テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
瑠璃マリコ
3,757
#ファンタジー
芙月みひろ
210
#ハッピーエンド
Tubling
291
#極道
鷹槻れん/鷹槻うなの

19,669
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
乗り合い馬車から降りて、ソフィアとジャックは三日月亭へと辿り着いた。
三日月亭の前に、誰かが佇んでいるのが目に入る。
「誰かしら?」
常連の方達には、随分前から休業のお知らせはしていたし、貼り紙もして告知している。
不思議に思いつつもソフィアが近づこうとするのを、ジャックが呼び止めた。
「ソフィア、念の為、僕の後にいて。用件を聞いてくるから」
「ソフィアちゃん!あー、良かった!帰って来なかったら、どうしようかと心配してたっす」
「キースさん?キースさんじゃないですか。どうされたのですか?騎士服姿じゃないから、一瞬分かりませんでした」
キースは、気さくに話しかけながら二人の側に近づいてきた。
「あ、今は(通常の)仕事中ではないんで。ところで、そちらの人は……?」
「ご紹介します。この方は、ジャックです。とてもお世話になった人で、家族のような関係です」
にこにこと笑顔で話すソフィアに対して、二人は反応に困っていた。
「ソフィア、そう言ってもらえるのは嬉しいが……。家族というのは、誤解を招く。ソフィアの知り合いかい?」
「家族……?あっ!お兄さんとかですか?」
「「違います」」
ソフィアとジャックは、同時に返答したので、顔を見合わせて笑い合う。
その様子を見たキースは、先輩がこの様子を見たならば、大変なことになると焦っていた。
先輩を傷つけたくはない。
キースにとってグレッグは、憧れの存在だった。
先輩の婚約者が、こんな突然現れたような人に横取りされるなんて、受け入れられない。
隊長の言うように、本当はこの二人が付き合っていて、先輩が横入りしたのかもしれないけど……。
まぁ確かに、背も高いし、認めたくないけど、かっこいい……。いやっ、先輩に比べたら全然だけど。
それに、なんだ、この気心の知れた感じ。
家族のような関係って、自分には理解がむずいっす。
「あのさ、ソフィアちゃん、三日月亭ってしばらく休みなの?」
「えぇ、ダンさん達が旅行に行っている間だけですけど。キースさん、もしかして食堂をご利用したかったのでしょうか?」
「えっ、旅行?先輩は、そのこと知ってます?」
「いいえ、言いそびれてしまって。 それに余計な心配かけたくないですし……。 ジャック、こちらはキースさんと言って、私を助けてくれた騎士様の同僚のかたです」
ソフィアは、ジャックにキースのことを紹介すると、入口の扉を開ける。
「キースさんもどうぞ。せっかくなので、中でお話しませんか」
「え、いいんすか?」
「ソフィアがいいと言っているので、僕は異存はありません」
「じゃ、お邪魔しまーす」