テラーノベル
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11話目もよろしくお願いします!
スタートヽ(*^ω^*)ノ
「初めてのキス」
レトルトが学校の裏門に着くと、キヨは既に到着していた。
木の影からひょこっと顔を出し、
『レトさん、こっちこっち』
と小さな声で手を振る。
レトルトは嬉しそうに駆け寄り、キヨの隣に自転車を止めた。
夜の学校は昼間と違って不気味なほど静かだった。
昼間は生徒達の声で賑やかな校舎も、今は黒い影のように闇の中に立っている。
風が吹くたびに木々がざわりと揺れ、どこかの窓がカタリと音を立てた。
校舎の奥は真っ暗で、まるで何かが潜んでいる様だった。
二人は校門をよじ登り、学校の中へと入った。
ガシャンーー
着地した音が夜の校庭に響く。
昼間は何とも思わない景色なのに、夜になるだけでまるで別の場所の様だった。
校舎は真っ暗。
窓ガラスには月明かりが反射している。
自然と二人の会話も少なくなり 足音だけがやけに大きく聞こえた。
その時、 レトルトがふと足を止める。
「……なぁ」
『ん?』
「今、あそこ誰かおらんかった?」
レトルトが校舎の方を指差した。
キヨはビクッと肩を揺らす。
『は!?どこ!?』
思わず大きな声が出た。
レトルトは吹き出す。
「いや、キヨくんめっちゃビビってるやん」
『べ、別にビビってねーよ!』
キヨは慌てて言い返した。
『確認しようとしただけだし!』
「へぇ〜?」
『本当だし!』
キヨは強がるように言い返した。
『俺、全然怖くねーし』
そう言った瞬間、 カタンと どこかで音が鳴った。
『うわっ!?』
キヨは反射的にレトルトの腕を掴んだ。
数秒の沈黙。
そしてレトルトが笑いを堪える様に肩を震わせる。
「キヨくん」
『……なに』
「腕」
『……!?』
キヨは無言で手を離した。
『だからビビってねーって!』
「はいはい」
レトルトは笑いながら先へ進む。
その後ろを、キヨは少しだけレトルトとの距離を縮めて歩いた。
校舎の影を抜けると、視界がぱっと開けた。
そこは誰もいないプール。
昼間は生徒達の声で賑わう場所なのに、今は静寂に包まれている。
二人は思わず足を止めた。
月明かりを映した水面が、ゆらゆらと静かに揺れている。
まるで夜空の欠片を閉じ込めた様だった。
プールサイドに並ぶ白い柵も、青い水面も、昼間とは全く違う姿をしている。
風が吹くたびに水面がきらめき、砕けた星が漂っているように見えた。
#top4
せきこみごはん
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#BL
魑魅魍魎
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#kyrt
魑魅魍魎
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聞こえるのは、水が揺れる微かな音だけ。
学校の中にいるはずなのに、どこか別の世界へ迷い込んでしまったような不思議な感覚。
「……綺麗」
レトルトが小さく呟く。
その声さえ、この静かな世界に溶けていくようだった。
キヨも思わず息を呑む。
何度も見ているはずのプールなのに、 今だけは誰にも見つかっていない秘密の場所みたいに見えた。
さっきまで怖がっていたキヨのテンションが、プールを見た瞬間に一気に跳ね上がった。
『ひょーー!!』
夜のプールにキヨの声が響く。
『貸切じゃん!』
キヨは満面の笑みで振り返った。
『レトさん!入ろーぜ!』
そう言うが早いか、キヨはプールサイドを駆け出す。
「ちょっ――」
レトルトが止める間もなかった。
ザブンッ!!
