テラーノベル
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真剣に考えて黙り込んでいると、静まり返る食堂の中で子犬に話しかけるアレンの声だけが小さく聞こえてきた。
「姫様、あちらの女性はゼンティ様専用の嗜好品です。味見してはいけません」
話の内容はともかく、アレンは子犬と会話ができるらしい。魔物どうしだから当然かもしれない。
「アレンさんは姫様って呼んでるから、名前はヒメで……どうかな」
リィラの安直な案だったが、これならアレンも呼び方を変えずに済む。
意外とゼンティはその名が気に入ったようで、素直に喜んでいる。
「いいね、それ! 可愛い! 妹の名前はヒメにするよ!」
もはやゼンティが可愛い。本当に彼も魔物なのだろうか。
夕食が終わるとリィラは大浴場に連れて行かれて、3人のメイドたちの手によって綺麗に全身を洗われた。
入浴が終わると寝間着を着せられて、そのままゼンティの自室へと連れていかれた。
この流れは……どう考えてもアレだった。
「待ってたよ、リィラちゃん。ふふ、綺麗になったね」
銀色のキングザイズのベッドに敷かれた純白のシーツの上で、ゼンティは肘をついて寝ながら微笑んでいる。
真っ白なシャツの前ボタンをいくつか外した胸元の色気も含め、彼の全てが息を呑むほどに美しい。
だが、リィラはゼンティのベッドの前に立ち尽くして両手の拳を握りしめている。
「なんか、全身を綺麗に洗われて……こんな服着せられて……なんなの?」
リィラが着ている寝間着は純白のキャミソールワンピースで、肩から胸元までの肌を露出している。しかも薄いシルク素材で下着と変わらない。
これは、どう考えても夜伽。ご奉仕しろという事だろう。
「僕とお揃いで白が似合うね。リィラちゃんの紫の髪がよく映える。綺麗だよ」
この魔物は家畜にも口説くのだろうか。センティの人格と笑顔を駆使するのは卑怯だとリィラは強く思う。
「さぁ、僕のリィラちゃん。美味しく食べてあげるから、こっちにおいで」
それはどっちの意味なのだろうか。単純に餌として食べられると分かっていても、どこか淡い期待をしてしまうのが悲しい。
赤い瞳の魔力に吸い寄せられるようにしてベッドに近付けば、すぐに片腕を掴まれて強引に引き寄せられる。
バランスを崩してゼンティの正面に倒れこむと、すかさず口に封をされてしまう。
「んっ……ふ……」
昼間と同じ感覚。ゼンティに口内を荒らされて、唾液と体内の毒素を吸い上げられていく。
抵抗しても無駄だから、せめて現実から目を逸らそうとして目を閉じるが、余計に水音と吐息と唇の熱を感じてしまう。
この行為に依存性でもあるのか、リィラの身体は二度目にして彼の吸引に嫌悪を感じなくなった。
「……ごちそうさま。美味しかったよ。リィラちゃんの味は最高だね」
いつ唇が離されたのか気付かなかったくらいに、リィラもゼンティの味に夢中になっていた。その事に気付いて頬を赤らめた時には、もう遅い。
ゼンティは自身の唇を指先で軽く拭うと、リィラの体を背中からベッドに押し倒した。彼の力が強いのではない。毒を奪われた直後のリィラは体に力が入らない。
「さ、ここからが本番。この体に慣れてないけど、なるべく優しくするからね」
優しく微笑みながら、ゼンティは野生的な赤の瞳でリィラの体すらも捕食しようとしている。
……センティの命を奪われて、自由を奪われて、毒を奪われて。なぜ、憎い魔物に純潔まで奪われるのだろうか。
今日は一度に多くの事が起こりすぎて頭の整理なんてできない。なのに、ゼンティの魔力に支配されたのか嫌悪感だけはない。
戸惑いと恐怖で毒の涙を流せば、それは格好の餌食となってゼンティの舌で舐め取られる。
「あぁ、美味しい。リィラちゃんの体はもっと美味しいだろうね」
花の蜜を吸うように、甘く激しく味わいながら。
今宵、獣魔王ゼンティは、リィラという純潔の花を貪るようにして食らい尽くす。
#転生?
さっぴー
111
百はな🍑
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コメント
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みぅです🤍🥀 第6話、読ませていただきました。 アレン、子犬と会話できるんだ…!魔物同士だからか、なんかほっこりした。ヒメって名前、めっちゃ可愛いし、ゼンティがそれに喜んでるところも意外な一面で好き。 でもラスト…リィラの戸惑いと、自分でも気づかないうちにゼンティに惹かれていく感覚、すごく伝わってきた。嫌悪感がないって描写が逆に切なくて、胸がぎゅっとなる。優しいけど野生的なゼンティの魅力、ほんとにずるいよ…! 次が気になる〜!🌙