テラーノベル
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カツン…カツン…
暗い暗い宮殿の中だった。
もう何年、太陽を見ていないのか。
今はおそらく夜…だろう。
ボクは王家の血が流れていながら、義母からひどく嫌われ吸血鬼と言われ続けて生きてきた。
今は滅んでしまった家系だが、不幸中の幸いと言うべきか国であるボクだけが生き残ってしまった。
🇷🇴「…義母さん…なぜボクをこんなところに…」
(いっそのこともう…)
義理とはいえ唯一の母だったので、ショックだった。
🇷🇴領内で最も大きな宮殿だった。
外装には色とりどりな花の絵、大きな三つの塔を持ち、装飾には純金が使われている。
だが実際にはただの牢獄に過ぎない…。
ボクがボクを閉じ込めるための。
ボクはもう精神が正常でないのだろう。
何かをしたいという気力も、ここから出たいという意思もなかった。
ただ、夜わずかな窓の隙間から見えるドナウ川と月の反射光だけが好きだった。
🇷🇴「…まるで魔法みたい…」
ボクも魔法が使えたら、といつも思う。
どうせしぬなら、綺麗なものに包まれてしにたい。
ボクらの家族は魔法(黒魔術)によって滅んだというのに、羨ましいという気持ちさえある。
それどころかボクはショロマンツァに憧れがあった。見つけることがあったら、いつか通ってみたい。
ーまあボクがここから出ることはな…ー
⁇?「ごめん下さーーーい」バコォーン
🇷🇴「?!……は…」
え……
🇧🇬「初めまして…僕ブルガリア…です、ちょっと道に迷ってしまって…?」
🇷🇴「…!、…え、えっと…貴方多分…勝手に敷地に入ってきま…したよね」
(ドアまで壊して…)
🇧🇬「え”…?あ、ごめんなさい!!すぐ出てくんで!!」
🇷🇴「え、あ…ま、待って!!……ください」グイ
🇧🇬「おわ⁈…なに?」
🇷🇴「…ボクが、怖くないんですか…?王家の血を汚した…吸血鬼…ですよ…?」
🇧🇬「ふーん。んー僕は別に君は怖くないよ」
🇷🇴「…ふーん、って……」
なんとなく、ボクはこの子(?)が気に入ってしまった。いや、救われたの方が正しいのかも。
🇷🇴「あの、!貴方…さえよければ…ボクと一緒に暮らしませんか?」
🇧🇬「お!いいね」
そんな軽く…。
でもボクはそんな貴方の性格に救われたのです。まるで暗闇の中の太陽のようにきっと今日の宮殿は輝いてる。
一応続きがあるので、気が向いたら載せます。
コメント
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〜🇷🇴君の設定〜 王家の血筋に生まれながら、ある理由から幼少期に身内から迫害され、吸血鬼の血をつぐ者として育て(虐待されて)きた。 引きこもりな性格と義母に裏切られたショックから、宮殿に閉じこもっている。太陽の光が苦手になってしまった。黒魔術に興味があり、国として国民を裏切ってはいけないという気持ちと葛藤している。