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悪夢

1 - さぁ

♥

101

2025年07月16日

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おきて
































































おい!梨奈りな!!!























──────ハッ!!






「どうしたの?さっきからぼーっとしてるけど笑」


『あ、うん大丈夫、ごめん柊弥しゅうや


ある夏の日、日差しが強くとても天気が良かった


部活も引退に差し掛かり、最後の大会となる部活も多くあった



「しっかりしろよ〜、明日最後の大会なんだろ?」


『うん、これで負けたら終わり』


「頑張れよぉ〜」


『私が勝ったら氷菓、奢って』


「え?! 」








































「まさかほんとに勝つなんて⋯」


かき氷片手に柊弥はそう言った


『勝てないと思ってたの?』


梨奈もシャクシャクと音を立てながら氷菓を食べる


「いーや、梨奈なら勝てると思ってたよ」


『⋯ふーん 』
















ずっと君の声が聞きたい





































ずっと一緒にいたかった









































☁︎.*・゚┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈゚・*.︎︎☁︎︎︎︎










「よ!梨奈、一緒に帰ろうぜ」


軽いノリで柊弥が誘う。




今日も暑く、氷菓など、冷たいものが食べたくなる日だった。




『氷菓、奢ってくれたらいいよ』


「なに?!そうきたか⋯」


『で?どうする?』


柊弥は少し悩むと


「しゃーねーな!奢るよ、奢る」


と仕方がないといった感じで言った。



『やったね、ごち〜』


「次はお前が奢れ」


『へーい』























シャクシャク


「うめぇー!!!」



そう言いながら、柊弥は美味しそうにかき氷を食べる



『ここの氷菓、美味しいんだよね〜』



そう言いながら、梨奈も美味しそうに氷菓を食べていた



「さすが氷菓マニア」


『なんとでも言え』






そんな会話の最中


















ポツポツ





「あ?」    『ん?』





















ザーーーー


























いきなり雨が降ってきた


もちろん傘は持っていない


朝はとても晴れていたのだから





「やべぇ!!!雨だ!!!」


『いきなりだね?!』


「走るぞ!!」


『ぇぇぇ!?』




タッタッタッ

『あはは!!!』

梨奈が突然笑い出す

「ちょっ⋯?!何笑ってんだよぉぉぉぉ!!」

いきなり笑い出した梨奈に驚きを隠せない


とうとう暑さで狂ったかと言いたげな目で梨奈を見る

『何〜?!雨の音で聞こえないわ!!!』

「だから!!!なんで笑ってんだよ!!」

『いや、なんか面白くって!!』

その返答自体おかしくて

「なんだそれ⋯⋯⋯あっははは!!!」

2人は走りながら笑いあった

どんなときでも君となら

ほんとに楽しいって思えた






















あーあ























この時間がずっと続けば良かったのにね

































ごめん、梨奈



















お前は、起きなきゃダメだ























大丈夫!見えなくたってそばにいるから





















さあ、おきて










































──────ハッ!!

















