「どうだ?良い男はおったか?」
「…えぇ。お父様。私とても気に入った男性がいますの。」
「ほお?一体その男は誰だ?」
『『『『『ピオニー・チューベローズ。チューベローズ伯爵のご子息です。』』』』』
「…ほぉ。そうか。良い男がおって何よりじゃ」
こんなに上手くいくとは予想外じゃがな。
「あら?ホオズキお姉様。今、お父様とお話なさってたんですか?」
「えぇ。…ところで、スイレンはいい人はいたの?」
「はい!それはもう!容姿端麗、温厚篤実と言った言葉がとてもよくお似合いになるお方です!」
「スイレンがそんなに言うほど人なんていたのね…てっきりあなたは婿を選ばないと思っていたから…」
「私もそう思ってましたわ。…私は五人姉妹のまま楽しく過ごしたいと思っておりましたから…。」
「そうね。あなたは本当に姉妹全員大好きだものね。」
「もちろん!…でも、とてもいい人と出会ってしまいました。このまま姉妹全員で仲良く過ごしたいですが、その人とも一緒になりたいというのも私の願いです。…少し傲慢ですかね?」
「いいんじゃない?愛するものには誰しも傲慢になるものでしょう。」
「ありがとうございます!ホオズキお姉様!」
「…でも、五人姉妹全員仲良いと思えないけれどね…」
「え〜そうですかぁ?クロユリとロベリアお姉様とか、いつも仲良いじゃないですか!毎日戯れあっているじゃないですか!」
「あれは、戯れあってるって言うより、喧嘩してるだけだと思うけど…」
「とにかく!私は姉妹全員大好きなんです!…同じくらい好きになってしまった人もいらっしゃいますが…。」
「スイレンがそこまでなるほどの人物が誰かとても知りたいわ〜」
「ロベリアお姉様!」
「…何をしにきたの?ロベリア。」
「やだなぁ、ホオズキお姉様。そんなに睨まないでくださいよぉ〜私はただ、お二人が話しているのが見えたから話しかけただけですよぉ」
「…そう。あなたは?いい人は見つかったの?」
「えぇ。もちろん。…国王になるためにも婿は選ばなければなりませんから。」
「あら、惹かれた人ではなく、自らが国王となるために選んだの?選ばれた方がかわいそうだわ。…そしてあなたも悲しい人ね。愛するものよりも権力を選ぶなんて」
「…チッ」
「舌打ちはやめなさい。品がないわ。」
「まぁまぁ。ホオズキお姉様。ロベリアお姉様。そんなに戯れあうなら、私も混ぜてください!」
「「戯れあってない」」
「まぁ!やっぱり仲いいじゃないですか〜!それよりも、早くお父様の方に参りましょう?私たちの婚約者が発表されるみたいですから!」
私たちは知らなかった。そこで衝撃の発表が行われるなんて。
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