テラーノベル
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#独占欲
#ワンナイトラブ
「……ねえ、陽一さん」
ベッドの上で、私は隣にいる陽一さんに距離を詰めた。
「あのね、久しぶりに――」
言いかけて、ちょっとだけ間を置く。
「ちょっとだけイチャイチャしたいな♡」
「……っ!?」
陽一さんの顔が、まるで時が止まったように驚きで固まった。
「い、いや……その、体調は?」
「大丈夫。今日はわりと調子いいから」
私は彼の首元に顔を埋め、強引に抱き着いた。
久しぶりの距離感と安心する匂い。「捕獲モード」全開で彼を独占しようとしたのだけれど――。
「うっ……。仰向けは苦しいし、横向きも微妙。……お腹、重すぎ」
「えっ、ちょっ……ひよりさん?」
私はそのまま、彼に体重を預けた。
「……抱き枕になって」
結果、陽一さんは、完全に私の“抱き枕”になった。
「ちょっと待って。これ僕の体勢おかしくない?」
「いいからじっとしてて」
もぞもぞと体勢を変え、楽な位置を探しつつ、私は彼にぴったりとくっついた。お腹が当たる。
その瞬間。
――ボコッ。
「あ、また動いた!」
***
初めて付き添った病院での検診。白黒のモニターに映し出された、たった数ミリの白い点。
それはまだ人の形すらしていなくて、命の不思議がぎゅっと詰まった、静かで尊い「丸」だった。僕たちは愛おしさを込めて、その子を『たまちゃん』と呼ぶことにした。
彼女がひどい吐き気と戦っている間も、『たまちゃん』は僕の心配をよそに、驚くべき生命力で育っていった。
数ヶ月後の健診。担当は、眩しいほどのキラキラオーラを放つ若手医師だった。しかも、彼女曰く「BLボイスドラマに使いたくなるような、極上の低音ボイス」の持ち主。
先生が「順調ですね」と囁くような声で言った、そのときだった。
ボコォッ!!
お腹が動いた、なんていう生ぬるい衝撃ではない。
それは、お腹を突き破ってでもイケメン(先生)を拝もうとするような、強い意志を持った「渾身の回し蹴り」だった。
(たまちゃん、落ち着いてくれ。君が出てくるのは、もう少し先だぞ……!)
コメント
1件
うわっ、たまちゃんまさかのイケメンチェック!?ww 抱き枕になっちゃう陽一さんの体勢おかしい感、めっちゃ伝わってきたし、検診でお腹に回し蹴りって最高に可愛い生命力だわ。 愛おしさと笑いがぎゅっとしてて、めちゃくちゃほっこりした🔥