テラーノベル
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ここまでにするわ、つぎのこれとうこうは、来週の月曜日!
その日の夜。
部屋の中は暗かった。
カーテンのすき間から、街灯の光が少しだけ入っている。
いるまはベッドの上で目を開けていた。
天井をじっと見つめたまま、動かない。
時計を見る。
2:17
「……またか。」
小さくつぶやく。
目は閉じていたのに、全然眠れなかった。
昼間は普通に過ごしているつもりでも、夜になると頭の中が静かにならない。
廊下の向こうから、テレビの音が聞こえる。
そして——
ドン。
何かを置く大きな音。
いるまの肩がびくっと揺れた。
父親の足音だった。
ゆっくりと廊下を歩く音がする。
それだけで胸がざわつく。
(……来るな。)
そう思いながら、目を閉じた。
足音はしばらく近くで止まっていた。
でも、部屋のドアは開かなかった。
やがて足音は遠ざかっていく。
その瞬間、いるまは小さく息を吐いた。
「……はぁ。」
体の力が少し抜ける。
でも、眠れる気はしなかった。
天井を見ながら、ふと思い出す。
今日の昼休み。
屋上。
らんの声。
『いるまってさ、優しいよな』
その言葉。
(……意味わかんね。)
小さくつぶやく。
優しいなんて言われたことはほとんどない。
それに、自分がそんな人間だとも思わない。
でも——
らんは本気で言っていた。
ふざけている感じじゃなかった。
(なんなんだよ、あいつ。)
いるまは横を向く。
枕に顔をうずめた。
心の奥が、少しだけ落ち着かない。
しばらくして、スマホを手に取る。
画面をつける。
通知はなかった。
……と思ったら。
ピコン。
メッセージが届いた。
画面を見る。
らんだった。
らん:起きてる?
いるまは少し驚いた。
(こんな時間に?)
時計を見る。
2:31
普通なら寝ている時間だ。
少し迷ってから、返信する。
いるま:なんだよ
数秒後。
すぐ返信が来た。
らん:やっぱ起きてた笑
らん:なんか目覚めちゃってさ
いるまはスマホを見つめる。
(こいつも寝てないのか。)
いるま:だから?
すると、らんからまたメッセージ。
らん:いるまって夜型?
その質問に、いるまは少し止まった。
答えるか迷う。
でも、結局短く打った。
いるま:別に
それだけ送る。
すぐに返信が来た。
らん:そっか
らん:でもさ
少し間があく。
そして次のメッセージ。
らん:ちゃんと寝ろよ?
その言葉に、いるまは画面を見つめた。
(……簡単に言うなよ。)
そう思う。
でも、不思議と嫌な感じはしなかった。
少しだけ考えてから、打つ。
いるま:うるさい
送信。
すると、らんからすぐ返ってくる。
らん:ひど
らん:でも明日屋上な
いるまは小さくため息をついた。
(勝手に決めんな。)
でも——
そのやり取りのあと。
さっきまでざわざわしていた胸が、少し落ち着いていた。
スマホを枕の横に置く。
目を閉じる。
すると、さっきより少しだけ眠気が来た気がした。
遠くで風の音がする。
その夜。
いるまは久しぶりに、ほんの少しだけ眠ることができた。
コメント
1件
いろんな意味で神すぎてヤバかったwww