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くすみ✘kusuminn
夜。
リビングには、静かな空気が流れていた。
テレビはついているけど、誰もちゃんと見ていない。
「……」
それぞれが、どこか落ち着かない様子だった。
「ねぇ」
ゆあんくんが、小さく声を出す。
「また来ると思う?」
その一言。
「……」
空気が少し重くなる。
「……どうだろうね」
のあさんが、やんわりと答える。
「でも、ちょっと怖いよね」
「……」
ヒロくんは黙ったまま。
考えている。
「……来るよ」
ぽつりと、うりが言った。
「……え?」
ゆあんくんが驚く。
「なんで分かるの?」
「……」
少しだけ間を置いて。
「そういうもんだから」
曖昧な答え。
でも、その目は——
確信していた。
「……」
ヒロくんが、静かにうりを見る。
(やっぱり)
何か知っている。
「……」
その時。
「……」
もふくんが、立ち上がった。
「もふくん?」
のあさんが声をかける。
「ちょっと外行ってくる」
「え、今?」
「すぐ戻るよ」
優しく笑う。
でも。
その目は、笑っていなかった。
―――
外。
夜の空気は、静かで冷たい。
「……出てきなよ」
もふくんが、小さく言う。
その瞬間。
「……やっぱ気づいてたか」
暗がりから、あの男が現れる。
「何の用?」
もふくんの声は、静かだった。
「挨拶だよ」
男が笑う。
「久しぶりだな、“無敗”」
その呼び方。
「……」
もふくんの表情が、わずかに変わる。
「その呼び方、やめて」
低い声。
「は?なんでだよ」
男がニヤつく。
「事実だろ?」
「……」
沈黙。
「……関係ないでしょ、今は」
はっきりと言う。
「もう終わってる」
「終わってねぇよ」
即答。
「お前らがいなくなっただけで、全部そのままだ」
一歩、近づく。
「むしろ荒れてるくらいだ」
その言葉。
「……」
もふくんは、目を逸らさない。
「……だから?」
「戻ってこいよ」
男が笑う。
「お前らがいねぇとつまんねぇんだよ」
その誘い。
「……」
一瞬の沈黙。
そして。
「……戻らない」
はっきりと言う。
「もう関わらないって決めた」
静かな決意。
「……」
男は、少しだけ黙る。
そして。
「……それ、本気で言ってる?」
低い声。
「……」
「仲間巻き込まれても?」
その一言。
「……!」
空気が、一瞬で変わる。
「やめて」
もふくんの声が低くなる。
「関係ないでしょ」
「関係あるだろ」
男が笑う。
「お前らといる時点でな」
「……」
言い返せない。
「……」
拳が、わずかに握られる。
でも。
「……それでも」
絞り出すように言う。
「戻らない」
強く。
はっきりと。
「……はは」
男が笑う。
「いいねぇ」
「その意地」
一歩、下がる。
「じゃあ楽しみにしてるわ」
「……」
「どこまで守れるか」
その一言を残して。
闇の中に消えていった。
―――
「……はぁ」
小さく息を吐く。
「……」
分かっていた。
こうなることは。
「……それでも」
小さく呟く。
「守るって決めたから」
その目は——
静かに、強くなっていた。