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「う……、脱がすだけならいいですけど……」
そっぽを向いてうめくように言うと、涼さんは「ありがと」と言って腰まで手を伸ばし、ウエストゴムに手を掛けると、薄い生地を破かないようにそっと下ろしてきた。
私は彼が脱がせやすいように、ちょっとだけお尻を浮かせたけれど、なんだか脱がせる事に協力的になっているようで恥ずかしい。
涼さんはストッキングを脱がしたあと、私の脛やふくらはぎに手を滑らせてきた。
「しっとりすべすべだね。ずっと触ってたい」
「あ、…………朱里が、お手入れの方法を教えてくれたから……」
どうしてこう、私は素直に「ありがとう」と言えないのか。
「努力しているのは恵ちゃんだよ」
涼さんは優しい声で言い、ワンピースを脱がせてきた。
「ま、待って……! 自分でやります」
詳しい値段は分からないけれど、目玉が飛び出そうなほど高価なワンピースに、万が一の事があったら困る。
私は一度ベッドの上に立つと、なるべく皺がつかないように慎重にワンピースを脱いだ。
「大切にしてくれてありがとう」
涼さんはワンピースを受け取ると、「ちょっとハンガーに掛けておくね」と言って、自分のジャケットなども持ってベッドから下りる。
ベッドの頭側には廊下と隔てる壁があり、その左右から廊下に出られるようになっていて、廊下を隔てて壁の向かいはオープンクローゼットになっている。
涼さんは廊下に出るとハンガーにジャケットやワンピースを掛け、ついでにスラックスなども脱いでいるようだった。
衣擦れの音を聞き、私はベッドの上で一人赤面しながら夜景を眺める。
「お待たせ」
戻ってきた涼さんはパジャマを着ていて、私は少し驚いて目を丸くする。
「はい、恵ちゃんもどうぞ」
彼はグレージュのパジャマを手渡してくる。
「ど、どうも……」
広げてみると、パジャマの上だけでもとても大きく、膝丈までのワンピースみたいに着られそうだ。
私は首元のボタンを外してスポッと被ると、袖に腕を通す。
「……いいんですか?」
「ガッカリした?」
微笑まれ、私はブンブンと首を横に振る。
「寝て。マッサージしてあげる」
涼さんは手にタオルを持っていて、ベッドの上で胡座を掻くと、タオルで私の足を包んで指圧し始めた。
「ん……っ、あ、…………ぁー…………」
一日働いて疲れた上、慣れないヒールを履いて緊張して食事をしたあとだから、足のマッサージはとても気持ち良く感じた。
「可愛い声」
そう言われ、私は両手で口元を覆うと軽く涼さんを睨む。
「明日、ランチ前にショッピングの予定だけど、ほしい物ある? 俺の都合で色々押しつけちゃったけど、朱里ちゃんみたいに恵ちゃんが欲しそうな物を見繕ってプレゼントできてない。どうせなら、当日希望を聞いて好きな物をあげたいと思ったんだけど」
「いや、いいっす」
スパッと断ると、涼さんは「あらら……」と項垂れた。
枕を胸の下に挟んでうつ伏せになるよう言われてそうすると、涼さんはふくらはぎや太腿の裏を指圧してきた。
「ん、あー……。気持ちいい……」
「本当に欲しい物ないの? なんなら、ボールペンとか靴下とか、そういうのでもいいよ」
涼さんはとにかく何でもいいから希望の物をプレゼントしたいようで、食い下がってくる。
「ホントにいいんですってば。ん、あぁ……っ」
彼の手がお尻の際まで迫り、私は上ずった声を漏らす。
「本当?」
涼さんはからかうような、楽しむような声で言い、次に私のお尻をムニュムニュ揉んでくる。
「そ、そこ、マッサージ必要ですか?」
「デスクワークなら、大臀筋だって疲れるでしょ」
「でも……っ、んー!」
両手の親指がきわどい所に触れ、秘唇がクピッと音を立てたのが分かり、私は真っ赤になる。
健全なマッサージを受けていたはずなのに、気がつけば不健全に体を揉みほぐされていた。