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第19話「緑の誓い」



🚀 シーン1:燃え残る森


ゼインは、瓦礫のように折れた木々を見下ろした。

ヴェール・バインドの襲撃によって、自然党派の森は部分的に焼け落ち、光を失っていた。


「……ひどいな」


ナヴィスが、黒髪をかき上げながら呟く。

碧い瞳に浮かぶのは、純粋な怒りだった。


リオナは無言でエメラルドグリーンの瞳を森に向ける。

彼女の翠色の髪が、傷ついた葉々と同じ色に染まっている。


「これが……奴らのやり方か」


彼女は歯を食いしばり、拳を握りしめた。


「ここは……守る価値のある場所だったのに」


ゼインは静かに息を吐いた。


「……まだ終わっちゃいない」


リオナがゼインを見つめる。


「お前は……」


ゼインは腕を組み、ジャケットの裾を翻した。


「俺は“戦い方”を間違えたくない。だから、お前らと一緒に、この場所を取り戻す」


ナヴィスはニヤリと笑い、拳を鳴らした。


「ま、当然だな」


リオナは目を細め、ゼインの手を取る。


「なら……誓いを立てるぞ」


——ゼインとナヴィス、そして自然党派の絆が結ばれた瞬間だった。





🚀 シーン2:迎撃戦の準備


森の奥では、生き残った自然党派の碧族たちが集結していた。

彼らは皆、傷を負いながらも、再び立ち上がろうとしていた。


リオナが前に立ち、戦略を語る。


「ヴェール・バインドは、次に“完全制圧”を狙ってくるはずだ」


ゼインは顎に手を当て、考える。


(次に来るとしたら……大規模な兵器投入か)


「俺の《オーバーライド》がどこまで通じるか……試すしかねぇな」


「お前、そればっかだな」


ナヴィスが苦笑する。


「まぁ、俺も《リバースバリア》の強度を上げるか……」


リオナが頷き、指を鳴らす。


「なら、私も“全力”で戦う」


彼女の周囲に、緑の波紋が広がる。


「《エデン・ルーツ》——森の再生を開始する」


ゼインは、森が微かに光を取り戻すのを見た。


「……本当に、お前らは自然と共に生きてるんだな」


「だからこそ、守るんだ」


リオナの瞳には、静かな闘志が宿っていた。





🚀 シーン3:新たなる敵の影


その時——


「ヴェール・バインド、接近!」


偵察隊の碧族が叫ぶ。


ゼインはナイフを握りしめ、碧いフラクタルの光を腕に宿す。


「……来たか」


ナヴィスも拳を鳴らしながら前に出る。


「今度は派手にやるぞ」


森の奥から、装甲の部隊が姿を現した。

そして、その中央には——


ヴェール・バインドの新たな司令官が立っていた。


「ふむ……貴様らが自然党派の残党か」


軍服を纏い、灰色の髪を持つ男が静かに歩み出る。

彼の左目には、機械的なフラクタルの刻印が刻まれていた。


「名乗るほどのものではないが、貴様らを排除するために来た」


ゼインは目を細めた。


(……ただの兵士じゃねぇな)


リオナが前に出る。


「お前が、ヴェール・バインドの新たな司令官か?」


男は無言で手を翳した。


「《ライフ・エクスチェンジャー:フェーズ2》」


——次の瞬間、森の木々が急速に枯れ落ちていく!


「なっ……!?」


ゼインは驚愕しながらも、すぐに《オーバーライド》を発動させる。


「止まれ……!」


しかし——


「無駄だ」


男は冷たく微笑んだ。


「貴様らの小細工が、私のフラクタルに通じると思うなよ」


ゼインのフラクタルが、逆に弾かれるような感覚を覚えた。


(こいつ……俺の能力を無効化しやがった!?)


ナヴィスが拳を握る。


「……本当に、敵は厄介なものを持ち込んできたな」


リオナは歯を食いしばる。


「今ここで、止めなければ……!」


ゼインは拳を握りしめ、前に出る。


「だったら——やるしかねぇ!」


ナイフを逆手に持ち、ゼインは全速力で敵へと飛び込んだ!





🚀 シーン4:激突の始まり


「行くぞ……!」


ゼインが**《オーバーライド・シンクロ》を発動し、全身に碧白い電流を纏う。**

一気に距離を詰め、敵の司令官に攻撃を仕掛ける——


しかし——


「《アンチ・オーバーライド》」


——ゼインの攻撃が完全に無効化される。


「なっ……!?」


司令官は冷たく笑いながら、手を翳す。


「貴様のフラクタルは、もう効かない」


ゼインの身体に、鈍い衝撃が走る。


(クソッ……!)


司令官は、静かに言った。


「貴様ら碧族の“フラクタルの優位”は、もう終わりだ」


——ヴェール・バインドは、完全なる対碧族戦術を完成させていた。


ゼインは歯を食いしばりながら、立ち上がる。


「……それでも、負けるつもりはねぇ」


彼は、もう一度拳を握った。


「俺たちは……この場所を守る!」


——激戦の幕が、今開く。

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