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翔太 side
帰宅時刻は19:10
まだ今からでもギリギリ間に合う。
玄関扉を開けると涼太が後ろから覆い被さってきた。
翔太💙『おまっ危ないだろ』
向かい合わせになると肩を掴んで壁に追いやられると無理やり唇を貪られる。
*翔太💙『ンッ涼太*』
シャツを捲りお腹を撫でた。上へと伸びてきた手を掴むと〝今日はもう無理だよ〟そう訴えた。
涼太❤️『まだいけるだろっ?それともまたあそこへ行くつもりじゃないよね?』
翔太💙『行ったらだめなの?』
涼太❤️『もう、いいだろ?終わろう翔太』
涼太を悲しい顔にさせているのは俺だ。
いつだって皆んなが不幸せだ。俺と関わると碌な事ない。
〝うん・・・わかった・・おしまいにする〟
そう言って無理やり笑顔を作った。
翔太💙『あの…でももう今日は疲れちゃった涼太』
涼太❤️『わかったごめんね無理言って』
食事を済ませると涼太は洗剤を切らしていることに気づき俺に洗い物を頼むと買い物へ出掛けた。
洗い物を終えて、時計を見た。もう上映終わっちゃった。
マンションのベランダに出ると小さく蹲って空を見上げた。
翔太💙『やっぱり何にも見えないや』
目を瞑ると、いつも見ているプラネタリウムの映像が飛び込んでくる。ナレーションを代わりに出来そうなくらいには通い続けた。今なら俺の方が蓮より星に詳しいかもしれない。
それも、もうおしまいだ。
蓮を好きになる前は夜空を見上げる事なんてなかった。付き合ってからだって、一緒に星を眺めるなんてことはなかった。
蓮が毎晩ベランダに出て星空を眺める姿をリビングから見ていただけだ。
プラネタリウムの帰り道は夜空を眺めながら歩いて帰った。
もしかしたら今この時、同じ夜空を見上げているかもしれない・・・
そう思うとほんの少しだけ明日星空を見上げる時間が楽しくなった。
窮屈な心が少しだけ軽くなる気がした。
翔太💙『なんにも無い夜空だけど・・・あっ』
立ち上がってよく見ると数えるくらいのわずかな星が俺に見つけてもらいたくて顔を出していた。
頑張って光ってる。
翔太💙『ちゃんと見えてるよ。頑張れ』
いつの間にか涙が頬を伝い流れていた。
泣き虫なやつ・・・
梅雨だと言うのに、今日は朝から天気が良かった。乾いた風が吹いている。
ついつい夜風が心地よくて、涼太が帰って来ている事に気付かず、ずっと夜空を眺めていた。
蓮 side
まだ翔太くんに会えず仕舞いの俺は仕事の合間を見計らって翔太くんを探し回った。
舘さんの家にどうやら居るらしいと阿部ちゃんから教えてもらい、さっき舘さんに電話をしたものの〝これ以上翔太を壊すな〟と言われ切られた。
居ても立っても居られずマンションの前まできたが会わせてもらえる筈はない。
舘さんの部屋を下から見ると、月夜に照らされた愛しい人が夜空を眺めてなみているのが見える。
蓮 🖤『翔太くん..,..』
俺の声は都会の乾いた空気の中に吸い込まれて消えた。
ずっと見ていたくて頰に伝う涙を無視して、翔太くんを見ていた。
ベランダに舘さんが現れて、躊躇って顔を伏せた。
次に顔を上げた時には翔太くんは舘さんに自分からキスをすると、縺れるように部屋に消えていった。
翔太くんは幸せだろうか・・・
ベランダで涙を流す姿が俺には悲しそうに見えた。
涼太 side
自分でも驚くほど、蓮に嫉妬している。
あの日以来、口に出さなかった人の名前を、事もあろうにベットの上で呟いた。
〝蓮と生きるべき〟と言ったくせに、自分でその言葉に苦しめられ、翔太から離れられない。
あの2人となんら変わらないじゃないか。
20年越しの恋が実ったとなれば尚更手放したく無い。
プラネタリウムへ行くのは蓮に会いたいからだろ。そこに行けば一緒にいた頃を思い出すんだ。
忘れないように自ら足を運んでいる事に当の本人は気付いていないんだ。
買い物から戻り、部屋へ入るとリビングのカーテンが揺れている。覗き込むと翔太が夜空を眺めていた。
マンションの前に長身で細身の男がこちらを見ている事に気付いた・・・蓮だ。
ここからは表情を窺い知る事ができない。
翔太は気付いていないようだった。
涼太❤️『翔太、何してる?』
翔太💙『涼太・・・明日晴れるかなって空見てた・・・ごめんなさい』
涼太❤️『なんで謝るの?益々不安になる。今日あんな事言われて・・・俺不安なんだけど』
意気地無しの卑怯者は翔太が困る言葉を吐いた。
悲しい顔で〝不安〟だと言った目の前の俺を翔太は突っぱねられないのを知っている。
翔太💙『ごめんなさい、そんなつもりじゃなかったんだよ。悲しい思いさせてごめんなさい』
涼太❤️『じゃぁどうしたらいいか分かるよね?ベット行こう翔太・・・ココでキスして』
翔太💙『えっ?あの・・・』
涼太❤️『翔太、俺を愛すんでしょ?』
青黒い眼が揺らいでいる。偽物の笑顔を俺に向けると、頭に手を回してねっとりと長いキスをする。
涼太❤️『舌出して翔太』
