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コメント
8件
今回もこんな素敵なお話を作ってくださり、感銘ですわぁ、チューリップが6本の花言葉は貴方に夢中ですかね?本当に花にそっと花言葉を忍ばせてくれるとどんな意味があるのかなと調べるのが少し楽しみになります!本当花言葉選びがピッタリですごく面白いですね!今回もありがとうございました!
( '-' )スゥーッ↑なんですかこの神作まじでずっと応援してます!
#たかはし明
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どーも!
夜のさんぽです!
なななんと!
フォロワーさんが100人いきましたー!🎉
ほんとに有難い限りです……!✨️
それと同時に、
この物語の前回の話、
♡1000超えました…!!
え、♡1000!?!?
って感じで驚きでした!w
頑張って作った話だから、
報われてるみたいでめちゃ嬉しいです!!
ぜひぜひ!
これからも見てってねー!✨️
明視点
お兄さんは頬を赤らめたままにこっと笑った。
そして花をきゅっと抱きしめるように。
可愛いお兄さん。
どうか、俺だけのお兄さんで居てね
そのまま店を出た。
夜の空気は冷たい。
振り返ると、アデニウムの花をそっと鼻に近づけて、柔らかく微笑むお兄さんが見えた。
俺は、口が緩み口角が上がった。
今までとは違う。
何か、暖かいものに触れているみたいだ。
……昼も、ここにいるんだよな
ふと、そう思った。
昼。
明るい時間。
表通りには出れないから、路地裏から俺の妖術を使って花屋の中を。いや、お兄さんを観察することにした。
昼の花屋は、知らない場所みたいだった。
俺の目に映るのは昨日と同じお兄さん。
でも、違う。
笑ってる。
俺じゃない誰かに。
晴明視点
昼の光は、どうしてこんなにまぶしいんだろう。
棚の花が、やけに明るく見える。
黄色、橙、薄い桃色。
夜とはまるで違う色。
昨日とは、全く違う。
カランカラン
『いらっしゃいませ』
扉の鐘が鳴り、顔をそちらに向ける。
そしたら、見慣れた人がいた。
紫色の浴衣を綺麗に着こなし、
翁のお面をつけている。
この花屋の常連。道満さんだ。
「こんにちは、晴明くん。」
そう言うと道満さんは、スルッと翁のお面を取った。
その顔には、魅入るような痣と、左右違った色の目。
道満さんは柔らかく笑う。
「今日も綺麗な花がたくさんですね。」
『そう言ってもらえて光栄です』
「晴明くんの努力のおかげ。ですね」
僕の努力……
道満さんはほんと、褒め上手だ。
いつの間にか道満さんはすぐ近くにいた。
カウンター越しじゃない。
僕の横に。
『何か買いたいものありますか?』
「そうですね……あのチューリップを」
『分かりました』
「晴明くん」
道満さんは僕にスっと近づいた。
そして、顎をくいっと引っ張られた。
「6本。用意して欲しいのですが」
お互いの鼻がつくかつかないか際どい距離
他のお客さんが居なくてよかった。
こんなところ見られたら、恥ずかしさでおかしくなるところだった。
『ど、道満さん、近いです…』
それでも道満さんは僕の顎を離す気はなく、にっこりと微笑むだけだった。
僕が恥ずかしさのあまり目を逸らした直後、道満さんが、
あっ。
と声を漏らした。
反射で道満さんの目を見ると、その視線は僕の耳元にあった。
「……ピアス、今日もきちんとつけてますね」
道満さんは僕の耳を撫でた。
道満さんの耳に視線をやると、僕と同じ、赤くキラキラ光るピアスがある。
僕は、数ヶ月前に、道満さんから誘われお揃いのピアスをつけることになった。
『外しちゃ駄目って言ったの、道満さんでしょう』
「ええ。ですから、安心しました」
『道満さんとお揃いですもんね』
そう言うと、満足そうに目を細めた。
「はい。私と同じ。です。」
道満さんは、まるで愛おしいものに触れるかのような手触りで僕の耳を撫で続けている。
僕はくすぐったさのあまり肩をピクピク動かさざるを得ない。
それに気付いたのか道満さんは、最後に1撫でして手を下ろした。
「ふふ、では、包んでいただけますか?」
『…はい、少しお待ちください』
チューリップを抱えて作業台へ向かうと、背中に視線を感じた。
振り向かなくても分かる。道満さんだ。
紙を広げ、茎を揃えて、紐をかける。
いつも通りの作業。
「晴明くんが花に触れる時の手つき。好きなんですよ」
『手つき?』
「割れ物に触れているみたいに慎重で、綿みたいに柔らかくて、優しい」
囁かれるような声だった。
それが、妙にくすぐったい。
『僕じゃなくて、花を見たらどうですか?』
「私が本当に見たいのは、晴明くんだけです」
「でも、晴明君が用意してくれた花ですからね。
それも愛おしいのですよ」
『………』
よくもそんなに恥ずかしい言葉をスラスラと。
口説きなれてる感じがとてつもない。
包み終えた花束を差し出す。
『どうぞ。六本です』
道満さんは花束を受け取りながら、微笑む。
「そういえば、最近ここらで物騒な噂を聞きまして。」
『噂?』
「とある指名手配犯がここら辺を彷徨いてる。と。」
「ナイフが落ちていたらしいですよ」
『え……』
「落ち着くまで、店を閉めてはどうです?
貴方を危険に晒したくないのですよ」
『……僕は大丈夫ですよ
それに、この場所を求めてる人も居ますから』
「…晴明くんのことですから、そう言うと思いましたよ」
指名手配犯……ねぇ。
すっごく見覚えがあるのだけれども。
『……気を付けます』
「ええ。約束ですよ、晴明くん」
カランカラン、と扉の鐘が鳴る。
昼の光が、店の床に伸びた。
『ありがとうございました』
「こちらこそ。今日も、良い花を」
道満さんはそう言って、外へ出ていった。
道満さんを見送り、次の花を並べ直す。
そういえばさっきから、視線を感じる気が……
でも、周りには誰も居ない
……気のせいか