コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
私は悪魔の言葉で、財布を自分の懐にしまい、ウキウキでスーパーへ向かうことにした。天使が背後から神の教えだとか清い行いだとかをほざいていたが、超高級ステーキとハーゲンダッツの誘惑には敵わないし、そんなことなんの得にもならないので無視を決め込んでいた。そもそもこいつはコスプレをして街を闊歩している変態なのだ。それは神の教えに反していないのか?疑問が残るところだ。すると、またもや突然後ろから声がした。
?「ちょっとぉ!」
私が振り返ると、なんとも小汚い格好をした謎のおじさんが立っていた。
「誰だお前は!」
おじさん「通りすがりのおじさんです」
「なるほど」
何だこの小汚いおじさんは。もしやこの財布を狙った第3の使者なのか…?これはまずい…何としてもこの財布を死守せねば…!今晩のハーゲンダッツが無くなってしまう…!!
悪魔「さぁ…そんなやつ無視してさっさとスーパーへ行こう。人参とアスパラが踊って待っているぞ」
天使「あなたは黙っていなさい!いいですか?神の名のもとに、清く美しい生き方をするのです。大事なのは心、本心ではそんなことしたくないと思っているはずです!」
「人参とアスパラが踊っているのか?」
悪魔「冗談だ。悪魔ジョークだ」
天使「もう!」
そんなことをしていると、小汚いおじさんがまた口を開いた。
おじさん「その財布、返してください」
沈黙が流れる。私が恐る恐る財布を開き、中に入っていた身分証を見ると、紛れもなくこのおじさんのものであると、それは証明していた。
「あ…はい…」
私は財布をおじさんに返すと、おじさんは感謝を述べてどこかへ消えていった。あれほど騒いでいた悪魔と天使も、いつの間にか消えていて、夕日は沈み、頭上には月が登っていた。
ステーキは売り切れだった。
天使と悪魔ともう一人
おしまい