ピッ⋯ピッ⋯ピッ⋯


心電図の音が鳴り響く


きれいなドアが開けられて、看護師さんが入ってきた


【梨奈さーん、様子を見に⋯!!】


梨奈を見た看護師が豆鉄砲を食らった鳩のような顔をする


『⋯⋯こ⋯⋯⋯こ⋯⋯ど⋯⋯』


梨奈は状況が分からないまま、なんとか声を出す


【梨奈さん!!意識が戻ったんですね!!!】


【ちょっと待っててくださいね、すぐ先生が来ますからね】

























しばらくして、梨奈が落ち着いてから医者が話し始めた


〖梨奈さん、どこか痛いところなどありますか〗


『いえ、少しだるいくらいです』


〖そうですか、頭を打っているので、一応検査をしておきましょう〗


『はい⋯』


梨奈は状況がよく分かっていなかった


なぜ自分が病院にいるのかすらも、分からなかった




『あの』


〖どうかしましたか?〗


『私、まだ状況が呑み込めてなくて⋯』


『なんで私、病院にいるんですか?』


〖⋯覚えていませんか?〗


『⋯?』


梨奈は心底分からないといった顔で医者を見る


〖⋯あなたは⋯〗


と医者が言ったところでドアがバンッと開けられた







ドアの方を見ると、両親が立っていた


『お母さん、お父さん』


梨奈がそう言うと、2人は泣きながら梨奈を抱きしめた


《梨奈⋯!!良かった起きて⋯ほんとに⋯!!》


〈あぁ⋯ほんとに良かった⋯!!〉


『ちょっ⋯!!2人とも痛いって』


《あぁ⋯ごめんね、嬉しくてつい⋯》


母は涙を拭いながら梨奈にそう言った














『ねぇ、お母さん』


《ん?なに?》


『私、なんで病院にいるの?』


《⋯⋯え?》


母が驚いたように聞き返した


《なんでって⋯覚えていないの?》


『うん、もう何が何だか⋯』


《⋯⋯》


すると、母は困ったような、何かを言いあぐねているような反応をした


『お母さん、教えて、何があったの?』


《⋯⋯⋯》


『⋯お父さん、教えて』


父は迷ったように顔を顰めたが、やがて話し始めた


〈⋯⋯梨奈は交通事故に遭ったんだ、その時に頭をぶつけて、1週間くらい眠っていたんだ〉


『事故?』


〈そうだ、飲酒運転でなトラックが突っ込んできたんだよ〉


『⋯⋯』


話していくうちに、当時の記憶が思い出されていく































その日も暑くて、この前の約束通り

その日は梨奈が氷菓を奢っていた


柊弥と二人、氷菓片手に話しながら帰っていた




すると、突然トラックが突っ込んできた


私は恐怖で動けなかった



でも、柊弥に背中を押されて⋯⋯



































あれ?






































『⋯⋯⋯ね、ねぇ⋯⋯ねぇねぇ⋯』









































『柊弥は⋯?』
























梨奈は震える声で両親に尋ねた


2人とも黙っていた


その反応から悪い予感しかしなかった





でも、信じたくなくて


違うって否定したくて




『⋯先⋯生、柊弥は?』


『私と一緒にいた⋯男の子は?どうなったんですか?』




鼓動が、呼吸が、早くなる























〖⋯⋯残念ながら⋯⋯〗

















『⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯え?』


目の前が真っ暗になった




『⋯嘘⋯嘘嘘嘘ッ⋯!!!』


〖⋯⋯〗〖運ばれてきた時には⋯もう⋯〗



『そ⋯そんなッ⋯こんなのって⋯ッ』




















『あぁ⋯あぁぁぁぁぁあ!!! 』

涙がボロボロと溢れ出す

なんで、どうしてばかりが頭に浮かぶ

どうすることもできなくて

梨奈は声を上げて泣いた


両親は梨奈を慰めるように、強くきつく抱きしめた








______________________________















退院してから1週間


両手に氷菓を持ち


梨奈は柊弥の墓の前にいた


『⋯柊弥、来たよ⋯』


そう言いながら、梨奈はゆっくりしゃがむ


『柊弥が庇ってくれたから、私生きてるよ』


『一時危なかったらしいけど⋯もしかして、助けてくれた?』


『⋯⋯分かんないけど、としそうだったら⋯助けてくれてありがとう』


だんだん声が震えていく


梨奈は切り替えるように、お供え物を置いていく


『ほい、氷菓、めっちゃ美味しいとこの』


『この氷菓の話したら、いつか食べてみたいって言ってたでしょ?本当は誕プレにって思っていたんだけどね⋯』




















ポタ   ポタ

『⋯あれ?』


梨奈の目から涙がこぼれる


これまでの思い出が蘇る




『⋯うッ⋯ッやっぱり⋯』


『声が聞きたいよ⋯話がしたいよ⋯』


『まだ⋯⋯まだ好きって言えてないよ⋯』


『なんで⋯⋯なんで⋯⋯!!!』























ようやく落ち着いて、梨奈がまた話し始めた


『⋯⋯私は柊弥のことが大好きでした』


『テンション高めで、おっちょこちょい、面倒くさがりだけど、誰よりも優しくて、どんなことでも、全力で頑張る姿が好きだった』


『⋯⋯ねぇ、柊弥⋯君はどう思っていたのかな』


梨奈がそっと話しかける




『私と同じ気持ちだったら嬉しいな』




『⋯土産話楽しみにしてて』


梨奈はスッ…と立ち上がる


『それじゃあ、そろそろ行くよ』


『また、氷菓持ってくるね、次はどんなのがいいかな?』


『⋯しばらく私が奢るのか〜、ま、次に来る時のお楽しみだね』














『じゃあ、また』





























「ごち〜!あんま早く来ちゃダメだからな?」

「それと⋯⋯俺も、お前と同じ気持ちだったぜ」




















バッ


柊弥の声が聞こえた気がして、梨奈は咄嗟に振り向いた


『⋯⋯⋯ 』

当然誰もいるわけない

でも

梨奈にはそれだけで十分だった























見ててね


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コメント

6

ユーザー

わっ、めちゃいい……✨最高〜!!

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