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辰哉Side
俺たちの計画はとても上手くいっている。
一般の人たちもメンバーたちも、みんなどんどん翔太に服従している。あー最っ高。早く全員翔太のものになればいいのに。
こちら側になったあべちゃんを翔太に引き渡してから、俺は康二とこの後の作戦について考え始めた。できれば多くの人が一斉にかかるような仕掛けをしたいところだけど。
あ、そーだ。
💜「ねえ康二、こういう仕掛けはどうかな?」
耳元で囁いた俺の案に、康二はにやりと笑った。
🧡「こんなもんでええかなー?」
💜「うん、めっちゃいいと思う!」
康二と協力して作り上げた、その名もマジックハンドボックス。中に入るとたくさんのマジックハンドが人を襲い、逃げる術もなく悪魔になってしまうという、実に恐ろしい仕掛けだ。
俺と康二の魔力でハンドを作り、ボックスは手作業。こういう作業にはあまり慣れてないから、つい半日もかけてしまった。
🧡「これで完成やな。一回試してみるー?」
💜「それじゃ、いくよ〜」
俺のかけ声と共にボックスを起動させる。中にいる俺たちに反応して、壁の隙間から手が出てくる。
🧡「おー!めっちゃええやん!」
💜「だろー?!やっぱ俺の考えるやつはすげえな」
🧡「自分で言うなや!」
翔太たちの力を借りずに自分たちで作り上げたことに誇りを感じていると、康二が肝心なことを教えてくれた。
🧡「……なあふっかさん。これ起動したんはええけど、俺らどうやって出るん?」
💜「…………あ。どうしよう」
🧡「え、ほんまに考えてなかったん?!」
💜「うっわほんとじゃん!どうしよう!!」
俺たちを悪魔だと判別できない手は、俺たちを引き摺り込もうと絶え間なく襲いかかってくる。外に出るためのドアもいらないと思って設計してないし……え、どうしよう。
🧡「うわあああ!!ふっかさんどうすんのーー!!」
💜「わっ、わかんねえよ俺も!!!」
🧡💜「「うわあああああ!!!!!」」
二人で散々パニックになった挙句、俺たちは康二の翼で外に飛び出し、苦労して作り上げたボックスを破壊したことでことなきを得た。
💜「……慣れないことはするもんじゃないね」
康二に空中で抱えられたまま、俺は言う。
🧡「……せやな。またしょっぴーに怒られてまうわ」
💜「ハメは外すなって言われてたのに。ほんと散々だよねー」
🧡「他人事みたいに言うなや……」
……俺たちの計画は、とても上手くいっている。はず。
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