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黒トカゲの感染によって意識が朦朧とし、今何をしてどんな状況かも分からない下落は、目の前を見る。その幻覚によって作り出された影や実態はお偉いさんになる前の自身の姿になった途端ふと思った……人はあまりに醜いものを見ると目を潰してしまいたくなるらしい。
下落「……」
その時の下落に湧き上がってきたのは、目の前のヤツに対する途方も無い嫌悪感であった。これは昔の自分じゃない。誰かが幻覚で誤魔化してる。そう理解できていても。
昔の自分はどうしようもないくらいの善人で、愛されたいがためになんでもした。殺しも繕うことも、行為ですらも。
目の前にいる昔の自分の姿をした男の持つ感情が、行動が、何もかもが、どうしようもなく下落の中の拒絶感を煽る。拗らせた劣等感に、分不相応の自尊心、自己保身の為に他者加害を肯定するその精神性。こんなものが同じ概念として存在していることに、あまつさえ側は自身であることに下落は心底絶望した。脳が、感情が、全てが、この男を知ることにこれ以上耐えられそうにない。五感の全てが拒絶感を強く訴える。
それ故に、下落は感情を制御しきれなかった。真後ろにはリドル・ローズハートがオーバーブロットした時と同じように、ブロットの化身が…自身の上司だった天使の気配がした。しかも周りの寮長と寮生たちはみんな警戒している
暗殺者「……あ」
下落と目が合うなり表情がみるみるうちに恐怖に染まっていく。それほどまでに下落が男へ向ける視線には強い嫌悪が浮かんでいた。
暗殺者「あ、あ……」
自分がどれだけ辛い目にあってきたか何かへの恨みなど、自身の闇の深さに過信していたのか。それを理解した男の顔はどんどん血の気を失って青白くなっていった。どうして下落がここまで怒るのか、男にはよく分からなかった。だが、それでも。この恐ろしいものの逆鱗に触れたことだけは、肌に突き刺さる殺気から嫌というほど理解できた。
男は何とか言い訳を捻り出そうと色を失ってわななく唇を動かした。
暗殺者「あ……、ち、ちが……」
下落「死ね」
それを容赦のない一言で遮ったのは下落であった。
暗殺者「ひっ……」
死刑宣告を受けた男の目からは、ぼろぼろと涙がこぼれ落ちた。ガチガチと奥歯がぶつかって惨めな音を立てる。周りのNRC生徒もいつもなら子供のようにあしらっていた下落の本気の怒りと殺気、オーバーブロットによって暗殺者への向けられるものの余波は食らっている
下落はそれを無視して言葉を続けた。
下落「死ね。消えろ。今すぐに」
暗殺者「ひ、い……」
下落「アンタの全てが目障り。耳障り。耐え難い」
暗殺者「い……嫌だ……たすけ……」
男は必死になって言い募るが、哀れっぽい態度は下落の怒りに油を注ぐだけであった。
下落「黙れ!」
下落が叫ぶのと同時。
男の腹の中心には黒い影出できた太い棘が突き刺さっていた。腹側から突き出た棘の先端からぽたぽたと血液が滴って足元を汚していく。
暗殺者「…………あ?」
ごぽ、と口から真っ赤な血を吐いた男は、一瞬、何が起きたのか分からないという呆けた声を出した。ごほっごほっと咳き込みながら恐る恐る自分の体を見下ろす。そこでようやく、自分の身に何が起きたのかを理解したようであった。
暗殺者「ぐっ、う、ア……アアアアア!!」
観客が避難した会場に男の絶叫が木霊する。
現状理解とともに遅れてやってきた痛みは、たちまち男の脳を苦痛一色に塗りつぶした。男は涙と血と唾を撒き散らしながら、痛い、痛い、痛い、と悲鳴の合間にただそれだけを訴える。
下落「煩い」
暗殺者「い、た……、ア……や……め……」
下落「煩い!!」
下落が怒鳴ると、今度は男の喉元から棘が突き出した。
下落「黙れ!!」
暗殺者「~~~~~~!!」
声を奪われた男は、悲鳴の代わりにおびただしい量の血液を口から撒き散らしながら悶絶した。増していくばかりの苦痛に折れた心が、惜しげのない醜態を下落やNRC生に晒す。
しかし、それは下落を満足させるどころか、むしろ際限の無い激情を駆り立てるばかりであった。
筆舌に尽くしがたい不快感が下落の顔を歪ませる。
これまで、下落は殺す相手の命乞いの表情も言葉も何度だって目にしてきた。だというのに、今、この男のそれだけが、下落にとってはどうしようもなく忌々しいものに見えていた。虫酸が走ると言い換えてもいい。
