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結局その後も付き合いは続き、プロポーズを受けた。たいしてロマンチックでもなかったけど、嬉しかった。ちゃんと女性として必要とされているんだと思えたから。相変わらずセックスの回数は少なかったし、洋介が私を欲しくてたまらない、そんな様子は全く見られなかったけれど、一緒に暮らし始めれば変わるかもとの期待もあった。
そして、普通に両家挨拶、結婚式、披露宴、新婚旅行と順調に進んでいった。
……はずだった。
新婚旅行のハワイで三日目夜まで何もなかった。新婚旅行だよ? 初夜がなかったの。
さすがに三日目に私の機嫌が悪くなったのに気づいた彼は、私を抱くことに決めたらしい。悔しいけど嬉しかった。滅多にないけれど、ちゃんと時間をかけて大切に抱いてくれたから。
しかしそれ以外、水着姿の私を見ても、シャワーを一緒に浴びても彼はキス以上のことをしなかった。相変わらず彼はなんともなさそうなのが不思議だった。自分でしているのだろうか。私は欲求不満と自己肯定感の低下をまさかハワイで味わうことになるとは思わなかった。
それからの結婚生活でもあまり「夜の営み」はなかった。
珍しくあった時は、翌日の朝から自分でも機嫌が良いのがわかってしまい、それが腹立たしかった。お互いに気持ちよくて、翌日妻の機嫌が良い。メリットしかないじゃない。どうしてしないんだろう? 不思議だった。
もちろん私も、彼に全てを任せっきりというわけではない。勇気を出して誘ったり、寝るときに足を絡めていったりした。そしてなかなか硬くならない彼を手と口で奮い立たせる努力もした。
だから、私は子供を作ろうと思った。不純だけど、何かが変わるんじゃないかと期待していた。その時に会社を一度退社したのだ。
しかし、私たちの妊活は排卵日を私が伝えるとその日にするというだけのものだった。しばらくそれでやってみて、ダメだったら病院へ行こうと思っていた。
月に一、二回、義務のように。途中で彼がダメになる日もあった。そして、そのため以外ではセックスを全くしなくなった。
「完全に私じゃダメってことじゃん! 子どもを作るためだけのセックスなんてむなしすぎる」
とブチギレて泣いて訴えた私に、
「じゃあそれ以外にも毎週金曜日はするって決めよう」
なんてあいつは言った。やはり彼にとってセックスは義務ってことだ。
そして、その週の金曜日からその約束は破られた。すっかり忘れたかのように眠り始めた彼を見て、少し期待していた自分が惨めに思えたし、諦めの気持ちが湧いてきた。
女にも欲求不満はある。たぶんだけど、私が特に性欲が強いという訳じゃないと思う。同じパターンで行われる行為に物足りなさを感じて、終わった後、彼がシャワーを浴びている間に自慰行為でイクなんてこともざらだった。だってその時はまだ二十代後半だったのよ? 普通なら誘えば簡単に抱いてくれる人が現れるだろう年齢だ。妊活中だったから浮気なんてできなかったけど。
子供はできない、欲求不満、女としての自信はとうになくなった。
限界が来た私は夫が寝ている間に、また彼の財布を調べた。前とは違うところだけど、どこかの会員証が見つかった。本気でこの男は馬鹿なのだろうかと思った。それか、私が舐められすぎていたのか。
問い詰める私に、洋介は、
「付き合いで行ったキャバクラの会員証だよ」
と言った。確かにコースは書いていない。
「スマホ見せて」
そう返す私に、あからさまに怯んだ。
「前にバレた時に、いつでも見せるって言ってたよね」
「……ごめん」
なんのごめん?
離婚の話し合いの時に、そんなにセックスが大切か聞かれた。大切だと答えた。女性として愛されてる実感が欲しかったと答えた。
逆に、
「抱きたくもない私とどうして結婚までしたの? 長い付き合いとはいえ、私責任取れとか言ってないよね?」
と聞いたけど、愛しているのは確かだったし、家族になりたいと思ったのも本当だと言っていた。
じゃあ仕方がない。これが価値観の違いってやつなんだね、と私は思った。やはりどこかで選択を間違えたのかな。最初? まさかね。
コメント
1件
第2話、めっちゃ重かった……いや、良い意味で刺さったわ。 「義務としての♡♡♡」って言葉が特に胸に来たな。主人公が自分から誘ったり、足絡めたり、努力してるのに報われない感じ、読んでて苦しかった。自己肯定感がじわじわ削られていく描写がリアルすぎる。 「女として愛されてる実感が欲しかった」ってセリフ、めちゃくちゃ響いた。これは選択ミスっていうより、価値観の不一致だよな……最後の「最初?まさかね」の諦め混じりの一文が、余韻として効いてた。続きも読むわ🔥
日暮ミミ♪
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latte
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#溺愛
星キラリ

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楽地みどり
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