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セミの抜け殻のように魂が抜けた僕を隣に座らせて、北野は何かずっと1人でブツブツと僕に説明している。
「ってことなんだけど、ねぇ聞いてる?」
「、、ぇ?」
「もー。この前のトイレの花子さんのことだよ」
「あ、あぁ、」
花子?誰?どうでもいい。
今は、僕の失恋の方が重要だ。
つまり僕は、ずっと、女装家のクラスメイトの男子に淡い恋心を抱いていたということか、?何ヶ月も?やめてくれ、、
僕の北野優希を返して、、、(泣)
「なぁ」
「ん?」
「このこと知ってるのは?」
「どのこと?あぁこれ?」
と、北野はサラサラヘアのウィッグをつつく。僕はうんと頷いた。
「俺の家族と、先生くらいなんじゃない?あと横田」
「それだけ?」
「うん。だって言ってメリットないし。」
「なんで女装してんの?」なんて、聞けないよ、。最近は多様性の時代だからね、。と頭で無理やり言い聞かせつつも気になる。 もはや問いつめたい。
「まぁ、で話は戻って。今日の夜、あのトイレに行こう」
「あぁ。、、って、はい?」
「気になるだろ?あれの正体」
冗談じゃない!!
「気にならない!もうトラウマだよ!あれのせいで僕は夜眠れなくなったんた!」
「あの時横田が逃げなかったら、とっくの昔に花子さんと会えたんだよ」
「ていうか、なんで俺を巻き込むんだよ!1人で行けよ!」
「幽霊を信じない人の方が霊体験をしやすいって言うだろ?餌食が必要だ」
なんて奴、、クラスメイトを囮にする気か、?僕はこんな人間に恋心を、、
くっ、、僕の純粋な気持ちを返せ!!(泣)
「無理。絶対嫌!」
「次の期末の過去問、見せてあげようと思ったのに、、」
「!?」
「いいの?大学は推薦狙ってんだろ?
この前の中間テスト、ちらっと見えたけど成績だいぶ悪かったよね。これ以上内申が悪いと、推薦も危ないんじゃない?ただでさえ最近、大会も出てないから記録もないし。」
「、、、」
「僕とちょーっとお出掛けしてくれるだけで、成績上がるんだよ?こんな魅力的なこと、ないんじゃない?」
「、、」
「まぁ強要はしないけど、、」
「もちろん行くよ!あんな恐ろしいところ、夜中に1人で行かせられないよ!」
僕がそう返事をすると北野は悪魔の様な不敵の笑みを浮かべる。
「そういうと思った。じゃあ今日の9時、この前と同じ所で」