テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
115
宇津Q
2,059
ホールの照明が薄暗くなり、撮影会が始まった。大ぶりのカメラを構えて客席にいるのは十人ほどの男性、女性も一人いた。年齢は20代とおぼしき人から白髪の年配の人まで幅広かった。
ステージ上に一人ずつ少女が現れ、ファッションショーのように立ち、それから体の向きを様々に変えてポーズを取る。客たちは望遠レンズ付きのカメラのシャッターを押し、カメラのフラッシュが何度も稲妻のようにきらめく。
晶子が心配していたような、いかがわしい内容ではなかった。むしろ、ステージで若い体のラインと適度な露出度で肌を見せつける少女たちの姿は、同性である晶子の目にもまぶしく輝いて見えた。
だいぶ後になっていよいよ晶子の制服を着たカンナが登場した。スカート丈が膝まであるので、カンナは踏み台に片足を乗せたり、全身で素早く一回転したりして、チラチラと太ももを見せる。
最後にその日の出演者全員がステージ上に並び、一斉にフラッシュを連続で浴びて、撮影会は終了となった。
小林が客を見送り、少女たちは下の階の控室に戻る。カンナが晶子の側へ来て、提案する。
「なあ晶子。ちょっと二人でこのまま街を歩いてみないか? あたい、一度でいいからこういう制服着て渋谷歩いてみたかったんだよな」
「ええ?」
晶子は心底驚いてただちに断ろうと思った。だが、晶子の心の中に、自分でも説明できない奇妙な感情が首をもたげた。ためらっている晶子にカンナが照れ隠しの笑いを浮かべながら言う。
「あはは。ダメに決まってるよな。いや、言ってみただけだから」
「いいよ」
予想外の晶子の返事にカンナがきょとんとする。
「へ? 今何て?」
晶子は大きく深呼吸して決然とカンナに答える。
「いいよ、20分とか、それぐらいだったら」
二人はそれぞれの取り換えた服装のまま、快晴の青空の下、繁華街の歩道へ歩いて行った。
コメント
1件
めっちゃエモかった〜😭💕 晶子の「自分でも説明できない感情」がもうね、分かるよその気持ち…! カンナの制服で渋谷歩きたい発言も可愛すぎるし、まさかの「いいよ」で二人で歩き出すシーン、青春すぎて胸がギュッてなったよ。この先どうなるんだろう、ドキドキする〜⋆♡