神隠し

楓は、その戦いの中で奇妙な感覚に包まれていた。目の前に広がる別次元のような空間。少女との戦闘が続く中、楓は彼女が放つ結界の強大さに苦しみながらも必死で戦っていた。しかし、徐々にその力に圧倒され、ついには身動きが取れなくなった。

「なんで…？こんなもの、私にできるわけがない！」楓は叫んだ。少女が放つ「神隠しの庭」の結界に捕らえられ、足元に足りない力を感じていた。しかし、目の前でその少女が倒れるのを見た瞬間、何かが変わった。

少女の身体が静かに崩れ落ち、最後の言葉を発することなく息を引き取った。その直後、楓は強烈なエネルギーを感じ、まるで何かが自分の体内に流れ込んでくるのを感じた。

「これは…？」楓はその変化に驚き、目を見開く。

少女の「神隠しの庭」という異能が、楓に引き継がれたのだ。少女の力が楓に譲渡され、その瞬間、楓の目の前に新たな結界が現れる。

その結界は、ただの閉じ込めの空間ではなかった。楓はその結界が持つ力を理解するのに時間はかからなかった。この結界は、「童貞」や「処女」だけを閉じ込める特別な力を持っており、楓自身がその力を操ることができるようになったのだ。

「これが…私の力？」楓は困惑しながらも、自分の手を見つめた。まるで異次元の力を握っているかのような感覚が体中に広がり、これまでに感じたことのないような圧力が体を包み込んだ。

その力を使うためには、慎重に扱わなければならない。楓は、翔と一緒にいることを思い出し、彼のためにこの力をどう使うべきかを考えた。

しかし、状況はさらに悪化していく。楓がその力を手に入れた直後、少女の死が引き金となり、結界の影響が周囲にも広がり始めた。翔が瀕死の状態にあることを知った楓は、すぐに彼のもとへ向かう決意を固めた。

「翔…必ず、助ける…」楓は新たに手に入れた力を握りしめ、深い決意を胸に、少女の死から引き継いだ「神隠しの庭」の力を操る準備を整えた。

そして、翔のもとへと向かうのだった。