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結構前に彗奈氏の作品でカサンドラ様が処刑されたんでその従者のエネリスの妄想投下します()
解釈違い云々はスマソ
「親を知らない子リス」
私は産みの親のことを知りません。
産まれたばかりの頃
私は”物”として捨てられました
寒空の中おくるみに包まれていて天に手を伸ばしながら
記憶は無くとも赤子の私はもがいて、泣いて、生きたいと願った。
そんなことがあったのだと
私の心は覚えています。
そんな願いが届いたのか
死にかけの私を拾ってくださった方がいました。
その方こそ私の主人であり
500年前に旧都を破壊した『厄災の魔女』
カサンドラ・スイレン様なのです
カサンドラ様は私に名前と衣食住。
そして、生きる意味を与えて下さりました
なので、私はカサンドラ様ご恩を返すために精一杯頑張りました
掃除も料理も洗濯も全部カサンドラ様にやり方を教わりました。
カサンドラ様が私のことを育てて下さたのは
恐らく気まぐれや人間への腹いせだと思いますが、
私はそれでもカサンドラ様の優しさを知っています。
だからこそ、私はカサンドラ様のことをなにも知らないのに
カサンドラ様のことを悪く言う方々は好きではありません。
私はカサンドラ様のことが大好きなのです。
ある程度の物事を済ませることが出来るようになった年頃から
私はカサンドラ様の従者となりました。
その頃、他の7人の魔女の方々には従者はおらず、
私は一人ぼっちで少し怖かったのですが
カサンドラ様の為にもと精一杯努力していました。
そんな生活の中、孤児院にいる子供たちを育てている方の姿や街の人を見て
私は初めて”親”というものを知りました。
私は私の”親”を知りません
それまで知ろうと思ったことも気にしたこともありません。
だって、知らないから。
知らないから考えることもできませんでした。
だからこそ、興味が湧き
本を読んで”親”というものについて考えました。
ですが、結局なにもわかりませんでした。
『私は親を知らない、親とはなにかがわからない』
ただ、そんな事実を突きつけられただけでした。
その時初めて私は普通では無いのだと実感しました。
他の人が当たり前に知っている”親”について私は理解ができない。
この事実が何故だか今になっても忘れられません
そしてあの日
カサンドラ様が処刑されていた時
私はその場に泣き崩れていました。
この世の全てを恨もうかとも考えたけれど、無理でした
だって、怖かったのです。
他の従者の方のように行動できる勇気や考えが、
力があれば出来たかもしれません
ですが、私は臆病者でそんな勇気は一欠片もありませんでした。
申し訳ございません、カサンドラ様
申し訳ございません、メルマさん達
申し訳ございません、勇者様方
申し訳ございません、女王陛下
私の声が枯れて聞き取りづらくなっても謝罪させて下さりませんか?
だって全て私が悪いのです。
私が臆病者だからなにもできなかったのです。
私の頭が足りなかったのだから、
相手をすぐに信じ込んで案内したせいで
カサンドラ様は処刑されてしまったのです。
泣いている私の背中をさすり、大丈夫だと声をかけて
私を一人でも生きていけるようにしてくださり
眠れない夜は一緒にいて、私が眠るまで傍に居てくださり
手を繋いで私の名を呼んでくださったカサンドラ様は
もう、私のせいでいないのです。
もう一度カサンドラ様の為に食事を作りたいです
そしてカサンドラ様と一緒に食べたいです
カサンドラ様と手を繋ぎたいです
カサンドラ様とお話して名前を呼んでいただきたいです
カサンドラ様ににお花を届けて笑っていただきたいです
メルマさんたちに心配されないように
ただ、普段通り笑いたいのに
だから、これはただの悪い夢だと言ってください
そして昔のように泣いている私の背中をさすってください
そうじゃなきゃ、臆病者の私は立てません
あの時読んだ本に書かれていた親とは『心』が大切だと書かれていました
私にはそれがわかりませんでした。
今でもあやふやです
でも…ですが、
今なら、少しだけ口に出して言えます
カサンドラ様
貴方がきっと私にとっての”親”なのだと思います。
会いたいですカサンドラ様。
親を知らない私に確かな愛情を初めて与えてくださり
17年間育ててくださった貴方に会いたいのです。
そしてもう一度、貴方の名前を呼ばせてください。
カサンドラ様、大好きです
エネリスは恨まないというか恨めないってのが似合う。
人を恨みそうになってもカサンドラ様や他の魔女や従者とか自分に優しくしてくれた人達のことを思い出して思いとどまってて一瞬でも人を恨もうと思った自分に対して結局自己嫌悪に浸ってて欲しいな
コメント
2件
なんだってこんな重いんですかこの子 おかしいですよ17歳でしたよねこの子