ナランチャ、僕はボートには乗れません。

ボスを裏切る？今までボスの命令に従ってきたのに？おかしい。明らかにおかしい。

なのに、みんなボートに乗っちゃって。ナランチャ。あなたは残ってくれると思ったのに。泳いで行っちゃいましたね。

君と離れてから、僕の日課は途切れてしまったよ。きみに、「好きだ。」と言う日課がね。いつも隣にいた君に、愛の言葉を言うのは、簡単だった。少なくとも、君に勉強を教えるより簡単だったと思う。

最近、僕は気づいたんだ。君に元気づけられていることを。このところ、元気が出ない。君がいなくとも大丈夫だと思っていたのに、全然大丈夫　じゃないや。ナランチャ、戻ってこれる機会があったらいつでも戻ってきてくださいね。

この手紙が、君に届きますように。

そして、生きて君に会えますように。

パンナコッタ・フーゴ

君からの返事が、返ってくることはなかった。