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人形の爪痕、壊れてしまったほうが

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人形の爪痕、壊れてしまったほうが

10 - 第10話虚ろな眼差しに映るのは……空っぽの心。

2022年10月05日

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には……何もない……。

虚ろな眼差しに映るのは……空っぽの心。

それはまるで……

抜け殻のように……。

「お前には何も残らない」

「お前は無価値だ」

そう言われている気がしてならなかった。

だから私は……

全てを捨てたのだ。

この世界に生きる意味などないと、 そう思ったから。

もうこれ以上……大切なものを作らなければ良いと。

そうすればきっと……

誰も失わずに済むと……本気で思っていたのか? お前らは、いつだってそうだ。

自分が一番大事だから……他人を犠牲にする。

だがそれは、自分自身にも言えることだろ? お前らが望んでいるのは……

何もかも全てを忘れてしまえるだけの……永遠の眠りだ。

あの日以来、オレはずっと独りだったよ。

もう誰も信じない。

信じられるのは、自分の腕だけだ。

それがどうした? 今さら善人ぶるつもりか? 笑わせるぜ! お前ら全員、同じ穴のムジナじゃねえかよ! そうさ、俺は悪者だ。

だがてめえらはそれ以上に悪党だろうが!? だから俺を裁けるなんて思うんじゃねぇぞ。

この世で一番強い奴が正義だとしたら、一番弱い奴が一番悪い。

だったら一番弱い奴が悪いに決まってる。

つまり俺は悪くない。

これが結論だよ。

何が間違っているっていうんだ? 正義の反対は別の正義だというのか? じゃあ、俺が正しいことをすれば、 それは正義だってことだよなぁ! 自分の信じる道を突き進めばいいさ。

俺は止めないよ。

だけど後悔しても知らないぜ? そうかい。アンタは自分の信じた道を行くわけだ。

なら、俺は勝手についていくとするかな。

俺には関係のないことだしね。

どうせ忠告なんて聞きゃしないんだろ? 好きにしなよ。

アタシの名は……

『 』

アタシはアンタのことを愛してたよ。


ずっと昔からね。

そうさ、初めて会った時からだ。

アタシたちは運命に導かれるように出会った。

だけどそれは偶然なんかじゃないんだよ。

アタシたちの出会いには意味があったんだ。

運命なんて言葉じゃ足りないくらいの強い絆があるはずさ。

アタシたちの間にはね! だからアタシがアンタの友達になってあげるよ! だって、アタシたちは同じじゃないけど似た者同士だもん。

あー……、確かにそうかもね~。

あんたはさぁ、他人に対して距離を置きすぎだよ。

ほらほら、もっと気楽にいこうぜ? あ、そうだ。せっかくだしあだ名付けようぜ? えぇ~!? じゃあアタシが決めてもいいよね? うぅん……よし決めた! あんたの名前は―――

「ねぇ、聞いてる?」

「おわッ!」

ぼんやりしていた俺の顔の前に突然現れた顔。それは俺にとって見慣れたものだったが、不意打ちだったせいか思わず仰け反ってしまった。

「なんだよ! 俺だって……俺だって!」

「うるさい黙れよ! お前なんて……ただのお荷物だろ?」

「なんでだよ!? 俺は頑張ってたじゃないか!!」

「そうだね。確かに君はよくやってくれたよ」

「だったら……どうして!?」

「だからさぁ、君はもう用済みなんだよ」

「えっ?」

「この役立たずめ」

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