大きな水音が夜の静寂を破る。
キヨの姿が水の中へ消えた。
数秒後、
『ぷはっ!』
勢いよく水面にキヨが顔を出す。
濡れた前髪をかき上げながら、キヨは楽しそうに笑った。
『気持ちいいーー!!』
月明かりを受けて水しぶきがきらきらと光る。
昼間の太陽で温められた水は、まるで温水みたいに 熱った体を優しく冷やしてくれる。
『レトさん!はやく来いよ!』
キヨは両手で水を掻きながら無邪気な笑顔で叫ぶ。
キヨに呼ばれ、レトルトもプールサイドへ近付いた。
月明かりを映す水面を見ながら、ゆっくり入ろうと身をかがめる。
その瞬間だった。
『レトさーん!』
近付いてきたキヨが、レトルトの手を掴む。
「え?」
ぐいっーー
思った以上の力で引っ張られ、レトルトはバランスを崩した。
「ちょっ――!」
ザバーーーン!!
大きな水音を立てて、レトルトはそのままプールへ落ちた。
突然のことで心臓が飛び出そうだった。
数秒後
「ぷはっ!」
水面から顔を出したレトルトの 髪からはぽたぽたと水滴が落ちていた。
「お前!!引っ張んなよー!」
レトルトの叫び声が夜のプールに声が響く。
すると目の前の犯人は、
『ははははは!!』
と腹を抱えて笑っていた。
『レトさん、びっしゃびしゃじゃん』
「キヨくんが落としたからやろ!」
ケラケラ笑うキヨの顔に 反省の色は一切ない。
レトルトは呆れながら水を払う。
すると、 バシャッ!
キヨが水をかけてきた。
「うわっ!」
『へへへ!』
楽しそうな笑顔。
「なぁなぁ、キヨくん」
レトルトは普段出さない様な優しい声音でキヨを呼んだ。
『ん?』
レトルトはニヤリと笑った。
(引っかかったな)
そして、 思い切り両手で水を掬う。
『うわっ!?』
バシャーー
今度はキヨがずぶ濡れになった。
『え!?レトさん!?』
「仕返しや!」
『騙したなーーー!!!』
夜のプールに二人の笑い声が響いた。
洋服のままプールでバシャバシャとはしゃぐ二人の声は、静かな学校中に響いていた。
『待てーー!!レトルトーー!!』
キヨが水を蹴って追いかける。
『沈めてやるーー!!』
「やれるもんならやってみろーー!!」
レトルトも負けじと逃げ回る。
バシャッ!
バシャバシャッ!
水しぶきが月明かりを反射してきらきらと舞う。
キヨは勢いよく水中に潜った。
「うわっ、キヨくんどこ行った!?」
レトルトが辺りを見回す。
次の瞬間。
ガシッ!
「うわぁああ!!」
水中から現れたキヨがレトルトの足首を掴んだ。
『捕まえたーー!!』
「やめろや!!」
レトルトは慌ててキヨの肩を押す。
しかしキヨは楽しそうに笑いながら引っ張る。
『沈めーー!!』
「絶対嫌やーー!!」
今度はレトルトがキヨの頭を押さえる。
『ぶはっ!』
顔を上げたキヨが大声を出した。
『レトさんずるい!』
「先にやったのお前やろ!」
二人は顔を見合わせる。
そして同時に吹き出した。
『「ははははは!!」』
夜のプールに笑い声が響く。
もう忍び込んだことも、 見つかったら怒られることも 全部忘れていた。
ただ目の前にいる相手と遊ぶのが楽しくて
子供みたいに笑って はしゃいでいた。
「ははは!もー!!キヨくん!!」
笑いながら顔を上げたレトルトの髪から、水滴がぽたりと落ちる。
月明かりを受けたそれは、小さな宝石みたいにきらりと光った。
濡れた前髪が額に張り付き、頬を伝う水滴が首筋へと流れていく。
夜のプールに 揺れる月の光。
その中にいるレトルトは、さっきまで一緒に騒いでいたいつものレトルトとは少し違って見えた。
(レトさん…. 綺麗だ….)
