🖤side
🖤「どうぞ」
🤎「お邪魔します…」
俺の部屋にお柴がいていいのか……と自分を疑い
すっかり見とれていた。
🤎「何しよ…グラタン好きよね?」
🖤「え、うん…」
🤎「わかった。作るからまってて。」
🤎「…どこで」
🖤「ん、ソファでいいよ」
男になるからかも知れないけど、男らしさが少しだけ出てきた気がする。
お柴が男になりたいことを俺が知っていること
お柴は分からないと思う。
🤎「できたよー!」
🖤「うん…」
🤎「めめ?」
🖤「ん?」
🤎「…まだ体調悪いんじゃないの?」
🖤「ううん。大丈夫。」
自分でもう区切りをつけなきゃ
大丈夫。
🖤「いただきます。」
🤎「どーぞ!」
🤎「私はメイク落としてくるね。洗面台借りまーす!」
と立ち上がって洗面台の方に行った。
それは嘘。
お柴は今日メイクをしていない。
きっと、ホルモン注射だと思う。
🤎「ふぅー、すっきり。」
🖤「ねぇ、」
🤎「ん?」
🖤「今のホルモン注射でしょ」
🤎「……なんで知ってるの?」
🖤「俺さ、聞いちゃったんだよね。康二と今後のことについて話してるの。」
🖤「男になることは否定しないけど」
🖤「昔からのファンは、受け入れられない自分が嫌になる。」
🤎「……」
🖤「男になったら、どっちをすきになるの?」
これは自分が1番気になること。
男だったら、きっとチャンスはあると思う。
🤎「男。」
🖤「え?」
🤎「性格の違和感は自分だけ。恋愛に関しては変わらないよ。」
🖤「ほんと?」
🤎「……でもそうだよね。推しの性別が変わっちゃうんだもん。辛いよ。」
🖤「……」
🤎「でもね、男になってもずーっと好きでいてくれるなら」
🤎「私は嬉しいかな」
🖤「グラタン美味しかった。ありがとう。」
🤎「ほんと!?嬉しい!」
🖤「いきなりごめんね。モヤモヤしてたからさ。」
🤎「いいよいいよ笑 話聞いてくれてありがとう。」
🤎「私もモヤモヤしてたな…笑」
この時、俺はずっと止めていたブレーキがきかなくなった。
🖤「お柴…いや」
🤎「…?」
🖤「美亜」
🤎「……!?」
もう、今しかない。
🖤「嫌われる覚悟で言います。」
🤎「ん?」
🖤「女の子の美亜はもうあと少ししかない。」
🤎「そうだね…」
🖤「最後に抱かせて。」
🤎「………いいよ。」
🤎「……女の子として生きるの幸せだったな。」
🖤「ん?」
🤎「楽しかった。」
🤎「1番最後に濃い思い出残してくれてありがとう。」
🖤「ほぼ強引だけどね。」
🤎「……それでもいい。」
俺は美亜を優しく、ゆっくり抱いた。
抵抗もなく、全て受け入れてくれて、俺のものにしたいと強く願った。
🤎「私ね、男になったら名前変えるんだ。」
🖤「うん…」
🤎「それで、名前を“れあ”にしたいの。」
🖤「なんで?」
🤎「康二に打ち明けたの。全部。」
🤎「多分その時に聞いたんじゃないかな。男になったら名前どうするのって。」
そういう事か…
🤎「康二とは、私が事務所に入った時から、付き合ってて……」
🖤「そうなんだ。康二優しかった?」
🤎「…うん。SnowManになる時に別れちゃったけどね。」
🖤「今でも康二のこと好き?」
🤎「好きだけど……」
🤎「ごめんね、好きな人の恋バナ聞かされちゃって。」
🖤「いいよ。メンバーだもん。」
🤎「でも、多分今までで1番かもしれない。」
🖤「ん?」
🤎「苦しくも幸せな恋愛できたの。」
🖤「康二と?」
🤎「………うん」
違う。 これは俺の事。
美亜は俺の気持ちに答えようとしているけど、康二がいるから答えられない。
これは、俺から身を引いて美亜を見守るしかない。
🤎「でも、まだ好き。」
🖤「誰が?」
🤎「私が最低な人であることはわかってて?」
🤎「康二と蓮。私が好きな人。」
俺は美亜を抱きしめた。
🖤「俺のことは康二に託す。幸せになれよ。」
胸と肩の辺りに少し違和感を感じる。
🤎「………」
美亜は泣いていた。
今までにないくらい、強く抱き締めてきた。
🖤「康二に思い伝えなよ。」
🤎「……蓮は?寂しくならない?」
🖤「俺はいいから…」
🤎「よくない。」
🤎「お願い。もう少しこのままでいさせて。すごく苦しい。」
俺は美亜を押し倒した。
🖤「この方がラクだよ。」
🤎「……」
🖤「安心するまで、一緒にいてあげるから。」
🤎「明日は仕事?」
🖤「オフだよ。」
🤎「……ごめんね。色々辛いよね。」
🖤「辛いのは美亜でしょ。」
それからずっと
美亜は俺の腕の中で静かに泣いていた。
俺を苦しくさせたくない美亜と
美亜に新しい方に進んで欲しい俺
何が正解なんだろう。
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