コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
私
には……何もない……。
虚ろな眼差しに映るのは……空っぽの心。
それはまるで……
抜け殻のように……。
「お前には何も残らない」
「お前は無価値だ」
そう言われている気がしてならなかった。
だから私は……
全てを捨てたのだ。
この世界に生きる意味などないと、 そう思ったから。
もうこれ以上……大切なものを作らなければ良いと。
そうすればきっと……
誰も失わずに済むと……本気で思っていたのか? お前らは、いつだってそうだ。
自分が一番大事だから……他人を犠牲にする。
だがそれは、自分自身にも言えることだろ? お前らが望んでいるのは……
何もかも全てを忘れてしまえるだけの……永遠の眠りだ。
あの日以来、オレはずっと独りだったよ。
もう誰も信じない。
信じられるのは、自分の腕だけだ。
それがどうした? 今さら善人ぶるつもりか? 笑わせるぜ! お前ら全員、同じ穴のムジナじゃねえかよ! そうさ、俺は悪者だ。
だがてめえらはそれ以上に悪党だろうが!? だから俺を裁けるなんて思うんじゃねぇぞ。
この世で一番強い奴が正義だとしたら、一番弱い奴が一番悪い。
だったら一番弱い奴が悪いに決まってる。
つまり俺は悪くない。
これが結論だよ。
何が間違っているっていうんだ? 正義の反対は別の正義だというのか? じゃあ、俺が正しいことをすれば、 それは正義だってことだよなぁ! 自分の信じる道を突き進めばいいさ。
俺は止めないよ。
だけど後悔しても知らないぜ? そうかい。アンタは自分の信じた道を行くわけだ。
なら、俺は勝手についていくとするかな。
俺には関係のないことだしね。
どうせ忠告なんて聞きゃしないんだろ? 好きにしなよ。
アタシの名は……
『 』
。
アタシはアンタのことを愛してたよ。
ずっと昔からね。
そうさ、初めて会った時からだ。
アタシたちは運命に導かれるように出会った。
だけどそれは偶然なんかじゃないんだよ。
アタシたちの出会いには意味があったんだ。
運命なんて言葉じゃ足りないくらいの強い絆があるはずさ。
アタシたちの間にはね! だからアタシがアンタの友達になってあげるよ! だって、アタシたちは同じじゃないけど似た者同士だもん。
あー……、確かにそうかもね~。
あんたはさぁ、他人に対して距離を置きすぎだよ。
ほらほら、もっと気楽にいこうぜ? あ、そうだ。せっかくだしあだ名付けようぜ? えぇ~!? じゃあアタシが決めてもいいよね? うぅん……よし決めた! あんたの名前は―――
「ねぇ、聞いてる?」
「おわッ!」
ぼんやりしていた俺の顔の前に突然現れた顔。それは俺にとって見慣れたものだったが、不意打ちだったせいか思わず仰け反ってしまった。
「なんだよ! 俺だって……俺だって!」
「うるさい黙れよ! お前なんて……ただのお荷物だろ?」
「なんでだよ!? 俺は頑張ってたじゃないか!!」
「そうだね。確かに君はよくやってくれたよ」
「だったら……どうして!?」
「だからさぁ、君はもう用済みなんだよ」
「えっ?」
「この役立たずめ」