キヨの胸がどくりと大きく鳴る。
『……』
気付けば笑い声が止まっていた。
ごくりと 無意識に喉が鳴る。
レトルトはそんなキヨの視線に気付かず、顔についた水を手で拭っていた。
「キヨくん?」
不思議そうに首を傾げるその仕草さえ可愛くて キヨは思わず視線を逸らした。
心臓がうるさい。
さっきまで散々一緒に笑っていたのに 今はなぜかレトルトの顔をまともに見られなかった。
『……レトさん』
キヨは小さく名前を呼んだ。
その声は、自分でも驚くくらい優しかった。
レトルトもその声に反応する。
気付けば二人は自然と手を取り合っていた。
顔を上げれば、息がかかるほど近い距離。
水面が揺れるたび、月の光が二人の間で反射する。
『レトさん、綺麗だ』
キヨはぼそっと呟いた。
レトルトは一瞬目を見開き、恥ずかしそうに視線を逸らす。
「な、何言ってんの……」
耳まで真っ赤だった。
そんな反応を見て、キヨの胸がぎゅっと締め付けられる。
レトルトの濡れた髪。
月明かりに照らされた横顔。
少し困ったように笑う表情。
今は全部が特別に見える。
『レトさん』
キヨが名前を呼ぶ。
「ん?」
レトルトがゆっくり顔を上げた。
視線がぶつかる。
ーそして、レトルトは目を閉じたー
ちゅ。
2人の唇が静かに重なった。
濡れた唇はひんやりとしていて、それなのに触れた場所からじわりと熱が広がっていく。
薄く開いた瞼の向こうで、キヨの視線とぶつかった。
息をすることさえ忘れそうなほど真っ直ぐな眼差しにレトルトの 胸の奥が小さく揺れる。
導かれるように、もう一度目を閉じた。
再び重なった唇は、先ほどとは違っていた。
確かめるように、 愛おしむように。
少しだけ角度を変え、柔らかく触れ合う。
唇が離れては重なり、そのたびにかすかな水音が響く。
触れているだけなのに、心まで見透かされてしまいそうだった。
キヨの指先がそっとレトルトの頬をなぞる。
大切なものを扱うような優しい手。
唇が重なるたびに、言葉では伝えきれない想いだけが静かに積み重なっていった。
キヨの額がこつりと触れる。
近すぎる距離に、思わず息を飲んだ。
『……レトさん』
呼ばれただけなのに、胸が苦しくなる。
いつもはあんなに騒がしいくせに、 こういう時だけ優しい声を出す。
キヨがレトルトをぐっと引き寄せた。
どくん。
どくん。
まるで二人の心臓が同じリズムを刻んでいるみたいで、レトルトは思わず目を伏せる。
何度も唇を重ねる。
言葉を交わさなくても、伝わるものがあった。
キヨの指先がそっと耳に触れる。
優しくなぞるような仕草に、レトルトの肩がびくりと震えた。
「……っ/////」
小さく息を呑む。
そんな反応を見て、キヨが楽しそうに目を細めた。
『レトさん….好きだ』
キヨは額をこつりと寄せると、小さく笑った。
その言葉にレトルトの頬がまた赤くなった。
夜のプール。
誰もいない学校。
二人だけの秘密の時間。
レトルトは恥ずかしそうに笑いながら、小さく呟く。
「……俺も….好き」
その一言に、キヨは嬉しそうに目を細めた。
続く
コメント
12件
私も好き…🤦🏻♀️🤦🏻♀️🤦🏻♀️

うわぁぁぁぁぁ゛!!!!! つ、つつつ、ついに、!!! 𝑲𝑰𝑺𝑺……!?!?!?!? あらヤダもう何よ可愛いわね🙈💕 まじで最高𝑳𝑶𝑽𝑬……雰囲気エモすぎてまじで好きだわ 次も楽しみ!!!正座待機してる👍
はる。です! 第11話「初めてのキス」、めっちゃ良かった…! 夜の学校に忍び込んでプールで遊ぶっていう、それだけで青春の非日常感がやばいのに、水しぶきとか月明かりの描写が綺麗で情景が目に浮かんだわ。 キヨがレトルトのこと「綺麗だ」って呟くシーン、あそこから空気が一気に変わったのが伝わってきてドキドキした。 そしてキス…自然な流れだったし、何より二人の距離の詰め方が優しくてエモかった! 続きも待ってるね🔥