番外編9 『幼児化執事(見た目めちゃ子供、中身大人)』前編
朝起きたら――。
執事達が幼児化していた!!
『これは一体…?』
『みなさん小さいですね!』
『なんでこうなったの?』
『それが分からないんです。朝起きたらこうなってたんです。』
(見た目は子供で中身は大人か…。)
『厨房に手が届かねー!』
『小さい手じゃ鍛錬が……。』
『まぁまぁとにかくご飯は私が作るよ。』
『すみません…主様。』
私は厨房に立つ。
『はい、出来た。主特製オムライスとコンポタージュとゼリーです!』
『美味しそうですね…。主様にご飯を作って頂けるなんて…。』
『主様、ケチャップになんか書いてくれませんか?』
(あぁ、可愛すぎ……中身大人なんだけどね君達。まぁいいや可愛いから。)
『なんて書く?』
『主様って書いて欲しいです。』
(フェネスって意外とあざといよね。)
※この後18人分書くことになる。
『……もぐ。』
『ボスキ野菜食べてる!』
『主様の作った料理だからな…残す訳にはいかねぇだろ。』
『ボスキ…。偉い偉い(。-ω-ヾ(>᎑<`๑)』
『ガキ扱いしないでくれ…///』
『主様、アーンして欲しいっす!』
『えぇ?もう仕方ないな〜。 』
(可愛いからなんでも許してしまう……。)
『でも困りましたね……仕事に支障が…。』
『私は帳簿を付けたり掃除するだけなので特にないですが…いや、高いところは掃除できませんね。』
『主様!僕ちゃんと掃除します!』
『そうだね…。椅子を用意するから掃除は届く範囲内で大丈夫だよ。ルカスも調合は危ないから、3人で掃除をしてほしいな。』
『ふふ、分かりました。では3人で手分けしようか。』
『うん、よろしくね。さて、私は洗い物でも…。』
ドンガラガッシャーン!!
『え?』
厨房から音がしたので行ってみる。
『ラト!?』
椅子から落ちたのかラトが倒れている。
『どうしたの?』
『主様のお手伝いをしたくて…。』
『その気持ちは嬉しいけど…今ラトは小さいから…あ、そうだ。フルーレのお手伝いをしてあげて?洗濯物畳んで欲しいな。』
『分かりました。』
『うん、よろしくね。』
(さて、洗い物を…。)
『ハナマルさん!昼からそんなもの飲まないで下さい!』
廊下から声が聞こえる。
(今度はなんだ…?)
『昼からお酒なんて何考えてるんですか!仕事に支障が出ます!』
『捕まえられるもんなら捕まえてみたら〜?』
『(💢゚Д゚) 』
『……コラー!!』
私はハナマルを捕まえて正座させた。
『ユーハンなら捕まえられないけど、子供相手だから私は楽勝だね。』
『くそ……主様には何も言えねぇ。』
『テディが泣いてるでしょ。』
『( இ﹏இ )』
『すみませんテディさん…。』
(可愛いな……。)
『罰としてハナマルは3階の執事のみんなと掃除です。』
『えぇー?』
『テディとユーハンはロノとバスティンのお手伝いをおねがいしたいの。』
『ロノさんとバスティンさんのですか?』
『うん。畑の野菜が食べ頃だから今収穫してるはず。2人だけだと大変だからさ。』
『分かりました!テディさん行きましょう!』
ユーハンがテディの手を掴む。
(和むわ……。)
私は厨房で洗い物をする。
『よし、洗い物も終わったし、後は…。』
『ちょっとシロ!危ないってば!』
『うるさい、我に構うな。』
『なんだなんだ。』
廊下からまた騒がしい声がした。
『ベレン、シロ、どうしたの?』
『あ、主様!シロが1人で森の中に行くって言うんだ。』
『絵を描きに行くだけだ。』
『でもシロは今小さいからおそわれたら危ないって言ってるんだけど…。』
『ふん、我がそんな軟弱に見えるのか。』
『シロ、絵を描くのはいいけど、描くなら屋敷の庭にして。危ないから。』
『…分かった。』
『はい、いい子です。』
私はシロの頭を撫でる。
『子供扱いするな。』
夜――。
『子供のお世話って色々大変だね…。』
(夜後も食べたし、あとはお風呂だけど…。)
『あの、子供達だけで入ったら危ないから…一緒に入る?』
『!?』
(まぁその反応になるよね……。)
『大丈夫、今みんな子供だし。』
※主は油断しています。
そして私は全員お風呂に入れることになる。
後編へ続く!
コメント
8件
続き待ち待機中
番外編毎回面白くて好きです(*´ω`*)
後編がものすごく楽しみ‼️笑