相変わらず翔太は俺の家を訪ねてくる
思い返せば、俺は多分、あの日にはもう翔太との恋を始めてたんだと思う
特にあの、挑発的な目線での掌へのキスは、もう堪らなかった
俺が好きって言うまで待っているのか、はたまたもう一度好きと伝えてくるのか、終わりはどこなんだろうかと思う
そんなことを考えていると、隣の翔太が、スッとソファから立ち上がった
そんな時間かと時計を確認する
あの日以降、翔太は家には来るが泊まってはいかなかった
見送るために立ちあがろうとすれば、翔太は、俺の目の前に向かい合って立つ
ソファの座面に片膝をつき、俺を閉じ込めるようにして、俺の両サイドのソファの背もたれに手をついた
「翔太?どした?……ん」
柔らかな感触が唇に伝わる、口に直接キスをしてきたのは初めてだ
「あべちゃん、もう結構前から、俺のこと好きだろ」
「……ずいぶん、自信ありげじゃない」
「何年お前のこと見てきたと思ってるんだよ。それくらいわかる。」
「…………………」
じっと見つめるていると、翔太の唇がふるりと震えた
「…………ねぇ…」
黙って見つめ続けていると、少し震えた声で先をねだる
その少しの不安が滲み出た震えに、愛しさが込み上げて腰を掴んで抱き寄せる
「うっわ!ちょっ…んん!」
柔らかなその唇に熱を送る
「ん、んぅ、あべちゃ、っん、ふぁ」
後頭部に手を回し、深く深くキスをする
「ふっ!んー…っん、んぅ、ぁん」
空気を求めて薄く開いた口に舌を捩じ込む
「んゃぁ、ふっ、はぁ、んあ、ぁん、やぁ…あ、あん…」
翔太の体から力が抜けていく
満足するまで味わい尽くして、口を離せば、銀の糸が伸びる
「…はぁ、、はぁ、、…いきなり、はぁ」
「翔太が可愛すぎるからだよ」
肩を上下させながら睨みつけてくるが、上気した頬では可愛いだけだ
「……はぁ……っ……はぁ、それで?」
「それでって?」
「……ちゃんと、言ってくれないの?」
「ふふ、言ってほしい?」
「言ってほしいに決まってるじゃん、、」
「そうだよね〜」
「……………あべちゃん…おねがい」
焦らして楽しんでるのがわかったのか、挑発に乗るのをやめて、素直におねだりする作戦に切り替えたようだ
上目遣いで見つめて、きゅっと俺の服を握りしめて、口を尖らせている様子は、あの恥ずかしがり屋で意地っ張りの翔太だとは思えないようなあざとさだ
「…うっわ!」
グイッと翔太の腕ごと強く抱き寄せて逃げられないようにする
上半身が密着した状態で翔太の耳に唇を寄せる
少し触れるだけで、ぴくりと体が反応する
「翔太。好きだよ。大好き。すべすべの肌も、柔らかな髪も、つやつやの唇も、頭の先から足先まで、翔太の全部が欲しい。愛してるよ。翔太。」
一言、一言、ゆっくりと言い聞かすように囁いていく
途中、息を呑み、逃げ出そうとするのを力で押さえ込み、最後まで離さない
顔は見えないけど、耳も首元も真っ赤に染まっている
最後の言葉を言い終わってゆっくりと腕を緩めれば、全身真っ赤にした翔太と目があう
途端に顔を伏せて両手で覆う
「っ、…バカじゃないのっ、」
「翔太がねだったんでしょう」
「……いじわる」
「褒め言葉にしか聞こえないね」
「っ、趣味わるっ!」
「そんな俺が好きなんでしょう」
「…っ!もう!」
翔太の手をゆっくりと顔から離させる
自分の両手で頬を包んで上を向かせる
「今日は泊まっていきなよ?」
「……うん」
今度はゆっくりと優しく唇を重ねると、嬉しそうに俺の首に腕をまわした
終わり
コメント
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ちょっと🖤💙も読み返してきます🫡
可愛い。続いて欲しい💚💙読み返そう😍😍😍