蓮が見ている前で、更なる要求をすると何も知らない翔太はそれに応える。
自ら舌を出させると、吸い付き互いの舌を抱き合わせ交わらせる。
抱き合いながらリビングに戻るとそのまま床に押し倒した。
涼太❤️『いいね翔太?今日のやり直しだよ。翔太の愛を見せて?』
嫉妬剥き出しでカッコ悪いなと自分でも思う。こんな事したって翔太が傷つくだけなのに・・・
翔太は必死で笑顔を作ると〝うん〟と力なく返事をすると 俺に口づけをし、ズボンに手を掛け脱がせると、俺の熱茎に触れ口に含んだ。丁寧に優しい手つきで愛している。亀頭を啄むように可愛らしく吸い上げると白濁が漏れる。
涼太❤️『ンッ気持ちイイ翔太イイ子だね。自分でズボン脱いで翔太のも愛してあげるからおいで』
おずおずと自分で裸になると恥ずかしそうに俺に自分のモノを差し出した。互いのモノを舐め合う。手で擦り上げ頭を上下に扱くと、翔太の動きが止まり声を荒げる。
翔太💙『ンンンンッああっあっあん、あっ///』
涼太❤️『翔太俺のが止まってるよ。ちゃんと舌を使って』
翔太💙『んっ///はぁっはぁっもう///無理でちゃう涼太涼太////ああっンンンンッ////』
白濁を飲み込み、そのまま隘路に指を挿れる。翔太はゾクリと肩を窄めた。
翔太 side
いつもの涼太と違って荒々しく抱かれる・・・怒ってる。
俺が蓮の名前なんか呼ぶからだ。
未練がましくも、星空を眺めてたから。
愛してると言いながら蓮を忘れられないから。
乾いた隘路に、否応なしに侵入した涼太の指が動くたびに身体に痛みが走る。
涼太しか、もう俺を愛してくれる人はいない。
愛してくれる人の指を咥えて身体に刻む。
涼太をおかしくしちゃってるのは俺だ。
涼太❤️『ベット行こう』
抱き上げられてベットに下ろされるとローションを手にとり隘路を解していく。
涼太❤️『ごめんさっき痛かったろ?痛い時はちゃんと言いなさい。ごめん余裕がなかった』
翔太💙『大丈夫だよ。平気だから気にしないで』
涼太が一瞬変な顔をした。嘘ついたの分かっちゃったかな・・・本当は凄く痛かった・・・
再び後孔を弄られた。
四つん這いになり隘路に、口腔内に、指が侵入してくると無理やり開かれた口からは唾が漏れ、隘路からはグチョグチョと卑猥な音が鳴り響き、イヤらしく喘ぐ声が寝室に響いた。
涼太❤️『可愛いよ翔太もっと聞かせて』
俺を求めてくる人は皆んなそうだ。
不安になるとすぐに身体を求めて俺を鳴かせたがる。拒めば狂ったように、更に身体を求められる。
涼太は違うと思ってた。
無条件に俺を愛し、愛を強要することは無いと思っていた。
〝涼太を愛すと決めた〟始まりの日
まただんだんと、心が窮屈な箱に押し込められていく。
涼太❤️『腰もちゃんと振って翔太。上手だね、いい子だ』
翔太💙『うっぐぁ///りょ..もぅ苦しぃンンンンッ』
涼太❤️『まだだよ翔太。ちゃんとイキなさい』
屹立を手で扱かれれば、思考が止まる。自分の精を出すと、涼太は嬉しそうに頭を撫でた。
翔太💙『はぁ、はぁもう無理だよ…』
涼太❤️『まだ俺挿れてないでしょ?もうちょっと頑張って翔太』
後孔に涼太の熱茎が押し入ってくる。昼間からずっと続く行為にソコはすぐに涼太のモノを飲み込んだ。
腕を取られて奥を突きあげられた。
翔太💙『ンッアッ///あっあっやっ///…』
涼太❤️『翔、仰向けになって///顔見せて?』
仰向けになると涼太が優しく微笑んでる。
手を顔の横で縫い付けると再び抽挿を繰り返した。
翔太💙『ンッ涼太///』
涼太❤️『もっと呼んで俺の名前///お前に刻んでよ俺を感じて俺を愛して』
翔太💙『涼太愛してる///ンッンッ涼太!イク…』
抱いても心は満たされないんだよ?
俺だってそうだそうだった。
不安になると蓮に求めた事を思い出す。
皆んな勘違いするんだ。
腰を振れば快楽に溺れ、善がる俺を見て〝翔太を手に入れた〟と。
俺の心はまた窮屈な箱に押し込められ蓋が閉まったまま、誰かが開けてくれるのを待っている・・・
涼太の笑顔も、涼太との幸せも全部俺次第なんだ。
早く忘れなきゃいけないのに、目を閉じるといつも蓮の笑顔が浮かんできて今日も枕を濡らした・・・
涼太を愛すと決めた始まりの日は
俺の〝心の箱〟が満杯になった日だ。
コメント
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改めて数日かけて読み返して来ました。そしたらちょうど最新話が出ていて🫶 トゲトゲが残ってる前半の💙と比べると、めそめそうるうる弱弱になっていて、❤️と居ることでカラッと爽やかさが戻るかと思いきや🥺 心に残ってるのは🖤なんだね。 そうか。嫉妬心丸出しの束縛男に見えてるんだけど、、な。 何だかんだ1番大人だったのが🤍っていう🤣
蓮くんも同じように嫉妬に狂ってましたけどね。 しょっぴーが魔性の女(男の子だけど)すぎるんだよねぇ😥
なかなか2人の関係も、難しいですね~😱😱😱😱 どうなるんだろう🍀🍀🍀