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ほっかい広産🧂
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#オリジナル
ゆいらーめん
743
「へへっ、そっか」
良かったらしい。
「お兄さんこっち。蜜なんか塗らなくてもでかいのがいるとこ、あたし知ってるんだ」
「へ〜どこ?」
「こっちこっち!」
みんなが見ている木から離れて校舎の横に向かっている?
向こうの木では「いたいた!でも小さいな」と騒ぐ声が聞こえる。
「この木?」
「ううん。真っ直ぐ行っちゃうと颯太にバレちゃうからここはフェイント(笑)」
蜜を塗ったという木が不発だったようで、みんな思い思いの木に散り始めた。
「行こう!」すすっと校舎裏へ移動する。
「その木の上なんだけど…今日はいるかな?」
上…上?あっ
「あそこ?あれがそう?」
黒いのが見える。何かが何匹か集まっている。
樹液を舐めてるんだ。
「あっ、だめだ…」
「え?あんなにいるのに?」
「お兄さん見えないか…あれ小さいクワガタとちょうちょと…残りは全部ゴキブリだよ」
ゴキブリ!?
「あんなの枝ではたき落としたらサイアクだよ(笑)」
恐ろしい…
「まだ時間も早いからこの木の下を探してみよう!」
やよいちゃんは枝を拾うと木の下の落ち葉を払い始める。
「あっ、いた。そこのは?…ゴキブリ?」
「違う!ノコ!」
ばっ、としゃがみ込み素手で捕まえる。
ほら、と見せてくれた。長い2本の角?牙?が立派な、 クワガタって感じの虫。
「大きいね。ノコって名前?」
「ノコギリクワガタ!ほんとに知らないんだ」
図鑑で見たことはある、と思うけど、僕が子供の頃に何度か迷い出てきたクワガタはこんなに角は長くなかった。
それを伝えると
「ふーん、コクワとかかな?」わかるんだ。
「お兄さんやっぱり慣れてないんだね」
「うん。なんでわかるの?」
「大地とか颯太なら、見たらすぐ触ろうとしてくるもん(笑)」
「なるほど(笑)ん?しずくちゃんとモエちゃんは?」
「二人は…最近は虫採りは来るけど、見てるだけになった」少し寂しそう?
「そうなんだ」
「…やっぱり女なのに虫とか…変なのかな?」
「え…?」
「あたし、しずくちゃんとかモエちゃんみたいじゃないし…颯太はあたしのこと男だって言うし」
「そんなことないよ。好きな格好して好きな遊びをしていいんだよ。颯太にはあとで言っておくから」
「ほんと?」
「うん。自由なんだからさ。やよいちゃんはやよいちゃんのままでいいんだよ」
「いいんだ…そっか、ありがとう」
「颯太、言ってたよ。オニごっことか、やよいちゃん、すごく速いって」
「へへっ、うん。あたし、速いよ!」
遊びは男の子に混ざって、でも性別では女の子で、やよいちゃんもこんなに小さいのに悩みがあるんだな。
「でもちょっとだけど胸が大きくなってきて…しずくちゃんみたいになったら走るのに邪魔になるかな?」
やよいちゃんは自分の両胸をさする。
え!?…確かにふよふよと動いている。
「そ、それは…どうかな…?わかんないや」
「あっ見てもわかんないよね。ほらここ」
えっ?やよいちゃんは僕の手を取ると自らの胸に当てる。
「どう?わかる?」
僕の知ってる唯一の記憶と比べるとそうでもないけど…いや!何普通に触ってんだ!?僕!
…でもやよいちゃんは気にしてないみたい?
「う〜ん…その、大きくなる前を知らないからなんとも…」普通に答えてしまった。
「あっ、そっか!それもそうだね!(笑)」
慌ててるのを気付かれないようにそっと手を離す。どうかな?不自然じゃなかったかな
コメント
1件
読了しました!第6話、夏の日の虫取りがすごく鮮やかで、子どもの頃の空気感が蘇ってきました。 やよいちゃんが「女の子なのに虫取りしてていいのかな」って不安をぽろりとこぼすところ、胸がぎゅっとなりましたね。でも「好きな格好して好きな遊びをしていいんだよ」って返す主人公の言葉が優しくて…。最後の胸を触らせるシーンにはちょっとどきっとしちゃいましたが(笑)、二人の距離感が自然に描かれていて、この先どうなるのか気になります! 「ノコギリクワガタ」と「ゴキブリ」の違いをちゃんと説明するあたり、やよいちゃんの詳しさが伝わってきて素敵でした。