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これは、私達、文月家の6人姉弟と、あるヒーロー組織と、力を得た一般人が引き起こしたとある事件の物語である。


朝。いつもの朝だ。私はルーティンどおり茶の間で妹のドラマ鑑賞に付き合いながら朝食を食べている。

「メロンパン♪メロンパン♪」

この嬉しそうに食パンにぬって焼くとメロンパンになるそれをぬっているのは文月家の三女で自分の双子の片割れ、陶瑚。中学3年生だ。私は味噌汁を用意する。味噌汁はワカメと豆腐か。朝食、メロンパンと味噌汁…。まさか米を炊き忘れるとは。

「もうこれ残り全部ぬれるわね」

「陶瑚、待って半分、私の……」

そんなやり取りをしていると階段から足音がする。降りてきたのは長男、上の兄の渚冬(以下:渚冬兄)。両横だけ長い髪をいじりながら誰かを探している。

「姉貴どこだ?」

「お姉?害獣駆除の手伝いじゃない?」

「往診かしら?」

「置き手紙あった」

「ああ。いつものところに行っているのか」

末弟、磨輝と次男であり、下の兄の茉津李(以下:茉津李兄)の声だった。いつものところ。例の場所に花を飾っているのか。一口食べてから食事は全く進んでいない。

「ただいまー…」

少なくとも明るいとは言えない声で帰ってきたのが私たちの姉で長姉の歌華(以下:お姉)。そしてその兄弟姉妹に挟まれている私が文月家の次女の幸呼奈。全員揃ったと思ったら 突然、響き渡る悲鳴。割と近い。何があったのか。というか何故今まで気づかなかった。名も知らぬ人に心中で謝罪しつつ 何とか深呼吸をしながら素数を数えて気持ちを抑える。落ち着け、私。ドアを開ける。自分でも何をするつもりだ、と少しドキドキする。皆、 完全に視線が冷めている。

「こんにちは」

「こんにちは、私は青城美六華。◯◯高校の1年生です。お願いします、助けてください!」

知らない女性だ。年は近そうだが。だが何故か既視感があった。この人、確か1度会ったことないか?どうやら私たちを探していたらしい。

「あの…貴方、この国で1番大きい図書館のご令嬢なんですってね? 経営している家族が全員、異能力者と言われている」

「ちょっと違う。分家ですね」

そうだ。うちは図書館を経営しているが、館長は伯父だ。しかし子宝に恵まれなかったために特例で私たちで後を継ぐことになったのだ。

「でも…全員が異能力者っていうのは本当。どうしたんですか?」

磨輝が首を突っ込む。

「ちょっと勝手に…ごめんね変わった弟だけど…悪く思わないでちょうだい」

「うた姉に言われるなんて…」

「え!弟⁉︎」

「お母さんだと思ってた?年の離れた姉弟なのに…」

「実はね」

私たち姉弟は歳が離れているのでお姉と磨輝は親子に間違われることが多い。美六華さんも思い出したかのように 何があったのかを語り始めた。というかそれが1番の目的だ。

「世界がとんでもないことになってるんです。あの…時間のループってご存知ですか?あの今日を繰り返すっていう…」

「聞いたことあります!…え?今日を…繰り返してる…⁉︎」

曰くその今日を繰り返すアイテムというものが発掘されて再起動してしまい、これが後の悲劇の引き金になってしまったという。先程もそのアイテムを再起動させた人を追いかけていたが、逃げられてしまったからだったりする。これはなんとかしなければならない。ということで異能力という神からのギフトともいえる力を持つ私たちの力が必要になったのだと語った。本当ならもっと詳しく話を聞いておかしいところを探っていきたいのだが。

「私は行かなきゃいけないんです、明日に!雪翔のためにも…」

雪翔?まあいい。であるからして…その言葉を信じるなら…今、戦えるのは私たちだけ? 平和が懸っている? 私たちは奴と戦わなければならない? そんな暇はない?

「大事な人のために戦ってるのね。あたしにも覚えがあるわ」

「戻りたい?」

「全然」

「だよな…戻っても…また苦しいだけだよな…」

渚冬兄の問いに何の迷いもないお姉。

「俺たちでも追いかけてみるか」

「ありがとうございます!」

茉津李兄の一声もあり今日を繰り返すアイテムを再起動させたそいつを探すことになった。皆で一緒に探してみよう。思いの外、早く張本人がいた。コイツだ。絶対コイツだーっ!帽子で顔を隠している。頭のおかしくなった機械みたいに暴れ回っている。何者なんだコイツは。たった1つ分かることはこの世界が今日を繰り返している(?)のはコイツの仕業だということ。 正体は如何に。何とか追いかけてみる。

「それで角曲がるといないんでしょ、ほーらね」

「本当にいない…おかしいですね?」

おかしいで済ませる美六華さんも大概だ。

「ねえ。幸呼奈はもし今日をやり直せたらどうしたいの?」

陶瑚に聞かれた。声には出さないが、私は答える。そんなの、全部やり直したいに決まってるじゃん。

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