「どうせならTバックにすれば良かったのに」
彼はそう言って、下着越しにフッと私の秘部に息を吹きかけてきた。
「やぁ……っ、ん……っ、は、恥ずかしくて……、無理……っ。モソモソしそうだし……」
立とうとしたけれど、尊さんに腰を抱え込まれ、彼の膝の上に座ってしまう。
「柔らかくて気持ちいい……」
後ろから抱き締めた尊さんは私の耳元で呟き、下着越しにモニュモニュと胸を揉み、剥き出しの肩にキスをしてきた。
「……お前、体熱いな。飲み過ぎてないか?」
ドッドッドッ……と胸が高鳴っているのは、お酒だけのせいではない。
「子供体温なんです」
照れ隠しにふざけると、私を抱き締めている尊さんが、無言で笑ったのが振動で分かった。
「俺がロリコンになるだろうが」
「見境なさそう」
憎まれ口を叩くと、ムニュッと胸を揉まれた。
「ふざけんなよ。俺は昔から色気のある女にしか欲情しなかった。それにガキはこんなでけぇ胸をしてないだろ」
尊さんはチュッチュッと私の肩や首筋にキスをし、時おり甘噛みしてくる。
「……し、下着見るんでしょう?」
そう言うと、尊さんは私を解放してくれた。
「……ど、どう……、ですか?」
私は彼から少し距離をとり、お腹を引っ込めて胸を張る。
「今さら腹引っ込めるなよ。お前の腹の柔らかさは評価してるんだから」
「ギルティ!!」
カーッと赤面した私は、尊さんに飛びかかってポカポカ殴る。
「っはは、怒るなよ。可愛いって。今日のために着てくれたんだな。すげぇ嬉しい」
尊さんは私を抱き締め、ソファの上に押し倒し、魅惑的に笑ってからチュッとキスをしてきた。
「うぅ……」
せめてもの抵抗で睨むと、尊さんはネクタイを緩めながら、捕食者のように私を見下ろして悠然と笑う。
彼は悪い顔をして笑っていたけれど、不意に優しい表情になると、私の頭を撫でてきた。
「……今日は大丈夫か?」
尋ねられて、前回は途中で終わってしまったのを思い出した。
「平気です。……先日はすみませんでした」
「気にすんなよ。死ぬ訳じゃねぇし」
笑った尊さんは、ジャケットを脱いでソファの背もたれに掛ける。
「今日も、恐かったらすぐ言え。遠慮なんてするな」
「……はい」
変なの。最初は酔ったところを抱かれて、そのあとも会議室でキスされた。
反発を抱きながらも、押し流されてしまったけれど、恋人になったあとの尊さんは私を無理に抱こうとしない。
それが少し不思議だった。
「あの、私をお持ち帰りした日と、次の日の会議室」
「ああ」
私は質問しながら、ゆっくり起き上がった。
すると尊さんは、私の肩にジャケットを掛けてくれる。
……こういうさり気ない優しさが好きなんだよなぁ。
「今はこうして気遣ってくれますけど、あの時はほぼ無理矢理だったじゃないですか。……やっぱり今は、恋人になったから大切にしてくれてるんですか?」
すぐに「そうだよ」と言われると思っていた。
けど尊さんはすぐに返事をせず、黙ってリビングルームの中を見ている。
「え……、と。実はああいうシチュのほうが燃えるタチとか」
その〝間〟を埋めるために思いついた事を言った時、ポンと頭に手を乗せられた。
そのまま、ポンポンと撫でられる。
「ごめんな」
謝られ、酷く悲しい気持ちになった。
「……どうして謝るんですか」
尋ねると、尊さんは溜め息をついてゆっくり脚を組む。
そして解いたネクタイを手元で弄びながら言った。
「……あの時、すげぇムシャクシャしてた。酒を飲んで忘れようと思って、行きつけのバーに向かったらお前がいて、ちょっと怒りが冷めた。人間って自分より正体失ってる奴を見ると、冷静になるもんだな」
「え、ちょっと酷い」
ボソッと突っ込むと尊さんは小さく笑い、溜め息混じりに言った。
「前日、母親の命日だったんだよ」
それを聞き、私はハッとなった。
コメント
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朱里ちゃん!Tバックは正義👍✨🤭 これから尊さんの過去に向き合っていくけど、今日はここでその話はストップしたいような気もする…だって初めてのクリスマス🎄だもん🥺
尊さんが抱える悲しみと心の闇😢 朱里ちゃんも これから少しずつ彼や彼の家族について知っていき、さらに彼を愛し 心の支えになっていくのですね....🥺💓