「はぁ」
私はため息を着く。
何故かって?
そりゃ決まって……
私の名前は小倉琥珀(こぐら こはく)。
高校1年生。
私はいじめを受けている。
いわゆるいじめられっ子と言うやつだ。
何故いじめを受けてるかって?心当たりが少しある。多分部活が同じ先輩と仲良くしてたらクラスのリーダー格に目を付けられてそれ以来……って感じ。
それ以外は何も心当たりがない。
しかし、高校生にもなっていじめを受けるとは思ってもいなかった。
高校も周りより少し遠い高校に通ってるから昔からの友人的なものはいない。
そんなに人見知りという訳では無いが喋ることが得意な訳でもない。
そんな高校1年生。
〜学校〜
私は家が遠いのもあっていつも遅めに来る。
しかしそれが良くないのかいつも何かしらされている。教室では無視をされる。
クラスの皆はいじめられるのが怖いから無視をする。担任もそうだ、大事にはしたくないから隠し通してる。
琥「うわ……」
下駄箱を開けると画鋲が靴に仕込まれていた。
何故かうちの学校は鍵付きなのに開けられてる。多分複製したのだろうか。
まだこれはいい方だ。
靴を隠されることもあるし鍵を盗まれて帰れなくなった時もあった。
画鋲は捨てればいいだけだからまだありがたい。
〜教室〜
当然のごとく私が入っても無反応だ。
まずは自分の机を確認する。窓側の前から5列目だ。明らかに陰キャ専用と言わんばかりの席だが、これは席替えの際にいじめっ子に仕掛けられたからだ。これでいじめがしやすくなるんだろう。
琥(やっぱり……)
机を見ると当然のように落書きされたりしている。
高校生にもなってこんないじめをするとはと最初は思っていたが意外と消すのも面倒だし結構心にくる。
右後ろのロッカーからくすくす笑い声が聞こえる。
琥(ああ、本当嫌になる。)
そろそろホームルームが始まる頃ようやく机を拭き終えて先生が入ってくる。
何も出来ない先生、今となっては呆れているが最初のうちは本当に最悪な気分だった。
授業中は、唯一何も気にせずに過ごせる。
たまに消しカスやらなんやらが飛んでくるがそんなに気にしない。スルースキルが身についたようだ。
弁当は基本的に屋上で食べる。
最近は日が強くなり普段のカップルスポットは一変、私だけが使える空間が出来上がった。
暑いがそれに耐えるだけでいいならいじめよりはマシだ。
幸いいじめっ子たちはいないので天国のような場所だ。
しかし、昼も終わりトイレに行くと案の定上から水が降ってきた。
いつもの事だから着替えは持ってきている。
最近はやけにいじめが酷い。
授業中も終わり、これから部活、しかしいじめっ子たちに呼び出された。
なんだろう、今日は何か受けるのだろうか。
人気の無い建物裏でいじめっ子五六人が待っていた。
早速取り囲まれると。
「最近調子乗ってるよね?また先輩に付きまとってキモイんだけど」
「バシッ」
早速蹴りを入れられる。
琥「ちょ、ちょっと待って、私はなにもしてない」
そう訴えかけると。
「は?先輩が近くにいるからって嘘つくんじゃねーぞ」
「バシッ」
もう1発食らった。
「やれ」
その合図とともに私はボコボコにされた。
数分していじめっ子達が去っていくとそこに残ったのは傷だらけで立ち上がることも出来ない私だった。
琥「い、痛い……」
丸まって唸る私。
ここは特に人通りも少ない。私は自力で帰るしか無かった。
そのまま倒れ込んでいると誰かの歩く音が聞こえて来た。
琥(先生ならやだな……)
そんなことを考えながらどうすることも出来ずに待っていると。
「琥珀?」
その人が呟いた。
来た人は私の部活の先輩。
今回いじめになった理由もこの先輩のせいだ。
輩「琥珀、ここで何してんの?」
気力もなくただ横になってる私を見て先輩はそう言った。
琥「先輩こそ何してるんですか?」
いじめられてんなんて気づかれたら正義感の強い先輩だ。ましてや何をしでかすか分からない。とりあえず隠そうと話の話題を逸らしたいところだ。
輩「お前がいなかったから探してたんだよ。いつも真面目に来てるのに、今日だけいないから」
琥「そ、そうでしたか……大丈夫なので先行っててください」
とりあえず離れて欲しい、この場を見られたら余計いじめられるだろうから。
輩「どう考えても大丈夫じゃないだろ、ほらとりあえず起き上がりな」
先輩は手を差し伸べた。
琥「んっ」
先輩の手を掴み起き上がる。
足がところどころ痛い。
輩「いじめられてるのか?」
その言葉にギクッとなった。
琥「違います……」
輩「そうか、もしなんかあったら言えよ、今日は部活できなさそうだから顧問に言っとくよ、休んどけよ」
先輩はそう言い残しその場を去った。
私は足を引きずりながら家に帰った
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