頭がズキズキと激しく痛む。
目の前が真っ赤に染まっていく。
思考は黒トカゲの幻覚によって嫌悪で冷えている一方、下落の腹の底では激情がマグマのように煮えたぎっていた
ぐつぐつと音を立てて煮える黒い感情が今にも噴火しそうで、下落は奥歯を強く噛みしめる。この何事かに対する強い感情の昂りこそが堕天の性質ではないかと、下落は遠くから自分を俯瞰して考えた。思うと同時、その思考では目の前の世界の禁忌を犯した何かと自分とを同類だと認めかねないということに気づき、さらなる嫌悪感に吐き気を催す。
下落 「死ね! 死ね! 死ね!!」
とにかく、この不快な何かをもう一時でも見ていたくなくて。
下落は早口で何度もそう捲し立てた。右手を痛い程に握りしめると、下落の意思に応じてオーバーブロットの化身が男を強く縛っていく。
ギリギリ、ミチミチ、と。
下落に応えて殺傷力を高めた化身は、男の四肢や首元、顔を凄まじい力で締め上げ、内へ内へと畳んでいった。肉片の一欠片だって残したくないという下落の殺意を宿らせた化身は、男の骨や臓器が壊れることを一切厭わず、ただただ淡々と男を圧力で潰していく。
そのうち、ボキボキ、ぐちゃぐちゃ、と。およそ人体からするはずの無い音が響いた。反するように男の呼気や気配は段々と薄れていく。
しかし、男の反応が完全に途切れても尚、下落の殺意は収まることはなかった。
もっと、もっと、もっと――。
殺意に塗れる脳が強く訴える。
もっと徹底的に。残虐に――!!
下落の膨張した殺意はいくら死体を痛めつけても、一向に萎む気配がなかった。
死して尚、消えない恐怖と苦痛を肉体にも刻みつけるよう、下落はひたすらに男の死体を殺意で潰し、幻覚によって見える昔の自身に対して大声で罵倒し、捏ね続ける。
圧縮して、圧縮して、圧縮して。
どれほどそうしていたであろうか。
気がつくとぴちゃぴちゃと赤い水滴の音しかしなくなった。
息を荒らげていた下落は落ち着こうとするがこの残骸は目に映るだけでも神経を逆撫でしてくる。
そう思った下落はオーバーブロットしているにも関わらず能力を使った。
下落「天の恵 地獄の罪人 ねぇ?みんなアタシと同じ目にあってよ 奈落の底」
男だったものは血液一滴も残らず黒い穴の中に落ちていった。しかし、下落やオーバーブロットの化身ごと奈落の闇は引きずり込もうとする
まずいと思ったのか、NRC生で化身と奈落の闇を攻撃し始めた。しかし、止まる気配がない。
その時監督生は思い出した。下落ともう1人のお偉いさん、自称おじさんからあるものを貰っていたことに監督生がその笛を吹くと、戦争に使う戦車や大砲、沢山の物騒な火薬などと一緒に1匹のフクロウが現れた
学園長「ギャー!物騒すぎますよ、なんですかこれ!!」
監督生「貴方がお偉いさんが信頼する助っ人ですか!」
セン「ホー…初めまして、ただいま百年戦争中です。センと申します。火薬や戦争に必要な兵器たちと共に召喚に応じてしまって申し訳ございません。置いていくとニンゲン達が勝手に使って百年で集結しそうな戦争が千年になってしまうかもしれなかったので仕方なく…あ、お嬢はストレス発散期間まで待てなかったのですね」
レオナ「助っ人っつうことは下落のこと止めれんのか!? 」
リドル「お願いします!下落を止めてください」
セン「おやおや?もしやオーバーブロットの化身はお嬢の世界の有名人でありながらお嬢の育て親のクソ上司上級天使ですかな?ぶっ飛ばしがいがありますね!」
下落のオバブロ化身「ぶっ殺すぞこのクソ妖精!」
セン「黙らっしゃい!クソ上級天使!人類の祖(笑)妖精は妖精でも貴方とは別世界で世界の核やってた魔王です」
下落「うるさい、全て叩き落とす」
その後をまとめるならば
“捻れた世界での五本指に入る妖精族次期当主なマレウス・ドラコニア”と
“別世界で世界の核だった妖精族で世界に恐れられる魔王をしていたママなセン”によって下落のオーバーブロットは終結した。ちなみにセンは仕事中に呼び出されたため迷おじさんに殴り込みに行った。
殴られた迷おじさんの感想は以下の通り
この時に下落ちゃんを信頼し過ぎて置いて行ったことは反省したけど後悔はしてないよ
ちなみにこのセリフを言い放ったおじさんはセンの自慢のフクロウの足の握力で頭を潰されかけた