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年下の可愛さだったり、かと思えば大人びた男性の色気を感じさせられたり、彼のその時々に見せる、様々な表情は、
魅力的で、引き込まれずにはいられないくらい、
ただただ、私には愛おしかった。
「……カイト、もう私よりキスうまくなったでしょ…?」
「……ミクからの、キスがいい……。……してよ? 俺に……」
ねだるように寄せられる唇に、最初はそっと柔らかに触れて、
舌と上唇で挟むようにして、深く口づけると、
「ん…くっ、……やっぱり、ミクルのキスが、いい……好き」
濡れそぼった半開きの唇で、
「もっと俺に、キスして……足らない、まだ……」
低くひそめた声音で、私にせがんだ。
「……カイトからも、してよ……ねぇ?」
彼の目の前で目蓋を閉じて見せる。
するとぎこちなく唇が重なり、そこからどうしたらいいのかを困っているかのように、また離れてはを何度かくり返して、しまいには、キスをためらいやめてしまった。
「……もう、うまくなったはずでしょ?」
再び目を開けると、
「……眠くなって……俺もう……」
私の胸にふっと頭をもたせかけた。
(眠気に負けて、あんないたいけなキスになっていて……)そう感じたら、クスリと笑いが漏れた。
そう言えば、キスの最中にこんな風に寝られたことは、前にもあったっけ……と、思い出す。
「……カイト、寝るなら、ベッドでちゃんと寝なってば……」
「ん…ここがいい……おまえのあったかい腕の中が……」
私の胸に身体を預けて、すぅーすぅーと寝息を立て出すカイトを、
「もう、しょうがないな…」
と、しっかりと抱え直して、
「しょうがないんだから、もう本当に……」
たまらない愛おしさに、思わず笑みがこぼれるまま、その寝顔にそっとキスをした……。