今日が終わるまで

ウィリアムは、敵の異能に逆転の手を打ち込んだ瞬間、まるで全身に電気が走ったような感覚に包まれた。これまでの戦局、彼の冷徹な判断力をもってしても、完全に支配されていた状態から一転、宇宙人（雅也）の将棋を狂わせたその一手。ようやくその効果を実感し、ウィリアムは一瞬の間に、冷静な思考を取り戻した。

ウィリアム（心の中で）

「ようやく、手が打てた…。お前の将棋、もはや俺には通じない。」

宇宙人は一瞬、戸惑った表情を見せた。自分の異能により支配してきた盤面が、一気に乱れたからだ。ウィリアムの一手によって、まるで時間が一瞬で逆転したかのように、敵の配置が崩れていく。

宇宙人「……不可能だ。お前がこんな手を使うなんて、予想だにしなかった。」

雅也は、自分の思考の一部が狂ったことに気づいた。将棋の世界で、時間を制御し、動ける場所を制限する異能のはずが、今やその制限を自らが受けている。ウィリアムの冷徹な一手が、雅也の支配から盤面を取り戻させた。

ウィリアムは、心の中で歓喜を覚えながらも、外面ではあくまで冷静さを保った。しかし、その表情に隠しきれない勝ち誇りが現れる。彼の鋭い目の奥には、これまでの劣勢を覆した満足感がにじみ出ていた。

ウィリアム「どうした、雅也。お前の将棋、少し雑になったんじゃないか？」

宇宙人（雅也）が最初に放った圧倒的な支配力に対して、ウィリアムの反撃は予想を超えるものだった。ウィリアムが動かす駒は、ただの人間ではない。「英国紳士」という異能の持ち主として、計算された思考が次々と局面を切り替えていった。

宇宙人（雅也）は、完全に計算違いをした。自分の異能を使って、相手を制圧できると思っていたが、ウィリアムはその異能に打ち勝つ術を見つけ、盤面を変えることに成功した。

宇宙人「こんなことが……どうしてだ……」

雅也の中で、冷静な将棋の思考が崩れ、混乱が広がる。彼はもはや、次にどんな手を打っても自分の制御から外れることを実感していた。ウィリアムが繰り広げるその巧妙な戦術に、自分の将棋がもはや通用しないことを悟った瞬間だった。

ウィリアムは、次の一手を決めていた。それは、相手の思考が完全に崩れることを前提にした、一発の決定的な攻撃だった。

ウィリアム「これでお前も終わりだ。」

彼は再び、異能「英国紳士」を使い、空間を変化させ、宇宙人（雅也）の攻撃の余地を封じ込める手を打った。それは、まさに将棋の「王手」を避けられない位置に持ち込むための完璧な一手だった。

その瞬間、ウィリアムの心臓が高鳴り、彼の異能が全力を発揮した。宇宙人（雅也）の動きはもはや制限され、彼の駒が動ける場所は消え去った。ウィリアムの最後の手が、ついに雅也を追い詰め、「王手」を決定的にした。

ウィリアム「これで終わりだ。お前の将棋は、もう通じない。」

ウィリアムは、最後の勝ち誇った笑みを浮かべながら、宇宙人（雅也）の目を見据えた。どんな力が相手にあっても、英国紳士としての冷徹な思考と計算が、ついに勝利を手に入れた瞬間だった。