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サイコ系ホラー1話
😶🌫️『笑顔のアルバム』
「ねぇ、みんなも笑って！」
カシャッ。
写真部の麻衣は、クラスの“思い出アルバム”を作る係だった。
卒業まであと1か月。放課後、教室にはいつも麻衣のカメラのシャッター音が響いていた。
けど――そのアルバムを見た人は、みんな同じことを言う。
「なんか……変じゃない？」
笑ってるのは、みんな麻衣だけ。
まわりのクラスメイトは、笑顔に見えるのに――どこか、無理やり口角を上げたみたいな顔。
目が、笑ってない。
そして卒業式の前日、麻衣がいなくなった。
机の上には、最後の1枚の写真。
そこには、クラス全員が笑っている。
ただし――全員の後ろに、麻衣が立っていたのだ
――――
【エピローグ】
――1年後の春
新しいクラスの準備をしていた担任の先生は、職員室の片隅で1冊のアルバムを見つけた。
『3年B組 思い出アルバム』
表紙の隅に、かすかに黒い指のあとがついてる。
「懐かしいなぁ、麻衣、元気にしてるのかな」
先生は何気なくページを開いた。
みんなの笑顔、桜の木の下、卒業式の写真
そこにはたしかに麻衣が写っていたのだ。
――でも奇妙だった
ページをめくる度にどんどん麻衣が近づいて来てるのだ。
最初は後ろ次は真ん中そして最後には――先生の隣に居たのだ。
先生はその瞬間背筋が凍った。
するといきなりアルバムが閉じ、一枚の写真が落ちた。その写真には職員室で怯える先生の隣で笑う麻衣が居た。
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