ちょ…っ」
白『えーーから。ほい,そこ曲がるで〜』
がしっと二の腕を掴まれ,体勢的に振りほどくことができない。
2,3歩前を行く初兎ちゃんの頭を軽く睨みつけるも,返ってくるのは浮ついた鼻歌だけ。
泣いて笑ってパニクってまた泣いて,かと思えば上機嫌に歌って…。
ほんとこの人どんな情緒してんの。
白『〜♪』
水「…」
この後はもう散々。
だだっ広い室内をひたすらに徘徊し,死ぬほどしょうもない親父ギャグを延々と聞かされ,挙句の果てに2人仲良く階段から落ちた後,巻き込まれた僕まであにきの説教を受ける羽目になった。
ほんと最悪。最悪としか言いようがない。
水「…ねえもうほんとに…ほんとにさ,いい加減にしてくんない?」
白『…んぁ?』
『まだ起きてたん?』
水「…逆にこの状況で呑気に眠れると思う?」
「ここ僕の部屋なんでしょ?」
「なんで初兎ちゃんが一緒に寝てるわけ?」
白『おー聞きすぎ聞きすぎ』
『ガン詰めやめてーや』
水「嫌なら出てってよ。」
白『それは無理』
水「……」
白『…』
水「…なに笑ってんの」
白『…んー?…んふ…笑』
『こうやって隣で寝んの,懐かしいなあ思うて。』
水「…」
白『昔は一人でトイレも行けへんくらい怖がりで,いっつも僕の手引いて泣いてたんよ』
『一緒に来て〜一緒に来て〜ゆうてな、笑』
水「…ふーん」
白『9歳くらいから僕なしでも行けるようになって…おっきなったんやなぁって…寂しく…』
『な…』
『…』
水「……?」
ぽつぽつ語っていた初兎ちゃんの声が静かに途絶え,ふと目をやるとだらしなく涎を垂らして寝落ちている。
水「…寝逃げ」
これじゃ朝まで動けないななんてぼんやり考えながら,気づけば僕の意識も深い深い闇に吸い込まれていた。
黑『ほとけー,これ閉まっといて』
水「ん〜…」
碧『あほとけこれも』
水「はいはい…」
白『いむくんすきー!』
水「うざい」
白『え”』
謎の豪邸に拉致られて早くも1ヶ月。
諦め半分で3人との生活に溶け込み,今じゃ淡々と雑用をこなすこの家の一員だ。
結局ボスのことも薬のことも何一つ聞き出すことはできず,生殺しのような状態は続いている訳だけれど,
なんとなく今置かれている状況を心地よく思い始めている自分がいて。
慣れって怖いなとつくづく思う。
白『…あ、そーや』
『なあいむくん』
水「……今度は何」
白『今日さ,よかったら散歩してみーひん?僕と二人で』
戸棚に伸ばした腕が空でぴたりと停止する。
水「……散歩?」
白『おん,散歩。』
水「…」
そんなことしていいの?という視線を反射的にアニキに投げかけると,ふっと口許を緩めて軽く頷いた。
黑『この土地に来てからほとけ,一回も外出てへんやろ?』
水「…うん」
黑『俺らと話すのにもようやっと慣れてきたさかい,散歩ぐらいやったら行ってもええんちゃうかってまろと話してたんよ。』
『な?』
碧『……おん』
水「…」
確かに,僕が最後に外出したのは,いふくんたちに攫われたあの日が最後。
この家の窓は全てステンド加工でできていて,外の様子はモヤがかかった状態でしか認識できない。
唯一はっきり見えるのは,天蓋窓から覗く青々とした空だけ。
白『いむくん絶対びっくりするで』
『こっから見える景色,絶景中の絶景やから』
『この季節は特にな』
水「…ふーん,」
「でも僕逃げちゃうかもよ」
「いいの?」
白『それはない』
『大丈夫』
水「…どっからくんのその自信」
黑『まあまあ,笑』
『午後から雨降る予報やから,行くんやったらはよ行ってき』
白『りょー』
『んじゃ行こいむくん』
水「…ぇちょ…」
「チェーン引っ張んないで!!」
白『はっはは〜!w』
黑『…ほんまに大丈夫やろか』
碧『心配すんなって』
『初兎がついてんやから』
『万が一なんかあっても俺とアニキがおる』
黑『…それはそうやけど』
碧『…』
碧『……あ,薬の鑑定結果さっき届いたさかい一緒に見てくれへん?』
黑『……おん』
───🍣side───
昨晩,当然りうらに呼び出された。
《回想》
赫『…いきなり呼んでごめんね,ないくん』
桃『いいよ』
『話って何?』
夜冷えのするベランダにりうらと2人きり。
月明かりによく映えた赤髪がさらさらと風に靡いている。
赫『……ひとつ聞かせてほしくて。』
『…ないくんさ,いむの隠し場所に心当たりあるよね?』
桃『…』
数秒…時が止まったような感覚に陥った。
赫『…否定しないんだ』
目を伏せながら笑うりうらが悲しげにそう零す。
俺はそんなりうらの顔を見ることができなかった。
桃『なんでそう思ったの』
赫『………指示が偏ってたから』
桃『…指示?』
赫『…』
『明らかに避けてるでしょ。あの別荘。』
桃『…!』
別荘…という単語で俺の頭にフラッシュバックしたのは,淡い水色の景色の中で楽しげに笑ういむの姿。
赫『ないくんが持ってたいむの写真を見てピンときたんだ。』
『案外覚えてるもんなんだよ?小さい頃の記憶って。』
背を柵に預けたまま,懐かしむように自身の手のひらを見つめる。
桃『…そう』
『そうだね…俺はずっと,いむはあそこにはいないって信じて避け続けてた。』
赫『…』
アジトを含むこの街の近辺,隣県や更にその周辺にまで赴いて探し回った末,見つからなかったのなら残された選択肢は一つしかない。
赫『…りうら,もう組の人達に嘘つきたくない』
『仮にも大事な家族だから』
きゅっと拳を固めたりうらの目には,覚悟の色が垣間見えた。
赫『いむに会おう。ないくん。』
『ちゃんと話し合おうよ。”6人”で。』
桃『……』
< 次は〜───駅───駅……
赫『…。』
俺の肩を借りて安らかに寝息を立てるりうら。
いむの捜索が難航したがために,ここ最近はろくに眠ることすらできていなかったらしい。
桃『…ごめんねりうら』
『……あともう少しだから』
堅苦しいスーツに似合わない幼い顔立ちに,この数年間を凝縮させたような罪悪感が募る。
この子はまだ,こっちに来ていい人間じゃない。
それなのに俺は…
桃『俺は…』
…いや,悔やんだところで過去は上書きできない。
今は一刻も早くいむを手元に戻すことだけを考えなければ。
俺は何も悪くない。
桃『…そうだよね?…父さん』
──────to be continued──────