ズガァァァァッ!!!
「おい!鰆義!夜だぞ!」
鰆義はハッとした顔をした。
「バカだ…これもう通報されるじゃん。」
「ははは…すまん…つい」
砂埃で男の姿が見えない
「おい、やったか?とか言うなよな」
「知ってるわ…フラグじゃねぇかよ」
ビュンッ!!
ピッ…
「っ」
いきなり高速で飛ばされた何かによって
暾の頬が切れた
「ったく、そろそろイラついてきたよ」
「…それはこっちの方だボケカス…
こっちは家吹き飛ばされてんだぞ」
ザンッッッッッ!!!
「ごふっ…」
…嘘だろ
僕は体から大量の血を出して座り込んだ
「…暾…!」
ブォッ!!
すると突然、一気に砂埃が晴れた。
「あっぶねぇな、クソ共」
「…お前が強いのはわかったよ、けど」
鰆義が不敵の笑みを浮かべる
ピカッ…
「お前、もう終わりだよ」
上空から一瞬、光が発生した。
次の瞬間
ズダァァァッ!!
空からなにかが降ってきたのだ。
「うぉっ…」
僕は思わず狼狽える
「おっせぇな」
鰆義が文句を漏らした。
そこには、1人の女の人がいた。
「ごめんさい。」
「ごめんなさいだろ、バカ会長」
正直、登場の仕方には驚いたが
この男に勝てるのかは分からない。
「もう眠いから、片付けるよ。」
女の人がそう言う、刀を構えた。
ズザザ…
「えっ」
僕はその時、人生で1番驚いたと思う。
踏み込みの時の脚力がとても人間じゃない
「…最強」
バガァァアァァァッ!!!!
「っっっ」
男の顔色が一瞬で変わった。
ズバッ!
「ふんっ…」
女の人が静かに声を漏らす
あの速度で突っ込んで行ったのに、脅威の
脚力で直ぐに立ち止まった
「なぁ、暾」
鰆義が興奮したような表情で話しかけて
来た、正直気持ちが悪い。
「あれ、技じゃねぇのよ」
「えっ」
「てか、あいつは技使えねぇ」
「嘘でしょ?」
「嘘だと思うか?」
「…」
確かに、彼女は斬る時、技使用前特有の
呼吸をしていなかった、彼女はただ
集中するための深呼吸をしていた。
「やばいね。」
「ちょっと、そこ、引くな」
彼女がぶっ倒れた男を踏みながら来た。
「まったく…こんな時間に電話よこして」
次は彼女が不満を垂れ流した。
「いいだろ、別にー!彼女なんだしさ」
ドクッ…
「あ”?」
暾は鰆義を思い切り睨みつける。
「え…いや…彼女…俺の…」
「あぁ…そうですかそうですか…」
「ちょっ…おい….なんだ..」
暾は鰆義に詰め寄る。
「お前が守られてどうすんだ…だせぇぞ」
鰆義の顔が困惑から怒りへと変わった。
「なんだと!本気じゃねぇよ!」
「うるさいなぁ、とりあえず警察だよ。
あの人達なら何とかしてくれるでしょ」
「適当だな、結は。」
「あー、てか、僕小樽育成校の生徒会長の
名前知らなかった、なんていうの?」
「…結、九条結だよ。」
九条は、少し笑った
「日本一強いから、忘れないでね。」
「ん…」
暾は、ヒソヒソ声で鰆義に聞く
「いくらなんでも嘘だよな…」ボソッ
「お、おい…暾、あいつ地獄耳だから…」
「えっ」
恐ろしい影が、暾を包み込んだ
「ふんっ!」
ボガッ!!
「ぐぇっ…」
暾は後頭部をぶっ叩かれ、そのまま
倒れ込んだ。
「もう帰るね、じゃ」
結はそのまま帰宅した、よく考えたら
小樽にある実家からあんな短時間で
札幌まで飛んできたんだよな…
鰆義の彼女、恐ろしや。
それは暑い夏の日だった、その日が
僕の人生を少し変えた。
「それでは!今から夏宿泊能力者強化
週間を行う!」
先生の声が、そこらじゅうへと響き渡る
正直このイベントは大嫌いだ、毎年
何かしらの事件が発生する。
「いいか?今回の強化週間はちと違う!
小樽高校との合同週間だ!!」
そう言った瞬間、沢山の生徒が集まる
体育館が少しざわめいた。
「黙れ!確かにこの週間が辛いと感じる
生徒も多いだろう!だが!これは能力者
育成の基本的な…」
一方その頃、竹山達は密かに作戦を
立てていた
「結局あいつ校長に言ってねぇぜ…
ビビってたんだな」
竹山が静かに笑いながらバカにする。
「それでは!!札幌育成校生徒会長
夜ノ島恵句都!今回の強化週間に向けて
の意気込みを話せ!」
1人の生徒が、体育館の壇上へ登った。
「えー…まぁ正直だるいと思うけど、
テキトーにダラーっとやれば乗り越えられ
ますんでね、まぁ、深く考えんでください。
考えすぎると集中できんし、もしかしたら
死ぬかもしれないからさー、まーー…
がんばれーって感じっすね。」
でた、恵句都のチョー適当演説
でも、正直少し面白い。
「ぐぬ…ま、まぁいい!時には休憩
も大事だと言うことだ!」
「違うけどね」
「うっせ!」
恵句都と先生の口論を見るために、みんなは
集会に足を運んでいると言っても過言では
ないだろうな。
「それでは次に!小樽育成校生徒会長
九条結!」
僕はあっとなった、九条結と言ったら、
昨日の助けてくれた女の子だ。
「…何も話すことありません、なんか
事件起きたら大変だーって、その時は
私達に言ってください、多分なんとか
なるんじゃないかなーって思います。」
「お前らは2人揃って…!」
先生は暴れだしそうな口を抑えると、
強化週間の説明へと入った。
「いいかー!今回の強化週間は他校との
競走!自分との激闘!葛藤!困難をうち
破る力をつけるものだ!!、場所は
指定能力者によって生成された無人島!
東が札幌校!西が小樽校!そしてルール
は簡単だ、西側東側の生徒がそれぞれ
1体1での決闘をし、勝ち進み、それぞれ
のチームの核を破壊する。破壊された
チームの敗北だ。」
要するに、勝って勝って勝ち進んで相手の
陣地に侵略すりゃいいわけね
「それでは、転移…!」
ドンッ…!!
「うっ…」
急に瞬間移動させられた場所は、知らない
大自然だった。
「なんだよ…説明不足だな、だいたい
食事はどうすんだよ…」
そう思った瞬間だ。
ザザザ…
「うん…?」
頭の中に雑音が流れた
「あー、あー、聞こえるか?俺だ」
「…先生か」
「今俺はおまえら全員の頭脳に話しかけて
んだよ!すげぇな現代の技術!まぁ、
あそこで説明出来なかった話をする。
食事に関しては摂らなくても生きて
行ける設定にしてある、死者はでない。
敗北した時点で高校に戻されるから
安心してくれ、まぁ、そんくらいか?
それじゃあなー!あ!あと、会長も参加
するからなぁー!」
「相変わらずうるさい人だな…まぁ、
核は西にあるわけだよな、じゃあ、まず
こいつからしばくか」
そこに立ち塞がったのは、1人の青年
女の子みたいな顔をしている。
「通さんし!俺が突き進むんや!」
「なんだ関西人か?エセかよ」
「お前さん、さっきから図太いヤツやの
その舐めた態度、改めさせてやら」
「なめんなよ、学年1位のこと」
次回 独断独死 弐章に続く。
30話 終
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